仏書・良書に親しむ
新緑読書特集2021

新緑読書特集 掲載広告





『週刊佛教タイムス』2021年5月20号の新緑読書特集では、19冊の仏教書・宗教や信仰をテーマにした書籍をご紹介しました.



・斎藤信行 北畠浄光 編 『歴史のなかの仏教』 永田文昌堂
・大谷栄一 大友昌子ほか 編 『吉田久一とその時代 仏教史と社会事業史の探求』 法藏館
・島薗進 末木文美士ほか 編 『近代日本宗教史第5巻 敗戦から高度成長へ』 春秋社
・保阪正康 著 『石橋湛山の65日』 東洋経済新報社
・伊藤亜紗 編 『「利他」とは何か』 集英社新書
・岡本亮輔 著 『宗教と日本人』 中公新書
・佐藤弘央 著 『日本人と神』 講談社現代新書
・吉田一彦 編 『神仏融合の東アジア史』 名古屋大学出版会
・朴炳道 著 『近世日本の災害と宗教-呪術・終末・慰霊・象徴』 吉川弘文館
・国文学研究資料館 高麗大学校グローバル日本研究院 共編 『東アジアにおける知の往還』  勉誠出版
・西山学会『選択集』研究会 著 『「選択本願念仏集」の論理と構造』 白馬社
・ポムリュン 著 『誰よりも先にあなたが幸せになりなさい』 マガジンハウス
・伊野孝行 絵と文 『となりの一休さん』 春陽堂書店
・川添泰信ほか 著 『観音菩薩の化身 聖徳太子』 本願寺出版社
・松本慈恵 松本慈寛 編著 『因縁・いわく・故事・隠語 仏辞苑』 国書刊行会
・香月乗光 著 『浄土宗 日常勤行の話』 浄土宗出版
・山口亜耶 作・絵 『がまぐちさん』 仏教伝道協会
・織田顕祐 監修 『帰り道で話そうよ』 東本願寺出版
・奥野克己 MOSA 著 『マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか』 日本実業出版社

『がまぐちさん』 山口亜耶 作・絵 仏教伝道協会

 (公財)仏教伝道協会の「こころの絵本大賞」で第5回大賞を受賞した本作。がまぐちさんの取り出す少し不思議な〝くちがね〟がみんなの悩みを解決していく。

 ぽかぽかまちの商店街で「がまぐちや」を営むがまぐちさん。近くにショッピングセンターができてから人出が減ってしまい、つけもの屋もオムレツ屋も暇そうだ。がまぐちさんが持つ不思議な〝がまぐち〟は、ものに付けてそれを開けると中身が見えたり、取り出せたりする。がまぐちの力を使ってシャッター商店街になりそうな町の問題の解決にも乗り出していく。

 ユニークなキャラクターにユニークな物語の展開で現代の社会も映し出す。創造を広げてい絵本の楽しさがある。(B5判変形・32頁・価220円)




『帰り道で話そうよ』 織田顕祐 監修 東本願寺出版

 小学3年生の吉野果奈ちゃんと近所のお寺の平江相海住職が織りなす日常生活の風景の中に、仏教の智慧を見出していく仏典マンガ。著名な譬喩25話をより平易に紹介し、人間に生まれた喜びやいのちの尊さ、比較できない一人ひとりのかけがえのなさなどを示す。子どもたちに贈る現代の仏教説話集でもある。

 小学生の果奈ちゃんの素朴な問いに、柔軟に応じる相海住職。仏典のたとえ話が、時代を超えて人間存在の心の闇を照らし出す燈明であることに改めて気づかされる。

 毎日、いろいろな発見をしていた小学校の帰り道。その道は豊かな人生の譬喩でもある。本書を読むうち、大人も子ども時代の素直な心で仏典と向き合うようになるに違いない。

 心温まる日常の対機説法の場面を鮮やかに描き出しており、法話の際の参考にもなる。(A5判・120頁・価880円)




 『マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか』 奥野克巳・MOSA 著 日本実業出版社

 東南アジアのボルネオ島に暮らす森の民プナンの暮らしを描いた「民族誌マンガ」。

 森の中で食べ物を探すことに一日を費やし、お金や世の中のためではなく「生きるために食べる」。動物との対等な関係、死に執着しない葬送から夜這いや婚姻の在り方まで、プナンの血肉のかよった生活が表現される。彼らにとって一番偉い者は「一番気前のいい人」だ。ものを周囲に「分け与える」なかでリーダーが決まっていく。著者はそんなプナンと暮らすなかで仏教を想起することがあったという。それもあって本書にはブッダが登場する。ブッダは彼らをどう見たのか。(A5判・248頁・価1980円)