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2024/12/5
GNRC(子どものための宗教者ネットワーク)第6回フォーラム 世界の子どもたちに希望に満ちた世界を アブダビに600人集う

GNRC各地域のリーダーたちに妙智會会員手製の折り鶴の首飾りが一人ひとりかけられた(11月21日) (一財)ありがとうインターナショナル(総裁=宮本惠司・妙智會教団法嗣)は開催国アラブ首長国連邦(UAE)の諸宗教組織「安全なコミュニティのための諸宗教連合」(IAFSC)との共催でGNRC(子どものための宗教者ネットワーク)第6回フォーラムを11月19日から3日間、首都アブダビで開催した。約60人の子ども代表を含めて世界67の国と地域から約600人が参加した。

 中米パナマでの第5回フォーラムから7年ぶりの開催。テーマは「子どもたちにとって希望ある世界を築くための宗教協力」。GNRCの各地域代表をはじめ国連機関代表、国際NGO、世界各地の宗教者らが参集した。日本からは天台宗三千院門跡の小堀光實門主、金光教泉尾教会の三宅光雄教会長が出席。妙智會教団は約40人の代表団を派遣した。

 初日の開会式で宮本総裁は、GNRCの歴史を回顧。ありがとうインターナショナル設立後、手探り状態で取り組み、2000年5月の第1回フォーラム(東京)を開催し、子どもの未来を思う世界の宗教者や同志たちとネットワークを築くことができたと報告。そして2002年、初代総裁・宮本丈靖師の国連演説がその後の活動への大きな起点になったと述べると共に、活動を支えてきた先人たちに感謝した。

 その上で今フォーラムに対し「参加者たちの強い志により、子どものための宗教協力がさらに広がり強固になると信じている。それが世界の子どもたちの希望につながることを切に祈っている」と期待した。

 期間中、開会式と閉会式を含む9回の全体会議が開かれた。国連代表やノーベル平和賞受賞者、宗教指導者らが次々にスピーチしたほか、テーマ別の文化会館や地域に分かれた話し合いが行われ、子どもたちも議論に加わった。

 国連代表の一人は、「今の世界は子どもたちにとって安全とは言えない」とし、10億人の子どもが貧困や気候変動といったハイリスクの環境に置かれていると指摘。一方、安全と思われる地域でも「子どもの20人のうち1人がオンラインによる性暴力を受けている」と嘆いた。

 最終日には『GNRC戦略2030-子どものために希望に満ちた世界を築く』が発表され、第6回フォーラムのまとめと今後の方針となるアブダビ宣言が採択された。宣言は子どもをめぐる平和と安全、持続可能な開発、オンラインにおける子どもの尊厳などを網羅し、「私たちは共に、すべての子どもたちが成長できる希望に満ちた世界を築くことを誓います」と結んでいる。

 イスラエルとガザの紛争地からおよそ2100キロ離れたアブダビは、いたって平穏。会議では、停戦を求めたり紛争を批判する声はあったものの、応酬しあうような場面はなく、平和を求める点では一致していた。

2024/12/5
宗門系大学サバイバル 花園大学編 磯田文雄学長に聞く 教育学部はお寺らしい発想の流れ 僧侶育成、学生寮「花園禅塾」と連携


 花園大学(京都市中京区、学生総数約1600人)の歴史は明治5年(1872)、臨済宗妙心寺派大本山妙心寺に設置された僧侶養成機関「般若林」に始まる。「世界唯一の臨済禅を建学の精神とする4年制大学」を謳い、臨済宗の僧侶育成を担ってきた。その学長に元文部科学省高等教育局長の磯田文雄氏が就任したのは2021年4月。来年4月からも2期目の学長を務めることが決まっている。寺院出身でない磯田学長は、大学にどのような新風を送り、僧侶育成を考えているのか。
     
 建学の精神は「禅的仏教精神による人格の陶冶」である。これについて磯田学長は、まず時代背景からひもとく。「般若林のできた明治5年は学制発布と同じ年です。その時代は富国強兵、立身出世、人間として自立して社会で活動していくことが非常に大きな価値観だった。すなわち、本学だけでなく他の仏教系大学でもそうですが、建学の精神は『自立』だと思うのです。一人の人間として社会の中で生きていくということ」。この精神は現在の教育基本法にある、自主的に、かつ、他と協調して生きていく人間道と異なるところはないと見る。「本学の建学の精神は硬いのですが、先生や老師の話を聞けば、それは一般社会や教育学の世界の価値観と異なっているわけではない。最初の頃はわからなかったのですが、仕事をやればやるほど、我々のやっていることは間違いではないという思いを強めました」

