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2026/3/2
立正佼成会一食基金
一段落前に福島で事業報告会 10年以上にわたり約50団体に総額1億円助成
コミュニティ再建 9団体が発表 多重苦の中で居場所作り


立正佼成会一食平和基金が支援した9団体が活動報告した(大熊町) 東日本大震災から15年。地震・津波・原発事故・長期の避難生活、それらに伴う地域の分断など多重苦に直面している福島県の被災地で活動しているNPOに2014年から10年以上にわたり総額1億円超を助成してきた立正佼成会一食平和基金は、今年度で一段落することから6日、福島県大熊町の複合施設「Linkる大熊」を会場に事業報告会を開催した。助成団体や住民、県内の立正佼成会教会長と会員らが参加した。

 最初に一食基金の秀島くみこ事務局長が趣旨説明を兼ねて挨拶。「一食を捧げる運動」の原点を説明すると共に助成への窓口役を担ったNPO法人「うつくしまNPOネットワーク」(UNN、郡山市)に「UNNとの提携なくしてこの事業はなかった」と感謝した。そして「本事業は3月をもって一段落するが、取り組みの報告はその先へと続く大切なプロセスとなる。成果や教訓が共有され、学びや連携がさらに深まることを願っている」と意義を語った。

 一食基金と県内団体とのパイプ役となったUNNの鈴木和隆事務局長は、全体的な報告を行った。「余力ではなく大切な食事を抜いて」献金する一食運動の理念に共感したと言い、「それが私たちが惚れたところ」と笑顔で口にした。

 さらに特徴として、▽申請書が簡便、▽4月から助成があり活動しやすい、▽任意団体でも問題ない、▽物品購入や人件費に使用できる―などを挙げた。今年度は1団体あたり30~100万円を助成し10団体総額850万円だった。

 成果として、▽事務局の充実、▽備品を揃えることができた、▽任意団体からNPO法人に移行できた、▽県外でばらばらだった人たちと交流の輪ができた、▽タイムリーな情報を届けられるようになった―を列挙。柔軟かつ即時的対応が可能となった一食基金に感謝した。一食基金が支援した団体は約50団体におよぶ。(続きは紙面でご覧ください)

2026/2/26
天台宗宗議会 能登寺院の救済措置要望
他宗派共済制度を例に


継続支援を表明する細野総長 天台宗の第160回通常宗議会(大澤貫秀議長)が、17~20日の会期で滋賀県大津市の宗務庁に招集された。細野舜海宗務総長は執務方針演説で、能登半島地震・奥能登豪雨災害に対する天台宗災害対策本部を3月末に閉鎖すると報告。「だが被災地の復興は先が見通せる状況ではない。何らかの形で今後の支援を検討する」と表明した。4月15日に任期を満了する現宗議最後の宗会で、石川県珠洲市・翠雲寺住職の岩尾照尚議員(北陸)が道興会の代表質問に立ち、悲涙に声を詰まらせつつ被災寺院の現状を訴えた。

 細野総長は執務方針で、被災寺院に対して「お見舞いや災害復興支援金の支給、寺院教会復興支援貸付制度の活用、天台宗災害補償制度(任意加入の共済制度)との連携など迅速な対応を心がけている」と説明。「一隅を照らす運動」地球救援事務局では、国内外で起こる大規模災害に備えて「緊急支援体制の見直しと強化を行う」と述べた。(続きは紙面でご覧ください)

2026/2/26
妙心寺派宗議会 積極的資産運用へ規程改正 
現在の積立金は「塩漬け」


宗団の将来を考えた資産運用を説いた野口総長 臨済宗妙心寺派(野口善敬宗務総長)の第150次定期宗議会が18日から20日まで京都市右京区の宗務本所に招集された。かねてより教団の財政安定化のために検討されていた資産運用を円滑に行うための財務規程の改正ならびに連動する諸規程の改正案が上程され可決した。財務部の試算では宗派・大本山を合わせて24億円超を運用することになっている。

