仏教タイムス 共生特集


 1992年にブラジルのリオデジャネイロで「地球サミット(国連環境開発会議)」が開催されました。「環境と開発に関するリオ宣言」や「気候変動枠組条約」が採択されるなど、地球温暖化の問題が世界で共有されました。この会議で用いられた「持続可能な開発」の言葉は今日のキーワードとなっています。

 この年から弊紙では「共生特集」を企画し、宗教界・仏教界における平和・環境・福祉・ボランティアなどの取り組みを紹介してきました。

 気候変動問題は切迫感が増し、分断や対立が横行している地球にあって平和実現は人類の切実な願いとなっています。グローバル、ローカルを問わず「共生社会」に貢献する活動を紹介してきた記事を一部再掲します。

「温暖化地獄」が現実化 提起から16年「地球沸騰化」の時代に

 今年の夏の暑さは例年以上だった。涼しいとされる北海道でも30度を超える日が続いた。世界的に見ても山火事が相次ぎ、一部では洪水が発生したりしている。まさに地球温暖化の時代に入ったのだ。16年前、こうした現象を予測した研究者がいた。山本良一・東京大学名誉教授である。著書はズバリ、『温暖化地獄』(ダイヤモンド社)。

旭硝子財団 環境危機時計 4分戻る 中米・東欧などは20分進む

 (公財)旭硝子財団(東京都千代田区)は6日、世界の環境有識者を対象とした「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」の調査結果を発表した。地球環境への危機意識を示す「環境危機時計」は「極めて不安」の9時31分で、昨年より4分針が戻った。

大阪大学×東光院 命の世界・仏教徒共同体 防災ワークショップ開催

 大阪大学の先導的学際研究機構「新たな防災」を軸とした命を大切にする未来社会研究部門は7日、豊中市の曹洞宗東光院(村山廣甫住職)でワークショップ「お寺で考える『新たな防災』」を開催した。阪大の同部門の知見と、お寺の持つ地域資源・社会貢献力を組み合わせ、震災やコロナ禍を超えた社会を豊かにする方法を考えた。

144年ぶりの暑さだった 北海道根室市 細川大憲・真言宗智山派清隆寺副住職

 今年の北海道は確かに暑かった。例年根室はしのぎやすいのですが、地元紙によると144年ぶりの暑さだそうです。ということは当時を知る人はいませんので、初めてこの暑さを体験したわけです。

SDGsは「現代版アヘン」か? 『人新世の「資本論」』著者 斎藤幸平氏インタビュー

 資本主義によって地球環境は危殆に瀕している。2021年の新書大賞を受賞した『人新世の「資本論」』(集英社新書)はこの問題を掘り下げ、脱成長経済を提起した。人新世とは「人類が地球を破壊しつくす時代」のことだ。一方でSDGs(持続可能な開発目標)に対して痛烈な批判を加えている。著者、斎藤幸平氏(東京大学大学院総合文化研究科准教授)にインタビューした。(構成/編集部)

おてらおむつプロジェクト 介護者カフェから展開 浄土宗安福寺

 大阪府柏原市の浄土宗安福寺の大﨑信人住職(46)は、肉親の介護をする人や終えた人たちが悩みをや経験を話し合い、複雑な気持ちを分かち合う場「介護者カフェ」を開き、その中で「おてらおむつプロジェクト」も行っている。介護用を終えた人などから不要になったおむつを集め、必要としてくれる施設や個人に受け渡すもので、類例のないユニークな取り組みだ。

生長の家のウクライナ支援「P4U」 全国で国旗の日パレード

  生長の家(国際本部=山梨県北杜市、谷口雅宣総裁)はウクライナ支援イベント「ピースフォーウクライナ(P4U)ウクライナに平和を」を3月から行っている。「人類の光明化」を目的に、戦争のない世界の実現を目指す同教団は、「すべての人間は神の子である」という信仰の広まりにより真の国際平和が実現するとの信条から、ロシアによる違法な武力攻撃は侵略戦争にあたると反対の立場を示している。

日本禁煙学会がポケットブック刊行 “卒煙”はSDGs推進 医僧・来馬明規住職訴える

 “とげぬき地蔵尊”で知られる東京・巣鴨の曹洞宗髙岩寺。参拝者で賑わう境内の各所には「全域禁煙」の垂れ幕が掲示されている。内科医でもある来馬明規住職は15年以上、禁煙運動に取り組む。来馬住職が監事を務める日本禁煙学会(作田学理事長)は、今春「SDGsポケットブック」を刊行した。「禁煙はSDGsの実践であり、タバコはSDGsの理念に背く」と来馬住職は言う。