 建学の精神に基づき文学部に仏教学科があるのは当然だが、社会福祉学部があるのはなぜか。「お寺は地域の福祉を担ってきましたよね。子どもや、お年寄りをずっと支えてきた。お寺らしい発想で(大学の発展を)考えていったらこうなった。僧侶の方々も、自分たちの大学が社会福祉学部をもっていることを誇りに思っていますよ」。僧侶育成と社会福祉は同じ方向性にある、と思う宗門人が多いのだろう。

 そうしたお寺らしい発想の流れとして、2026年に設置される教育学部初等教育学科がある。寺院が江戸時代には寺子屋として初等教育を担っていたのは周知のことだが、福祉の面でも教育学部を持つのは当然だと認識する。「児童福祉を追求すれば、教育機関としての保育所の重要性にも気づきます。今は保育所も幼稚園教育要領に準拠して指導がされています。保育が教育にシフトしつつある今、保育人材も教育の観点で養成しなければならないと思います」。格差が広がる日本社会で、貧富にかかわらず多くの人に充実した初等教育を提供する教員の育成を、妙心寺派が担うのも社会貢献ということだ。文科省時代から教員不足を痛感してきた磯田学長にとって、喫緊に解決すべき社会問題だ。(続きは紙面でご覧ください)

2024/12/5
東京・日の出町 秋川霊園 5基目も好調販売 ガラスの墓碑 「光り墓🄬」 樹木葬スタイル「gran」オープン


2021年に開園した最初の樹木葬スタイル「Shizuku」 色とりどりに輝くガラスの墓碑「光り墓®」を採用した樹木葬スタイルのお墓が人気を集めている。東京都日の出町の「秋川霊園(寳光寺)」は2021年にアートガラスの墓碑を使った樹木葬スタイル『Shizuku』を開園。126区画が完売すると、その後も第2~4基の計306区画が順調に完売した。

 そして今年9月に444区画を擁する第5基『gran(フランス語で「広大な」の意)』を新たにオープンすると開園1週間で100区画が成約した。

 「光り墓®」は石材加工業者のフクイシ(福島県田村市)が取り扱うブランドで、ガラス作家が一つひとつハンドメイドで創る世界に一つだけの墓碑。まるで極楽浄土を思わせるような輝きと色彩が霊園に出現した。

 販売好調の要因は「光り墓🄬」の美しさとデザイン性に加え、霊園の利用者の声を形にする姿勢がある。(詳細は紙面をご覧ください)

2024/12/5
日蓮宗 20年後を見据えて グランドデザイン案を提示 プロジェクトチームが作成 教師数1200人以上減と推計


 日蓮宗(田中恵紳宗務総長)は『宗報』11月で各種統計を基に宗門の20年後を予測した「日蓮宗長期総合計画提案書」を掲載した。具体的な数値目標なども踏まえた同提案書を受けて、すでに田中内局は長期総合計画(グランドデザイン)の策定に取り組み、今年度中に提示される予定だ。

 同提案書は、宗門機構検討委員会の中に立ち上げた「長期総合計画策定プロジェクトチーム」(座長=池上要靖・身延山大学名誉教授)が作成した。グランドデザインの策定は、田中総長肝いりの政策で、前例を踏襲して形式的に諸課題に対処するのではなく、データを基に一貫性のある施策を講じるための骨子と位置付けている。

 中長期の展望を示すグランドデザインの基となる統計的数値を挙げ、4章立てで、第1章では日本全体の人口問題の推移、第2章で寺院や檀信徒に関わるデータと問題点、第3章で包括法人としての宗門の現状、第4章で宗門の20年後を見据えた提言がなされている。

 特に寺院・教師・檀信徒の現状と問題点を指摘した第2章では、一般的な寺院の維持経費や住職らの生活費から、これらの収入を期待できる寺院等級を36等級中20等級と算出。一方で、寺院数の中央値は26等級であることから、「本来あるべき数値との乖離」があると指摘。その理由として寺院経費を個人が補填している可能性や宗門への過少申告の可能性にも言及している。

 20年後の宗門の姿を推計した指摘の中には、寺院の存続限界の境界等級が27等級と試算されることや、今後20年で教師数は14%以上の1200人以上も減少すると推計。教師義納金納入者と義納金納入義務がない前住職数の比率から、10年前の平成24年と比べ20年後は義納金納入者が31・3%減少する等、警鐘を鳴らした。

 20年後の宗門の状況と維持のために達成すべき重要業績評価指標(KPI)を提示。寺院数5119カ寺→3500カ寺(KPI4500カ寺)、教師数7682人→6400人(同7000人)、檀信徒数322万人→160万人(同230万人)とし、「指標達成に向けた具体的な行動計画を策定して行動に移すことが肝要」と提言した。

 包括法人としての日蓮宗の組織としては、社会的にも重要な人権に関わる所管を教務部から「総長直下に帰属すべき」との提案や、副総長の配置、管区の見直しを提案。財政については、単年度ごとに2%以上の削減が必要と指摘し、DX化による宗務のコスト削減などを提案した。