 改正は、総長の年度内の専決額は予算総額の1/20以内と定める財務規程35条に「ただし、金融資産運用時において必要を要する場合はこの限りではない」と追加するほか、退職積立金や災害見舞基金積立金など各種積立金の目的外使用禁止・果実の繰入を定める各条に「ただし、金融資産運用中はこの限りではない」と追加して資産運用を可能にするもの。真常紹天総務部長は議案説明で「現在、積立金の多くが塩漬けになっている」と述べ、積極的活用のための改正だとした。また委託するのは野村證券、大和證券など15社を指定する議案も可決された。(続きは紙面でご覧下さい)

2026/2/26
曹洞宗宗議会 デベロッパーによる再開発提案
定期借地契約期間は70年 宗務庁移転 鶴見大会館が候補に


演説する服部総長 曹洞宗の第149回通常宗議会が16日、東京・芝の檀信徒会館に招集された。不動産開発関連議案として、定期借地権を活用してデベロッパーが再開発を進める承認案とともに、宗務庁の仮移転候補地に鶴見大学会館を選定する承認案が提出された。

 服部秀世宗務総長は演説で、宗務庁の所在する付加価値が高い港区の土地を有効活用し、「将来の宗門に不利益をもたらさない新庁舎を建設するため、所有不動産を最大限に利用した開発手法を策定する必要がある」と強調。「現時点では、定期借地権を利用した開発手法が最良であると判断している」と述べ、定期借地権を利用したデベロッパーによる再開発に賛同を求めた。定期借地契約の期間は70年の想定。(続きは紙面でご覧ください)

2026/2/26
浄土宗総合研究所 「仏教の魅力再発見」シンポ
生きる意味の布教提起 仏像・近代仏教・教理から接近

 
上田氏とパネリスト3氏による全体討議 浄土宗総合研究所は16日、東京都港区の増上寺光摂殿でオンラインを併用して公開シンポジウム「仏教の魅力再発見」を開催した。現代社会における仏教の意味と魅力がどこにあるのか、またそれをどう発信していくかについて議論した。

 基調講演は上田紀行氏(東海学園大学卓越教授・特命副学長)が「現代における仏教の意義」と題して行い、現在の状況を「経済的不況以上に〝生きる意味〟の不況ではないか」と提起。自己責任が広がる日本社会において「衆生の苦しみを救いたい」という立場から僧侶が活動することを期待し、「社会と向き合う気概をみせないとあとがない」と日本仏教の危機も示した。これまでに刺激を受けた僧侶の一人としてお寺を改革してきた長野・神宮寺元住職の高橋卓志氏の活動と共に、インドネシア・ビアク島での戦没者の遺骨収集と慰霊法要に参加し「命に向き合う」ことで僧侶として発心したことを紹介。ダライラマ法王や各宗派の祖師などの革新者たちが「それぞれの時代の苦悩に向き合って、妥当性があるのかを考え抜いてきた」と指摘。「半世俗、半在家」の日本の僧侶たちに「居心地のいい所から出ること」をよびかけつつ、社会に対して「生きる希望や支えをみせてほしい」と要望した。(続きは紙面でご覧ください)

2026/2/24

衆院選2026 〝宗教票〟立憲から自民党へ? 中道と創価学会を中心に読む


 2月8日投開票の衆院選(465議席)。自民党316議席、日本維新の会36議席と与党が352議席を獲得して圧勝した。全議席の4分の3を占め、改憲発議が急浮上している。

 選挙前、立憲民主党は脱原発や安全保障といった基本政策を転換し、ほぼ公明党の理念や政策を丸呑みして中道改革連合を結成した。公示前は両党で167議席あったが、結果は49議席と3分の1以下となった。野党第一党として歴史的大敗北だが。小選挙区では当選が困難な旧公明系は各ブロックの上位に候補者を置き、28人全員が当選した。前回(2024年10月)より4議席増やしている。

 比例票の比較(図)で分かるように、2024年衆院選で公明党は596万票、立憲は1156万票を獲得し、合算すると1750万票を超えている。だが、〈1+1=2〉という数式はまったく当てはまらなかった。増えるどころか、マイナスに働いた。

 元国会議員秘書の選挙ウオッチャーはこんな分析をした。「公明党と組んだことで、反学会の立場から立憲を支持していた票が離れ、自民党に流れたのではないか。逆に自民党が公明党と別れたことで自民党を支持しやすくなった。今回の大きな票の動きは、こうした〝宗教票〟が関係していると考えられる」

