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2025/3/31
花まつりに花のメッセージカードを 世界に広がれ「花おくり」 京都の浄土宗僧侶が企画
カードを持つ河村さん㊨とザッキーさん 花まつりにはお花のメッセージカードで大切な人に感謝の思いを伝えよう―そんな「花おくり」の取り組みを京都市伏見区の浄土宗大光寺副住職の河村英昌さんが始めた。河村さんは㈱神社仏閣オンラインの代表として、宗派を超えて仏教界・宗教界を盛り上げるさまざまなイベントを企画しており、これもその一環だ。
灌仏会・仏生会などの法会は古くからあるが、それを「花まつり」と呼ぶようになったのは大正時代にドイツにいた日本人留学生が「ブルーメンフェスト」(花まつり)として誕生仏を花で飾ったのが始まり(諸説あり)。いわば言葉の「逆輸入」に着目した河村さんは、今度は花まつりにちなんで大切な人に花と感謝の言葉を贈るイベントを発信し、日本中ひいては世界中に広めていきたい、と考えた。
伏見区の旧知の美容師ザッキーさん、宮城県岩沼市に住むアーティストのハンナさんと、花まつりを世界に広める意気が投合。「花おくり」の第一弾として、ハンナさんのカラフルで温かいイラストに誕生仏を配したメッセージカードを作った。カードには彦根城の墨跡などで有名な書家・前田鎌利さんが「天上天下唯我独尊」という力強い揮毫を記す。「前田さんは世界に響く書家です」と河村さん。
このカードで誰に言葉を贈るか。河村さんは「いつも好きにやらせてくれている家族全員に感謝を伝えたい」。ザッキーさんは「両親へ。母の日や父の日にプレゼントとかはしますが、なかなか伝えられなかった感謝の言葉を改めて贈りたい。あと、姪っ子にも」と照れ笑い。もちろん、家族だけでなく恋人、恩師などに贈っても喜ばれるだろう。
カードだけでなく、LINEに登録することで、ハンナさんが描いた花の画像とメッセージを大切な人に贈れるサービスも提供。カード(500円)の注文は神社仏閣オンラインのホームページで。
2025/3/31
花まつりデザイン入賞作品展開催 仏教伝道センタービル 4月8日まで
入選作品20点を展示中 東京都港区の仏教伝道センタービル1階ロビーで21日から、全日本仏教会(全日仏)主催の花まつりデザイン大賞の「入選作品展」が始まった。お釈迦さまの誕生を祝う「花まつり」を広く社会に知ってもらうための作品展で4月8日(土日除く)まで開催している。主催は(公財)仏教伝道協会。
全日仏の花まつりデザイン大賞は釈尊の誕生を祝う絵画作品を募集し、入選作品をポスターや絵葉書にして寺院等に頒布している。今回の展示では158点の応募の中から選ばれた入選作品20点(大賞4点・佳作16点)を展示。右手を天、左手を地に向けた誕生仏をはじめ、白象や蓮の花など、降誕会のモチーフを色鮮やかに描いた作品が展示された。
同協会伝道部の福本良之助課長は「すべてのいのちへのリスペクトが溢れている。絵は言葉がなくても通じるものがあるので、世代や国を超えて多くの人に見てほしい」と話した。
会場の仏教伝道センタービル玄関には色鮮やかな花壇を設え、灌仏ができる花御堂や今年の願いの漢字「慈」の揮毫を展示。野生司香雪画伯の釈尊絵伝「降誕」の展示のほか、平等院(京都市)の神居文彰住職が「釈尊絵伝」を解説するDVDも放映されている。後援団体である全日本仏教婦人連盟から「花の種」、大和証券株式会社からサクマドロップスが提供され、来場に頒布された。
2025/3/27
築地本願寺 竒山明憲宗務長に聞く 目指すのは「先意承問」の人 興味本位でもいい 若い人が立ち寄る寺に
今年1月に就任した竒山宗務長 築地本願寺(東京都中央区)の宗務長に竒(は)山明憲氏(70)が1月29日付で就任した。「誰かと間違っているのでは」と、選出の知らせを聞いて驚いたという竒山新宗務長。浄土真宗本願寺派の首都圏拠点を担う重責にも、「近寄りにくいお寺じゃないと知ってもらえたら」と構えずに臨む。