 今回の提案書では、伝道面の分野よりも宗門の現況についての認識を共有することを重視。「徹頭徹尾数字にこだわっている」(まえがき)とした。年度内には組織機構に布教伝道の内容を含めたグランドデザインが提示される予定だ。

2024/11/28
宗門系大学サバイバル 身延山大学編 望月海慧学長に聞く 秋入学制度導入 小さな大学の強み 定員未達も付属校連携で活路


 日蓮宗総本山身延山久遠寺を母体とする日蓮宗の宗門関係校である身延山大学(山梨県南巨摩郡身延町)。その歴史は古く、約750年前に日蓮聖人が身延山御草庵で始めた講学に遡り、後に西谷に設けた善学院(1556年)を淵源とする。現在の大学制度の上では、短期大学として1955年に設置され、1995年に4年制大学に改組。2004年に仏教福祉学科も設けた。現在は仏教学科(日蓮学専攻、福祉学専攻、文学・芸術専攻)のみの単学科となり、仏教精神や日蓮聖人の教えに基づく僧道教育、社会に貢献する協働教育の大学として人材を輩出している。
      
 身延山大学の特徴といえば、それは何より総本山に併設されたロケーションだろう。山紫水明豊か、霊気あふれる宗祖日蓮聖人ゆかりの地で自己を見つめ、勉学に勤しむことができる。しかし、山間部に位置するため、都市部に人気が集まる今の入試動向や少子化により、学生の確保には毎年苦戦しているのが現状だ。

 厳しい現実に向き合う

 入学定員30人に対し、入学者数は14人(令和2年)、21人(同3年)、16人(同4年)、20人(同5年)、24人(同6年)。望月学長は「厳しいですね。定員を充足したのは福祉学科を作った2年目くらい。十数年定員に達していない。しかし、学生が集まることを期待して学科を新しく作るのは、多額の費用もかかりますし、この場所はあまり現実的ではないと思う。となると、現状の学部学科でどうするのかが大事になる」と現実と向き合う。

 今ある経営資源でどう工夫をするか。今年、新たな施策を始めた。秋入学制度だ。「秋入学といえば、留学生のための制度と思われるかもしれませんが、そうではなくて社会人や在家の方が利用しやすいと考えた。海外では春、秋に入学できるが、それはなぜかというと社会人が学びたくなったら、春まで待たずに入学できるからです。実際、今回秋入学をした2人も社会人でした」

 秋入学制度は、僧侶養成の面においても、日蓮宗教師となるための「信行道場」の入場・修了のタイミングを見定めている。年の前半に開かれる第一期、第二期の信行道場を修了したタイミングで入学できる。逆に、秋卒業によって在学中に信行道場を修了した後、すぐに卒業することも可能になる。壮年の出家者や高齢住職の寺院後継者など、少しでも早く教師資格を取得する必要がある者には合っている。

 「これは、小さい大学だからできること。他に多くの学部があるとできない。大きな大学では、先生方の対応もカリキュラムの対応も難しいのです。こうしたことは小さい大学の強みだと思っています」(続きは紙面でご覧ください)

2024/11/28
天台宗 細野内局が発足 総長 宗議18年の経験生かす


記者会見で所信表明を行う細野総長 滋賀県大津市の天台宗務庁で17日、細野舜海氏(南総教区・千葉県一宮町・観明寺)を宗務総長とする新内局の任命辞令親授式が挙行された。任期は同日から4年間。細野総長(69)は、「責任の重大さを痛感し、身の引き締まる思い。(平成18年以来5期18年間にわたる)宗議会議員の経験を活かして宗徒の輿望に応えるべく、全力を尽くす所存」と誓った。

 新内局の陣容は以下の通り(敬称略)。総務部長=坂本圭司(神奈川教区・川崎市・遍照寺)法人部長=四(し)竈(かま)亮真(陸奥教区・宮城県仙台市・光圓寺)財務部長=大角実豊(延暦寺一山・大津市・嚴王院)教学部長=村田庸田(栃木教区・真岡市・全水寺)社会部長=原徳明(群馬教区・高崎市・満勝寺)一隅を照らす運動総本部長=荒樋勝善(兵庫教区・丹波市・白毫寺)。

 新内局に辞令を親授した大樹孝啓天台座主は、「全国の住職が元気でまじめに宗規に従って法務が務められるように(天台宗のリーダーとして)指導を」と要請。「時々いろいろな事件や問題が起こるが、そうしたことがないように」と期待した。

 総本山比叡山延暦寺の獅子王圓明執行は、「宗教界を見る世間の目はどんどん厳しくなり、少子化に伴う檀信徒の減少や寺院後継者の問題など数々の難問がある」と指摘。荒海に漕ぎ出す新内局の「一隅を照らす」決心に強い期待感を示した。