 中道票は11ブロック合計で1043万票にとどまった。自民の半分ほどだ。前回と前々回(2021)の立憲票は1100万票台だったが、それよりも100万票減らした。1043万票の半分超は学会・旧公明票と推測される。

 というのも、かつて公明党が新進党に合流して臨んだ1996年衆院選比例で1558万票を獲得。解党後、再結成の公明党は2000年衆院選比例で776万票を得た。新進党票のほぼ半分が公明票と考えられるからだ。

 公明党の支持母体である創価学会は、他宗教を邪教視し、過激な折伏を繰り広げた過去がある。そのため既成教団の多くは、警戒感を解いていない。そうした歴史を総括することなく、近年はソフト路線を打ちだし、宗教間対話をも言い出している。

 中道改革連合が今後どのような道を進むのか。その鍵を握るのは公明党よりも創価学会だろう。


 衆院選 推薦と当選数
  全日仏93人→63人
  本願寺派45人→33人
  日蓮宗11人全員当選
  佼成会103人→68人 

 全日本仏教会(全日仏)は加盟団体からの申請に基づき、93人を推薦し、63人が当選した。政党別では公表していない。 浄土真宗本願寺派は築地聞真会会員を中心に45人を推薦し、33人が当選を果たした。政党別当選数は自民28(推薦28)、中道3(同12)、維新1(同2)、無所属1(同2)、減税ゆうこく0(同1)。

 また大阪19区から立候補して当選した自民党の谷川とむ氏は同派の僧籍(兵庫・万徳寺)を有している。大阪の全19選挙区の中で唯一、維新候補を破った。713票の僅差だった。

 日蓮宗は自民9人、国民民主1人、維新1人の11人を推薦し、全員が当選した。

 立正佼成会は173人を推薦し、68人が当選した。政党別当選者数は、自民39(推薦42)、中道16(同103)、国民民主11(同18)、維新1(同3)、減税ゆうこく0(同1)、れいわ0(同1)、無所属1(同5)。

 なお自主投票は123選挙区だった。

 同会は、旧民主党時代から民主党系を軸に推薦してきた。今回、創価学会を母体とする公明党と立憲民主党が中道を結成したことにより、間接的に創価学会と共闘することになった。

2026/2/19
土宜法龍に知のネットワーク 高野山大学で新資料発見
南方熊楠や富岡鉄斎と交流 密教学科生が授業通じて見出す


土宜の遺品を贈られた富岡鉄斎からの自筆礼状 和歌山県高野町の高野山大学(松長潤慶学長)で調査が進められている高野山真言宗総本山金剛峯寺・新別殿下倉庫の文書群から、明治・大正期を代表する仏教者・土宜法龍と同代屈指の文化人である南方熊楠や富岡鉄斎らとの交流を示す資料が発見された。近年研究が進む近代仏教史の中でも重要な新知見を含むと見られ、これらの分析を通して真言宗の重鎮として活躍した土宜を中心とする知と信仰の交流関係(ネットワーク)が明らかになると期待されている。

 同宗社会人権局が戦時資料の収集と調査に着手する際、宗務所職員が金剛峯寺新別殿下の倉庫から主に江戸後期から昭和中期に至る大量の文書・記録類を発見。整理・分類のため高野山大学に移管し、昨年度から森本一彦教授の授業「民俗調査」の中で学生たちが「1点ずつ頁を開いて埃を払い、文書番号を記したしおりを挟む」作業を行っている。その過程で、文学部密教学科3年生の宮本樹希君が、「土宜大僧正遺産分配請書」という表紙で綴じられた文書の束を見出した。

 幕末の嘉永7年(1854)8月に生まれ、大正12年(1923)1月に遷化した土宜法龍は、高野山大学林長・仁和寺門跡・真言宗御室派管長・真言宗各派連合総裁・金剛峯寺座主・高野山真言宗管長などを歴任した近代仏教界を代表する高僧。今回発見された文書の束を読み解く鑰(かぎ)となる資料が、金剛峯寺の事務方が作成した「前座主土宜大僧正御遺品分配目録」だ。