昨年5月の「長嶋茂雄デー」。ファンである巨人軍の試合観戦のため上京した際に築地本願寺にも参拝したが、「そのときはまさかこんなことになるとは思いもしなかった」と話す。
自坊のある大阪府から荷物を積んだマイカーを運転し、築地本願寺へやってきた。15年前に妻に先立たれた後、両親も見送った。身一つで動けたこともあり、「役に立てるのであればと思い切った」。
首都圏の拠点として、安永雄彦元宗務長によって様々な改革が行われてきた築地本願寺。後任の中尾史峰前宗務長を引き継ぎ、運営方針は基本的に踏襲する考え。「私としては、まずは興味本位でも一歩境内に入ってもらえるようにできたら、仕事の一つは達成したようなもの。そして特に若い人たちに気軽に阿弥陀さまの前に座ってもらえることを目指したい」(続きは紙面でご覧ください)
2025/3/27
妙智會教団 宮本惠司會長誕生 「雲外蒼天」胸に精進努力
会員代表から花束を受け取る宮本會長 妙智會教団は20日、東京・代々木の本部大講堂で「宮本惠司先生會長就任式」を挙行。2千人を超える会員が新會長の誕生と、数え70歳の古稀を祝った。法嗣から三代會長に就いた宮本會長は表白で「この五濁悪世の全世界を救うため、會長として修行して参ります」と力強く宣言した。
休日とあって家族連れなどで溢れた大講堂。新會長は表白の中で、「法を継いだ者として宮本ミツ會主さま、宮本丈靖大導師さまの歩まれた道を突き進むため、妙智會教団を原点に返します」と自らに使命を課した。(続きは紙面でご覧ください)
2025/3/27
立正佼成会 庭野会長 米寿祝う集い開幕 毎月20日開催 11月まで全8回
会員に近い距離で行われた庭野会長との「お祝いの集い」 立正佼成会の庭野日鑛会長の米寿を祝う本部代表参拝「お祝いの集い」が庭野会長の満87歳の誕生日の20日、東京都杉並区の同会大聖堂で始まった。庭野会長の間近で教会の代表者がそれぞれ趣向を凝らしたお祝いの言葉を述べ、長寿を祝った。会員の熱烈なお祝いを受け、庭野会長は少し照れながら、「ありがとうございました」と感謝した。(続きは紙面でご覧ください)
2025/3/24
WCRP理事会 ミャンマー地雷で緊急声明 暴力停止へ円卓会議で討論
(公財)世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(戸松義晴理事長)は14日、京都・北野天満宮を会場にオンラインを併用して第51回理事会を開き、「ミャンマーにおける地雷被害急増に対する緊急声明」を採択した。ミャンマーのチャールズ・ボー枢機卿(WCRP/RfP共同会長)の来日にあわせて開かれた円卓会議で、NGOから地雷被害の深刻さが報告されたことを受けて提案された。また7月の第3回東京平和円卓会議でもミャンマー問題に重点を置くことが決まった。
ボー枢機卿はミャンマー国軍のクーデターから4年にあわせて2月初旬に来日。背景にはロシアとウクライナの戦争、イスラエルとパレスチナ(ハマス)の紛争に隠れて国際社会の関心が薄れていることがある。受け入れの日本委はメディアとの会見、政府および国会議員との折衝、ミャンマー支援に取り組む国連機関と市民団体との円卓会議を企画した。
その円卓会議で地雷廃絶日本キャンペーンが報告。地雷死傷者数が1003人(2024年報告)に上り、世界最多となった。緊急声明では、「無差別に一般市民や子どもたちを殺傷し、四肢を損壊させ、その後の人生を大きく変えてしまう残忍かつ非人道的な兵器」と指摘。そして160余の国や地域が加盟している対人地雷禁止条約に、米国やロシア、中国などが加盟するよう強く訴えている。(続きは紙面でご覧ください)
2025/3/20
オウム事件30年・考 仏教界・宗教界は何をなし 何をなし得なかったか?