 任命式後に記者会見が開かれ、細野総長が「歴代内局が最重要課題とした人材の育成・教えの普及・寺院の存続の3本柱を教団運営の指針」とする所信を表明。「祈り」「求道心」「関係性を含めた人作り」を「物差し」として宗務運営を行うとした。(続きは紙面をご覧ください)

2024/11/28
曹洞宗保護司連合会神奈川県第二支部 20周年講演会 山口達也氏、依存症を語る


依存症の経験や保護司への期待を語った山口氏 曹洞宗保護司連合会神奈川県第二支部(馬場義実支部会長)は11日、横浜市西区のパシフィコ横浜で支部設立20周年講演会を開催した。保護司や更生保護の活動を知ってもらおうと企画され、人気アイドルグループ「TOKIO」元メンバーの山口達也氏が依存症と向き合う日々や保護司へのメッセージを語った。

 山口氏は、2018年に不祥事を起こし、事務所を退所。2020年に飲酒運転でバイク事故を起こし、アルコール依存症と診断された。「次、飲んだら私は死ぬでしょう。誰かを殺してしまうことになる。アルコールを一生一口も飲まない」。その決意で依存症と戦い、4年間断酒を続けている。

 不祥事や事故を起こした当時を「心がぶっ壊れていた」と回顧。毎日のように飲み歩いていたが、コロナ禍や忙しさのため一人で飲み始めてからは「記憶が飛ぶ」まで際限なく飲むようになっていったという。

 事故後、専門病院でアルコール依存症を宣告され、「初めて認めることができた」と山口氏。3カ月の共同生活や自助グループでの交流で、他人と比べることによる不安や自己肯定感の低さに気づいた。今の自分を受け入れ、「過去や他人は変えられないが、未来と自分は変えられる」と整理できるようになった。

 山口氏は事故後、知人に紹介された寺院に通い、「やっかいな人が来たと思っていたと思うけど、普通に受け入れてくれた」と感謝。「人とのつながりが嬉しいことも嫌なことも運んでくる。嫌なことがあっても正面を向いて生きていくことにした」と心境の変化を語った。

 講演後の質疑応答では、馬場会長が更生保護の観点から意見を求め、山口氏は「依存症の人は世の中に出るのが怖いが、それぞれ違いがある」と答え、「私の場合、長年をかけて心が壊れてしまった。同じくらいの時間がかかると思っています。支援者として待つのは大変苦しいとは思いますが、とても大事なことだと思います」と対象者の社会復帰に寄り添う保護司の活動に期待した。

2024/11/28
水月会 ウクライナ避難学生に奨学金270万円を贈呈


梅窓院本堂で行われた奨学金贈呈式。中央が中島会長。 アジアの発展途上国への援助を中心に活動する(一社)水月会は6日、同会の中島真成会長が住職を務める東京都港区の浄土宗梅窓院で日本へ避難しているウクライナ人学生3人に奨学金を贈呈した。奨学金はマリア・ポポヴィッチさん(24)に120万円、ダニル・ザホロドニイさん(16)に50万円、ヤンナ・ドゥブニコバさん(27)に100万円で、合計270万円の目録が中島会長から手渡された。

 水月会理事の川田龍平参議院議員は薬害エイズ事件の原告となった経験と避難者との境遇を重ねながら「日本とウクライナの友好、平和な世界のために皆さんと一緒に仕事が出来ればと思う」と激励。ウクライナ大使館のユリヤ・ザモルスカ二等書記官は「日本でゼロからスタートし、本人たちも大変頑張っていますし、皆様からの様々な支援に感謝しています」と謝意を示した。ウクライナ「心のケア」交流センターの浮世満理子代表は同会に1500人の避難民が登録し「優秀で頑張り屋な方々を選んでいただいた」と感謝。「私たち大人が家族代わりとなって支えなければ、戦争という理不尽な力で分断された家族の絆や心の痛みは前に向かっていかない」と支援の重要性を訴えた。

 中央大学大学院法学研究科で人権と国際法を学ぶマリアさんは「勉強する可能性をもらい心より感謝します。ウクライナと日本との懸け橋として頑張りたい」と抱負。来日して日が浅いダニルさんは「若者の将来を支援し、若者の心を理解してくれて本当にありがとうございます」と感謝した。一橋大学後期博士課程で学ぶヤンナさんは言語社会学を専攻し日本とウクライナをつなぐ研究を進めている。「日本との友好関係を強める架け橋になりたい。ウクライナ人とウクライナのことをよろしくお願いします」と支援の継続を願った。

2024/11/21
総本山醍醐寺 1150年慶讃大法要営む 次の50年へ法流を継承 上醍醐の復興も宣言


竪者(手前)を中心に厳しい教学問答が繰り広げられた 真言宗醍醐派総本山醍醐寺(京都市伏見区)で14日、開創1150年慶讃大法要が開白した。貞観16年(874)に聖宝理源大師により開創されて以来、三論と真言密教と修験道の3つの法流を護持し続けてきた醍醐寺。そのすべてによる法要が盛大に営まれ、次の50年へ法流を継承することを壁瀬宥雅座主を筆頭に一山、全宗侶で誓った。