 土宜の遷化を受けて関係者に膨大な遺品を分配した時の記録で、この中に博物学者で「知の巨人」とも称される南方熊楠や「最後の文人画家」と呼ばれる富岡鉄斎ら錚々たる文化人や財界人の名が記されている。遺品を受け取った人たちからの自筆礼状も一括して保存。この中に南方や富岡の書状があり、新出資料であることが確認された。

 土宜と南方の出会いは明治26年(1893)。日本仏教代表委員としてシカゴ万国宗教会議に参加した土宜がパリへ向かう途次、南方の留学先のロンドンに立ち寄ったことが縁となった。以後、親しく交流し、その具体相が分かる往復書簡が数多く現存している。今回、土宜の遺品「墨塗金蒔絵手文庫」を「拝領」した南方自筆の礼状が発見された。

 富岡は、土宜が初代館長を務めた高野山霊宝館の扁額「放光閣」の題字を土宜の依頼で揮毫。土宜の遺品の中から「樟製調度大箱」「大師之御銅像」などを贈られた富岡が、独特の筆跡で「感激」の念を表す直筆の礼状が見つかった。(続きは紙面でご覧ください)

2026/2/19
日蓮宗大荒行成満会厳修
法華経寺91人、遠壽院4人

最後の力を振り絞り読経する修行僧ら(法華経寺) 祈祷修法を習得するために「寒一百日」間の苦修練行に籠る大荒行の成満会が10日、千葉県市川市の大本山中山法華経寺の日蓮宗加行所(若松宏泉伝師)と日蓮宗遠壽院荒行堂(戸田日晨伝師)でそれぞれ厳修された。法華経寺では初行4人が退堂し、91人が成満。遠壽院は初行1人が退堂し、4人が成満した。

 法華経寺の日蓮宗加行所の成満会は、加行中の1月18日に遷化した加行所伝主の新井日湛法華経寺貫首に代わり、光岡潮慶宗務総長を大導師に厳修。修行僧らが残る力を振り絞る渾身の読経が堂内に響き渡った。

 宗門を代表し、池田順覚伝道局長が挨拶。「加行所は不惜身命の広宣流布の志をその身に刻むための場。時代が移ろい社会が変わろうとも、法華経に生き、人々の悩みに苦しみに寄り添い続ける我々の姿勢は揺らぐことはありません」と述べ、成満会は「新たな門出」であり、「立正安国四海帰命のため、私心を差し置いて布教伝道にいよいよご精進なされますよう」と話した。

 若松伝師は、初行僧に向けて「木剣を耳に当ててごらんなさい。『早く一人でも多くの方を助けたい』という木剣の声が聞こえてこないか。令和13年は日蓮聖人の750遠忌。日蓮聖人のご恩に報いるためにも、一人でも多くの方々にお題目の尊さ、法華経の素晴らしさを伝えてほしい」と語り、「入行時に預かった生命・自我・自由をお返しする」と加行の終了を告げた。

 遠壽院の成満会では戸田伝師が「修行僧に対して厳しい指導をするが、こうして瑞門をくぐる度に、修行僧は百日間の修行をする尊い存在だと感じ、送り出している」と成満した修行僧たちへの思いを述べた。

2026/2/19

東京都教誨師会設立70周年式典

先人の熱意と献身に感謝 希望の光すべての人々に

70周年式典の追悼式で来賓が献花した 昭和30年(1955)に設立され、昨年70周年を迎えた東京都教誨師会(田澤衛会長=府中刑務所所属、浄土真宗本願寺派)が13日、東京都港区の東京グランドホテルで設立70周年式典を開催した。教誨の理念を深め広げてきた先人を追悼すると共に、教誨を通した社会貢献への決意を新たにした。

 同会会員52人、来賓として関東管区の各県教誨師会や都内施設の代表25人が出席した。

 式典は初めに追悼式を執り行い、国歌斉唱に続いて田澤衛会長(浄土真宗本願寺派、府中刑務所)が挨拶。「神や仏など決して変わることがない大きなお働きをいただき、その支えによって、私たちは歩んでいる。もう一つの視点から私たちが被収容者に接していくことで、法を破り、罪を犯した人々が自らの心に向き合い、一日一日をしっかり歩んでいけるお手伝いをすることこそが教誨師の役割」と使命を確認し、「施設の方々と協力し合い、多くの仲間である教誨師の皆様と研鑽を深め、先人に感謝を申し上げ、新たに教誨師になる方々が活躍いただける。70年がその機縁になれば有り難い」と呼びかけた。