死刑でマインドコントロールの証明が困難に 楠山泰道氏(日蓮宗大明寺住職・日本脱カルト協会顧問)
30年経っても、この問題はまだ全く終わっていない。相変わらず後継団体には若者が入り続けています。あの事件はオウムの責任ではないという陰謀論とともに、麻原や弟子たちを死刑にしたことにより、麻原が最終解脱者として神格化されたまま、後継団体のアレフがいまだに麻原信仰を続けているのです。
後継団体は10年程前から、オウム事件以降控えていたサマナ(オウム真理教の出家信者)制度を復活させ、アパート等で共同生活しながら修行する出家制度が脈々と受け継がれています。大学の先生の名を使い、科学的医学的な呼吸法なども教義に取り入れ、SNSやボランティア等の若者受けのするものを利用して入信させる。事件を知らない若者がいまだにマインドコントロールにかけられている。そのために今も苦しむ親が生まれ、相談が寄せられています。
この問題は30年間、何も解決されていない。その理由は大きく2つあります。一つには、死刑執行という問題。麻原の死刑はやむを得ないとしても、弟子を一緒に死刑にした。マインドコントロールによって事件に関わった者の心理状態や、マインドコントロールが解けた際のショックなどが解明されないうちに処刑がなされてしまった。
二つ目は、マインドコントロールの立証について検証・研究がなされてこなったという問題。法律でマインドコントロールを認めなかったために、逆に法律がカルトを助長することも生まれた。例えば旧統一教会の問題であれば、解散命令に対し信教の自由を主張し、保護にも拉致監禁だと訴え人権が主張される。
マインドコントロールを証明できる者たちを死刑にしてしまったがために、最前線である現場では、法律とマインドコントロールの狭間でカルトに入った若者を助けることができない。
宗教者に何ができるのか。何をなすべきか。やはり宗教教育がなされてこなかった。学校本来の人間教育の中で、宗教教育ができていればカルトの予防もできたのでないか。それを宗教家が主張してこなかった。宗教離れが進むほど、実は社会が壊れていくのです。
世界的に見ても宗教教育をやらないのは日本だけだそうです。ただ宗教宗派を超えてこの問題を学ぼうという若い人も出てきている。若い宗教者に期待したいと思います。
2025/3/20
オウム事件30年・考 仏教界・宗教界は何をなし 何をなし得なかったのか?
〝オウム〟は再び登場する 高橋隆岱氏(元仏教情報センター理事長・高野山真言宗正光院住職
オウム真理教がなぜ歴史に登場したのか。バブル経済などの社会変化や新新宗教の台頭といった時代背景があっただろう。だが、既存の価値観に反発し、救いを求めた特に若者たちの関心を引く魅力があった。
どんなものかと、自坊から近かった南青山の本部へ足を運んだ。密教を説く彼らの話は確かに目を見張るものがあった。仏教に対する知識が深かったという事実は、僧侶としては忘れてはいけないことだ。
仏教情報センターでは当時、その他の宗教団体にまつわる相談が多く、オウムに関してはほとんど寄せられなかった。相談が舞い込んだのは、坂本弁護士一家殺害事件が起きた頃だった。
入信した子どもを持つ親たちが、脱退の説得をしてほしいと訪れた。仏教の専門家として僧侶に助けを求めたのだ。尾行がつくこともあったため、場所を変えながら話し合いを重ねたが、結果的には力になれなかった。
そして地下鉄サリン事件の当日。私は彼岸の棚経で横浜にいた。オウムだ、とピンときた。本当にやったのかと愕然とした。
何とかできなかったか。残されたのは無力感だった。オウムは、私たち既成教団の限界を突き付けたのではなかったか。それは社会で機能しているかという問いに等しい。凶悪事件を引き起こした異質なものを相手にする必要はないと、蓋をしてはいけない。
信仰と宗教は区別しなければならない。救いを求めた彼ら一人ひとりの信仰は純粋だったはずだ。それが宗教という政治を帯びた仕組みともなる。信仰が宗教に掠め取られるとき、“オウム”は再び登場する。
あれから30年。私たちは刻々と変わる社会に、信仰者としてコミットできているだろうか。
2025/3/20
オウム事件30年・考 仏教界・宗教界は何をなし 何をなし得なかったのか?
若者たちの苦悩を直視してきのか 神仁氏(全国青少年教化協議会執行理事・臨床仏教研究所所長)
かつてのオウム真理教の南青山総本部(1995) オウム真理教による地下鉄サリン事件から3月20日で30年。この間もカルト問題は後を絶たない。各種メディアで特報されているものの仏教界・宗教界の意見はほとんどみられない。仏教界・宗教界はこの間、何をなして何をなし得なかったのか。仏教者・宗教者の声を集めた。
事件当時のオウム真理教やカルトに対する認識
この件については、当時の宗教学者や関係者の批判にも繋がるためコメントは控えたい。
とは言え、自身の宗教観の中では、これまでにしばしば発言してきたように、「金銭」「超常現象」「奇跡」等を表立って標榜する団体は、擬似宗教団体あるいは偽宗教団体とみなしてきた。一方でオウムが出家主義を標榜している点が、若者たちの心を打ったとも認識していた。