 初日は朝9時、下醍醐の清瀧宮拝殿で鎮守法楽大般若経転読が壁瀬座主を導師(大原弘敬執行長御手替)に営まれ、大原弘敬執行長を導師に総鎮守である清瀧権現に無魔成満を祈願した。続く竪義会(りゅうぎえ)平座理趣三昧法要は壁瀬座主を導師に金堂(国宝)で営まれた。

 午後は約100人の修験者と大原執行長が上醍醐を登嶺した。修験者は「百螺祈願」の幟を掲げ、法螺貝の響きを山中に轟かせながら行脚。約3キロの道を踏破しながら理源大師の足跡を偲んだ。五大堂の前に設けられた結界の中では、理源大師が日本で初めて修法したという柴燈護摩供が営まれ、功徳ある煙がたなびき、燃え盛る浄炎の中に世界平和などあらゆる願いを込めた護摩木が投じられた。

 大原執行長は「今日をもちまして聖宝理源大師様に上醍醐を再び復興させることを宣言させていただきます」と述べ、2008年に落雷で焼失した准胝堂の再建などに取り組むことを誓願。多くの人の「心のふるさと」である聖地を蘇らせると力強く挨拶した。

 また上醍醐の開山堂では如意輪観音供ならびに醍醐寺第1世観賢大徳の1100年忌平座理趣三昧法要が大塚静遍大僧正を導師に営まれた。

顕教の法要竪義会営む

 開白日の午後2時から、下醍醐の金堂では竪義会が営まれた。開創大法要に向けて、約400年前に途絶した三論宗の論義法要を華厳宗大本山東大寺(奈良市)の協力を得て復興。弘法大師諡号下賜1100年慶讃法要初日の令和3年11月26日、東大寺で三論宗を学んだ開山・聖宝理源大師以来の顕密兼学の伝統を蘇らせた。以後、毎年の厳修と研鑽を重ね、この日で4回目。招待客ら約120人が参列した。(続きは紙面でご覧ください)

2024/11/21
豊山派宗会 僧侶育成と布教を強化 川田内局初宗会 執務10目標を提示


施政方針を示した川田総長 真言宗豊山派(川田興聖宗務総長)の第164次宗会通常会が12・13日に東京都文京区の宗務所に招集された。7月に就任した川田内局の初の宗会となり、施政方針では「僧侶、檀信徒一人ひとりが『豊山派で良かった』と思える宗派を目指す」と基本理念を示したうえで、僧侶育成と布教の強化を目指す10の執務目標を掲げた。

 川田宗務総長は基本理念として「豊山派の僧侶はもちろんのこと、檀信徒一人ひとりが『豊山派で良かった』と心より思っていただける宗派を目指すこと」と提示。弘法大師の『秘蔵宝鑰』、興教大師の「密厳院発露懺悔文」の内容に言及し、両大師の教えから「僧侶の育成」の重要性を導き、「大きな慈悲の心を持つ優れた僧侶によって御教えを弘めることにより、檀信徒に安寧と幸福をもたらすのだと確信している」と述べた。

 これを踏まえた執務目標10項目を以下のように列挙。①布教方針の明確化。②教育制度・教師資格の検討③各種講習会の幅広い受講の促進とデジタル配信での受講の研究。④寺院の後継者ならびに「法縁のつどい」の再検討。⑤総合保障制度の更なる充実と新制度の研究。⑥事相専門道場の再検討。⑦青少年育成と豊山流大師講の講線拡張。⑧宗務所職員の待遇検討。⑨同和推進・人権擁護の研修会の積極的な取り組みと、昨今特に留意が必要なハラスメント問題の研究。⑩宗外寺院との包括関係の設定。(続きは紙面でご覧ください)

2024/11/21
徳島県海陽町城満寺 初開道場に歌碑を建立 曹洞宗が瑩山禅師遠忌記念で


梅花流詠讃歌を刻んだ歌碑の前で話す田村住職 今年迎えた太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌を記念し、曹洞宗は瑩山禅師初開道場・城満寺に梅花流詠讃歌を刻んだ歌碑を建立し、徳島県海陽町の現地で12日、除幕式を執り行った。全国各地の僧侶や檀信徒ら約150人が、四国に教えを伝えた太祖に報恩の誠を捧げた。

 四国最古の禅寺・城満寺は正応4年(1291年)、瑩山禅師が阿波国の海部郡司から招かれて開山。授戒会を開き、曹洞宗の教えを初めて四国に伝えた。

 歌碑は、境内の丘の上に建つ瑩山禅師墓所「御霊塔」への登り口付近に建立。大本山總持寺(横浜市鶴見区)の石附周行貫首の筆で、城満寺での授戒会を詠んだ「太祖常済大師瑩山禅師修行御和讃(菩提)」の4番を刻んだ。石は徳島県の銘石・青石で、国指定名勝の石庭で名高い国分寺(徳島市)が寄贈した。