 追悼文を野口眞澄氏(日蓮宗、東日本成人矯正医療センター)が奉読。70年の歩みを通して「罪を償う者たちに、弛むことなく真摯に向き合い、一人ひとりの心の声に耳を傾け、人生の再出発を支えてこられた。その熱意と献身こそが、教誨の理念を深め広めていく礎となっており、私たちの誇りとするところです」と先人たちの遺徳を偲んだ。そのうえで組織の意義として「連携の力」「個人では得難い学びの場があること」「情報発信の重要性」をあげながら、「これからも希望の光を求める全ての人々に寄り添っていけますよう努めてまいります」と結んだ。(続きは紙面でご覧ください)

2026/2/19
武蔵野大学 国際データサイエンス学部新設 

 記者発表で意見を交わした清木、紣川、小西、浅岡の各氏(左から)浄土真宗本願寺派の宗門関係校・武蔵野大は2026年4月、通信教育部に「国際データサイエンス学部」を新設する。東京都江東区の有明キャンパスで1月27日に記者発表があり、デジタル技術を活用した地方創生の推進に対する通信教育の強みをアピールした。

 同大は2019年に私立大として初めてデータサイエンス学部を開設し、デジタル技術の革新が進む社会の要請に先んじて対応。通信制の新学部もほぼ共通のカリキュラムで、通学生と一緒に参加することもできる「ハイブリッド型学修」が特徴だ。機械翻訳を備えた多言語システムを用いて海外の大学と連携した授業も行われ、世界で活躍する人材の育成を目指す。

 対面参加が可能なゼミ形式の「未来創造プロジェクト」では、学生自身が住む地域の課題解決などに取り組む。地元の問題がほかの多くの地域に共通のグローバルな社会課題でもあることを視野に入れ、地域活性化の推進にデジタル技術が果たす可能性を学ぶ。

 記者発表ではトークセッションが行われ、新学部への期待が語られた。新学部の学部長に就任予定の清木康・データサイエンス学部長は「居住地にいながら、その地域の問題に取り組めることが最大のアドバンテージだ」と通信制の意義を強調した。

 地方創生支援官として全国の自治体支援に携わるデジタル庁の浅岡孝充参事官は、地方の課題は現地に行かなければ分からないとの経験を振り返り、「地域で課題を共有する人たちがデータサイエンスを学び、DXを実践していくことは大きな意味がある」と話した。

 アマゾンジャパンでバイスプレジデントを務めた紣川謙・データサイエンス学部客員教授は、高齢化社会や過疎化など共通した課題が各地域に見られると指摘。「局所的な課題解決からスタートしたことが、グローバルな課題を解決する可能性がある」と語った。

 小西聖子学長はデジタル技術が広がった社会では、「問いを立てる能力が非常に大事になる」と考えを述べ、そうした力を養うために体験を重視した教育に力を入れていく方向性を示した。

2026/2/16
悲願の本堂建立に着手 和歌山県橋本市 妙楽寺
檀家ゼロ 地区の力を結集/経費圧縮 昨秋地鎮祭


基礎ができた新本堂の前に立つ岩西住職(1月24日) 大雨被害と老朽化で失われた本堂の再建を目指してきた高野山麓・和歌山県橋本市東家(とうげ)の真言律宗妙楽寺(岩西彰真住職)で、悲願の新本堂建立工事が始まった。経費を大幅に抑えるため、当初想定していた本格的な寺院建築ではなく、一般住宅の工法を選択。岩西住職(47)は、「十数年間、本堂再建のために尽力してくださっている役員さんたちも高齢になってきた。皆さんに早く喜んでいただきたい」と話す。

 平成23年10月の大雨で老朽化が進んでいた本堂の屋根が崩落し、翌年取り壊しに。だが妙楽寺は、檀家ゼロ軒の信者寺。そこで岩西住職は信徒でもある住民有志と本堂再建・伽藍再興を発願し、地元東家地区を毎年回る歳末托鉢を始めた。