 この日、紅白幕の覆いが外されると、髙橋英寛伝道部長が筆を手に点眼を執行。「歌碑の建立によって皆さまが広く梅花流に関心を寄せ、瑩山禅師さまのみ教えを伝え、分かち合う機会を増やしてもらえたら」と挨拶し、城満寺の隆興を願った。

 法要では、全国各地から参集した特派師範らと地元3カ寺の梅花講員が、厳かに詠讃歌の調べを響かせた。高野山金剛講の徳島宍喰支部の講員も特別に参列し、御詠歌を献詠した。

 城満寺の田村航也住職は宗務庁や参列者に謝意を述べた上で、1925年の瑩山禅師600回大遠忌以降、50年ごとの大遠忌の節目に復興が進められてきたと回顧。「700回大遠忌には歌碑が建立され、私たちが集ったことを証明するものとなった」と力を込め、「瑩山禅師が城満寺に住持したことでつながったこのご縁をさらに広げ、仏法の光で全世界を照らしていきたい」と決意を語った。

2024/11/21

天台宗 性加害で懲戒審理開始へ 師僧の大阿闍梨も対象に

 女性僧侶の叡敦(えいちょう)氏(50代)が四国の天台宗寺院の男性住職(60代)から性暴力などを14年間にわたって受けてきたと告発し、加害住職とその師僧である大僧正(80代・滋賀県内の男性住職)の僧籍剥奪を求めている問題。懲戒事犯を調査してきた天台宗務庁(阿部昌宏宗務総長/滋賀県大津市)は11日、宗内の司法機関である審理局に付託して加害住職と大僧正の審判を行うと発表した。

 1月22日付で申し立てを受理した宗務庁は、双方からの聴き取りや現地訪問等による調査を実施。結果、「本宗の懲戒規程第11条による懲戒審理が相当と判断し、審理局に審理請求を行」った。

 懲戒規程第11条には、最も重い処分である「擯斥(ひんせき)」(僧籍剥奪・除名)と「罷免」が下される「懲戒事由」を列記。今回の場合、「本宗の教義に異説を立てて信仰を惑乱した者」「教師の本分を忘れ非違の行為をした者」が該当する。叡敦氏の大僧正への信仰心を悪用して性暴力を続け、偽りの教義によって心身を束縛することで長期間抵抗不能の状態に陥らせる信仰(スピリチュアル)虐待(アビューズ)が、宗内司法の場(非公開)で審理される。

 信仰虐待の鍵となる存在が、叡敦氏が子どもの頃から「生き仏」と尊崇してきた大僧正。叡敦氏の親族で日本仏教を代表する苦行・比叡山千日回峰行を成し遂げた数少ない北嶺大行満大阿闍梨の1人だが、繰り返し助けを求める叡敦氏を宗教的に恫喝した上で、弟子による性加害を助長させた責任が問われている。僧階最高位の大僧正が懲戒審理対象になるのは極めて異例で、北嶺大行満大阿闍梨は前代未聞の事態。

 叡敦氏は、私は告発したことで何もかも失い、重い複雑性PTSDの症状だけが残りました。その上、180度違う生活を強いられています」と吐露。「けれど加害行為をした本人たちは、何一つ変わらずに今も僧侶としての威厳を保ち、参拝者の祈祷を続けています。この不条理で圧倒的な違いに苦しんでおりました」と胸中を明かし、「でも仏様の前では誰もが平等であることが伝わり、ようやくスタートラインに立たせてもらえました。審理局内でも同悲同苦の心で、天台宗は正しい判断を必ずして下さると信じています」と話した。


2024/11/14

インタビュー 全日本仏教会(第36期) 池田行信理事長に聞く コミュニティ復興 国際性発揮 仏陀の和の精神


いけだ・ぎょうしん/1953年生まれ。龍谷大学大学院文学研究科博士課程(真宗学)修了。浄土真宗本願寺派宗会議員(5期目)。総務・総長を歴任。自坊は栃木県那珂川町の慈願寺。 今年6月、(公財)全日本仏教会(全日仏)の第36期理事長に前浄土真宗本願寺派総長の池田行信氏が就任した。事務総長経験者(第27期)であり、伝統教団および宗務行政に通じている。全日仏の舵取り役となった池田氏にインタビューした。


 ――まずは能登半島地震被害に続き、9月には豪雨災害に見舞われた被災者や被災寺院に向けて。

 池田 複合災害と言えるでしょうが、一日も早い復興を願っています。HPに加盟団体の災害対応を掲載していますが、合わせて全日仏としても日本宗教連盟(日宗連)を通じて政府に対して要望などを伝えています。

 事前に頂いた質問に「被災寺院はコミュニティー復興にどのように関わっていくのか」というのがありました。

 (編集部注 日宗連が石川県に提出した要望書の項目に「熊本地震の事例と同様に地域コミュニティ施設等再建補助金を復興基金の活用事業に含めること」とある。熊本県の場合、地域コミュニティ施設にはお寺や神社が含まれている)

 池田 災害によって壊れたコミュニティ再建を議論する前に抑えておくことがある。皆さんが考えるコミュニティはどんなものなのか、と。寺院デザイン代表の薄井秀夫さんの著書『葬式仏教』(産経新聞出版社)が参考になります。もともと農耕を中心とした日本は定住社会で、お墓を維持管理できる環境にあった。一方、遊牧民などの非定住社会は1カ所にとどまらないのでお墓にこだわらない。日本は戦後、産業構造の変化もあって向都離村により定住社会から非定住社会に移行してきた。お墓の引っ越しがそれを表してもいる。

 私は田舎で育ちましたが、小さい頃からよく言われたのが、あなたのおじいちゃんにお世話になりましたとか、おばあちゃんに裁縫を習いましたとか。門徒さんがお風呂を借りに来ることもありました。お醤油の貸し借りもあった。こうした付き合いは農耕型定住社会だからこそできるのであって、高齢化、過疎化が進み、プライバシー意識が高くなってきた現在では、田舎といえども難しい。

 農耕型定住社会をモデルにコミュニティ復興をイメージしているとすれば、リバイバリズム(復古主義)でしかない。ある程度は可能でしょうが長くは続かない。ですから一口にコミュニティ復興と言っても、そのコミュニティとは何かを問い直す必要がある。

 宗教界におけるコミュニティ復興は信仰だと思います。災害で故郷を離れたとしても菩提寺と門徒さんが信仰でつながっている関係性です。災害時に限りません。地縁・血縁とは異なる信仰を基盤としたコミュニティがあってもいい。(続きは紙面でご覧ください)

2024/11/14

大谷光真前門主『死刑制度を問う』刊行 一石投じ議論促進を期待 「命で償え」論は破綻


 浄土真宗本願寺派(西本願寺)の大谷光真前門主がこのほど、『死刑制度を問う―仏教・浄土真宗の視点から』を春秋社(東京都千代田区)から刊行した(発行は11月20日)。釈尊の教えに言及した上で「死刑制度は怨みに報いるに怨みを以てする制度」と明記。賛成派が主張する「命で償え」論は破綻しているとも指摘した。全日本仏教会(全日仏)会長や全国教誨師連盟総裁を経験した前門主の同著は、仏教界・宗教界はじめ国民世論に一石を投じる形になりそうだ。

 同著は、序論に釈尊の言葉を取り上げる。「生きものを(みずから)殺してはならぬ。また(他人をして)殺さしめてはならぬ。また他の人々が殺害するのを容認してはならぬ」(中村元『ブッダのことば スッタニパータ』)を掲げ、「仏教が示す倫理の根本」と位置付ける。

 この釈尊の言葉に支えられながら死刑制度に対して「日本人として思考を深める必要があります」と議論の深化と促進を要望している。

 なぜ「思考を深める必要」があるのか。同著の根幹をなす参考文献の一つに『死刑廃止論』がある。著者は刑法学者の故団藤重光氏(元最高裁判事・東大名誉教授)。その中で「積極的な廃止論者になったのは、最高裁判所に入って、実際に死刑事件を担当するようになってから」と述べている。前門主は「刑法の第一人者でさえ、そうなのですから、大半の日本人は実情を知らないまま、深く考えないまま、死刑制度を支えているということになるでしょう。それをよいことに、世論の支持を口実にして、政府が死刑制度を維持しているのではないでしょうか」と主張する。

 「命を奪った者は命で償え」論には、▽実際には命で償っていない殺人犯が多い、▽一人で複数の命を奪った者と複数で一人の命を奪った場合、どの範囲まで命で償うのかを決めるのは裁判官の主観が大きい、▽国内殺人事件の約半数は親族縁故者によるもので、嬰児殺しや介護疲れ殺人の加害者に「命で償え」論は適用されていない――等を論拠に「自分の命で償えという論理は破綻している」とした。

 そのほか(遺族)感情、憲法・刑法・警察・検察・裁判を含む刑事司法、実際に起きた冤罪事件、教誨師、人権、宗教倫理といった多角的な観点から死刑制度の問題性に論及している。

 「おわりに」では、「死刑の本当の理由は、国家権力に逆らったことが根本ではないでしょうか。独裁国家で死刑が多いことを考えると、殺人に対して、命で償うということより、国家に反逆したから死刑になるということが主に見えます」と記し、死刑制度は国家権力保持のためにあるとの見方を示している。