 托鉢の目的は、各家の除災招福を祈願しながら妙楽寺の活動を知ってもらうこと。さらに今では、空き家が増えて独居や高齢世帯も多くなった地区の見守りも兼ねた交流活動になっている。高野山真言宗総本山金剛峯寺に勤務する岩西住職は、母親の康子さんの協力を得て誰もが参加しやすい行事を開くなど、自坊活性化の工夫を重ねてきた。

 令和4年7月に、境内を囲む土地(旧農地)を地元の地主から「奉納に近い値段で購入」(岩西住職)。まず、道路に接する参道と駐車場を作った。

 境内裏の広大な敷地には一昨年10月、「百八十八ヶ所お砂踏み霊場」を開創。地区内外から多くの札所石柱の奉納を受け、「四国八十八ヶ所」「西国三十三ヶ所」「紀伊西国三十三ヶ所」「嵯峨天皇勅願寺三十四ヶ所」が一度に巡れる「日本一の霊場」が完成した。(続きは紙面でご覧下さい)

2026/2/12
臨済宗妙心寺派無住寺院対策委 解散補助金180万円超を検討
少ない尼僧 育成策を提言


答申書を野口宗務総長に手渡す樋口委員長(左) 臨済宗妙心寺派の令和7年度無住寺院対策委員会(樋口顕龍委員長)が1月26日に京都市右京区の宗務本所で開催された。同派の特徴的な制度「寺院解散補助金」について2カ寺から宗務本所に申請があり、その実情を検討。また宗門活性化推進局と総務部が解散を検討している寺院を視察した状況も報告された。

 今年度寺院解散補助金の申請があったのは岐阜西教区の千手寺と三重教区の平安寺で、いずれも申請人は兼務住職。千手寺は被兼務寺院となって久しく、宗教活動を行うのが憚られるほど庫裡兼本堂の老朽化が進んでおり、梁が折れて屋根が落ちている危険な状況。檀家も少なく、新築はおろか改修することも不可能であり解散を決定した。残余財産だけでは解体費用の捻出が不可能であり、同教区の兼務住職の自坊が多大な負担をすることになるため、150万円の補助金を申請することになったという。今後、岐阜県に合併による解散の認証申請を行う見通し。

 平安寺も被兼務寺院になってから久しく、檀家もなければ法要もない寺院だった。同教区の兼務住職が普段の維持管理費用をすべて負担してきたため預貯金はゼロ。官報公告や登記手続きなどにかかった諸費用約32万円を申請した。土地を解体業者に譲渡し建物の解体費用を相殺する形を取っている。なお、すでに三重県からの解散認証は受けている。2カ寺ともやむを得ない事情があるとして適当な申請であると委員会は野口善敬宗務総長に答申した。(続きは紙面でご覧ください)

2026/2/12
全日仏青 佐賀関大火災を見舞う 大分県庁と地元仏教会に義援金


県庁担当者に目録を手渡した全日仏青役員(全日仏青提供) 昨年11月に発生した大分市佐賀関の大火災は死者1名、被災家屋194棟の甚大な被害となっており、復興は緒についたばかり。その支援のため全日本仏教青年会(全日仏青)は1月28日、加盟団体が托鉢した義援金を県庁と被災寺院に届けた。来馬司龍理事長、瀧藤康教救援委員長ら7人の役員が現地を訪れ、被害状況を視察。復興まで長い時間がかかりそうなことを確認すると共に、息の長い支援活動を展望している。

 全日仏青は大火災発生後から情報収集し、県庁や赤十字等の義援金受け入れの締切が12月中旬となっていたことで12月11日に救援基金から10万円を拠出して義援金として県庁に送った。瀧藤氏によると「その後、本当はボランティアに行きたかった。だが、状況を確認する限り素人の我々では手が付けられない状況」であり、加盟団体に托鉢を呼びかけて現地に直接届けることを提案。約70万円の浄財が集まった。

 28日にはこのうち、県庁に50万円を目録として手渡した(先行送金分と合わせて計60万円)。県庁担当者は深く感謝。全国からの義援金を公平に配分する委員会を設置し、全焼被災者には1世帯に280万円が支給されることや、2年後をめどに復興のための集合住宅を建設する予定などの説明があった。(続きは紙面でご覧ください)