 大谷光真前門主は1945年生まれ。1977年から2014年まで第24代門主。全日仏会長や全国教誨師連盟総裁を歴任した教団トップが死刑制度について態度を明確にしたのは珍しい。

2024/11/14

曹洞宗関東管区講習会 平岡氏、妻帯禁止を提言 布教こそが僧侶の進む道


日本仏教の未来を巡って講演した平岡氏 曹洞宗関東管区教化センターの布教講習会が17・18の両日、東京・芝の檀信徒会館で開かれた。今年度のテーマは「未来を考える」。初日に京都文教大前学長の平岡聡・同大教授が日本仏教の前途を巡って講演した。妻帯禁止など戒律の復興を提言するなどし、出家と在家の境目となるのが利他の実践だと指摘。「布教をしなかったら坊さん失格だ」とこれからの僧侶が進むべき道を語った。

 平岡氏は「日本仏教に未来はあるか」の題で登壇。特異な展開を遂げてきた日本仏教の問題点を提示し、戒律の不在についても取り上げた。

大乗戒壇の設立によって、戒体をもたらした鑑真以来の具足戒の伝統が途絶えたことで日本仏教から僧宝が消失したと述べ、「三宝が成立していない。異常事態だと言える」と強調。戒律の不在が教団の独自性につながって教祖信仰を生み出し、原理主義にも結び付くと懸念を示した。

 僧侶の妻帯にも言及し、「守るべき家族がいる中でダルマを大事にする生き方ができるのか」と問題提起。エイズの末期患者が差し出すただれた手を前に、上座部の僧侶はためらいなく握り返した一方で、応じることができなかった浄土宗の高僧の例を挙げ、「家族を持つ僧侶には限界がある」と考えを語った。

 独身であれば家庭を持つことに比べて生活費がかからず、生計のための法事を減らすことも可能になると主張し、「出家者の妻帯を段階的に禁止し、最終的に独身者の僧団を形成することはできないだろうか」と戒律復興に向けた教団の改革を訴え、聖性を担保する日本独自の律の導入も必要だとした。さらに妻帯禁止に伴う寺院のあり方について、世俗権力の及ばない「アジール」としての機能を提案した。

 その上で、出家することの意味を巡って見解を提示。念仏往生には出家と在家の区別はないため、浄土宗にとっての出家の意味だと前置きしつつ、三聚浄戒の摂衆生戒に着目。「利他の実践を誓っている。ここが出家と在家のまさに境目になる」と布教が僧侶の条件になると話した。

 相撲の阿武松親方のほか、総合研究センターの澤城邦生客員研究員も講演した。

2024/11/14
開宗850年記念 知恩院で合同音楽法要 浄土宗宗立学校 ともいき社会を誓う


真和中高を代表してアピールした栗山さん 浄土宗関係の12学園39校で構成される宗立宗門校教育振興会は10月31日、京都市東山区の浄土宗総本山知恩院で開宗850年記念の合同音楽法要を営んだ。知恩院には約千人の青少年が集い、さらにユーチューブを利用して全国の学校に配信、計2万5千人が法然上人の心と音楽を通して繋がった。

 冒頭、「浄土宗から青少年へのメッセージ」として、振興会の平岡聡理事が「みなさんも、法然上人にならって、志を立て、自分の道を突き進んでください。ただし、自己と他者がともに生かしあう『ともいき社会』を実現させるには、自分の幸せだけでなく、他のみんなの幸せも思い、みんなと一緒に取り組める道を選び取ることも大事です」と読み上げた。法要で導師を務めたのは川中光敎宗務総長で、リード歌唱は女性僧侶で声楽家の寺西佐世さん。伴奏は東山中学高等学校(左京区)の安井渉教諭が務めた。宗歌「月かげ」をはじめ、「四弘誓願のうた」など7曲の歌声が御影堂に鳴り響いた。この間、16校の代表者が宝前に花を供え報恩の誠を捧げた。

 代表者3人が、浄土宗からのメッセージへの応答としてアピールを宣言。酒田南高校(山形県酒田市)の三井ほのかさんは「南無阿弥陀仏と唱えることで心が落ち着き、どんな不完全な人間であっても無条件に受け入れてもらえます。だからこそいつも安心して前に進んでいくことができるのです」と宣言。鎮西高等学校(熊本市)の井優羽さんは「今、自分ができることを精一杯頑張り、将来子どもたちに道を示したり、夢を与えていけるような社会人になれるよう努力していきたい」と誓った。

 真和中学高等学校(熊本市)の栗山莉一さんは「月かげ」の歌詞を踏まえ、「様々な価値観を認め尊重することで、私たちの言葉や行いが他の人々への光となることを願い、すべての人たちが幸せとなるともいき社会の実現に向け努めていきます」と生徒一同の思いを披瀝した。

 ちなみに法然上人が比叡山で出家したのは通説では15歳。この法要に集った青少年とほぼ同年代だった。