事件後の30年、カルト問題を含めて仏教界は対応できたのか。また仏教界にどんな課題を突きつけたのか
仏教教団は一部の人間を除いて、常に「無関心」を装ってきたと受け止めている。「オウムは仏教ではない」等と、火中の栗を拾わないことにより「保身」を図ってきた感は否めない。オウムやカルトの問題に関わる宗教者は「異端」とさえ評されてきた経緯もある。
それが故に、当時の事件を知らない20歳前後の学生が、後継団体のアーレフ等に入信してしまう現況を作り出している。
令和を前にして、幹部の死刑が執行されたことにより、仏教界のみならず日本社会全体がこの問題に一応の終止符を打ったと感じているのではないか。しかしながら、有能な若者たちがオウムやその他の議論ある団体に入信していく心の奥底や環境要件について詳細な分析がなされていない以上、遠からず同様の問題が生じることは避けられないだろう。
当該問題において改めて仏教界・宗教界が苦手なPDCAサイクル(※)を回す必要性を感じる。「お寺は風景に過ぎなかった」と、当時の信者が口にしたとされる言葉は、仏教や宗教が眼目としてきた、生老病死等に伴う苦しみの受け止め方、救い、昇華を促すといった機能を果たしてこなかったことを指摘するものと理解していい。
仏教学者の中村元先生は「仏教では慈悲の理想は説くけれども、それをいかに実践すべきかということについて、仏教教団あるいは仏教学は適切な指示を与えてくれない。これは今日の仏教の致命的な弱点である−−」(「慈悲の精神」)と述べており、先の言葉と通底する。
幸いなことに近年、30~40代の若手僧侶や宗教者の中に、孤立や孤独感の受け皿となり、カルト問題のみならず社会苦に対して取り組む活動者が少なからず増えてきている(臨床仏教師の育成の目的もそこにある)。
教団や仏教者にいま問われていることは、釈尊やそれぞれの御祖師の教えに立ち戻り、現代社会の状況や背景・コンテクストに合わせた方便を尽しつつ、人々が抱える苦しみに真摯に寄り添い、共に歩んで行くことではないか。
※Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとった改善方法
2025/3/20
原発被災地14年 住民全体でまちづくり中 相馬市で慰霊法要営む 豊山派福島県第2号宗務支所
相馬市にある慰霊堂での支所法要 東日本大震災から14年、今年も真言宗豊山派福島県第2号宗務支所(山岡観舟支所長)では、震災が発生した午後2時46分に合わせて相馬市の大震災慰霊堂「慈眼院」で法要を厳修した。導師の山岡支所長(双葉町・自性院)をはじめとする支所下住職ら18人が出仕。地震と津波、原発事故で失われた全てのいのちを供養し、大災害の記憶を改めて胸に刻んだ。
午後2時半から、「東日本大震災罹災者諸精霊」に供養の読経。心を一つに、光明真言や三祖御宝号を唱えて回向した。
廃炉作業が続く福島第1原発から南に約20㌔の位置にある楢葉町・大楽院の酒主秀寛住職は、「原発に近い浪江町や大熊町、双葉町でも復興が進んでいるが、帰還する住民は少ない状態」と説明。「いち早く全町避難から帰還できるようになった楢葉町でも、帰還率は7割弱(約4350人)。昨年あたりでほぼ止まった」と話した。(続きは紙面でご覧ください)
2025/3/20
東京大空襲80年法要 大本山増上寺が出仕 小澤法主 4歳の空襲体験語る
増上寺が出仕した慰霊法要 10万人を超える死者・行方不明者を出した東京大空襲から80年を迎えた10日、東京都墨田区の東京都慰霊堂で春季慰霊大法要が秋篠宮皇嗣同妃両殿下参列のもと、浄土宗大本山増上寺が出仕して営まれた。東京都仏教連合会の各地区代表者も随喜した。
法要は増上寺の小澤憲珠法主を導師に一山式衆が出仕し厳修。石破茂首相代理の橘慶一郎官房副長官や東京都、地元墨田区の代表が追悼の辞を述べた。
小池百合子都知事は、東京大空襲や関東大震災による犠牲者を追悼しつつ、2度にわたり焦土から復興した東京の歴史に言及。「被災者、ご遺族の方々はその度に懸命に立ち上がり、今日の東京を築いてきた。私たちはこのことを胸に刻み、持続可能な都市を未来へと引き継いでいきます」と話した。
焼香では、秋篠宮皇嗣同妃両殿下をはじめ遺族代表、協賛団体代表らが香を手向けた。仏教界からも全日本仏教会や東京都仏教連合会の代表者が焼香をした。(続きは紙面でご覧ください)
2025/3/18
高野山宗会 宗費の自己申告制導入 専学授業料、半額免除 共に来年4月から
完全志納型の宗費賦課制度への大転換を表明する今川総長 高野山真言宗の第176次春季宗会(赤松俊英議長)が4~6日、和歌山県高野町の総本山金剛峯寺内宗務所に招集された。内局・議員共に任期中最後の定期宗会。今川泰伸宗務総長は施政方針演説で、制度調査会で約3年間熟議してきた財務調査(各寺院の収入額調査)の根本的な見直しに基づく宗費改革新制度を発表。「寺院・教会が負担する宗費は自己申告額を賦課することとし、(財務調査の結果を受けて各寺院の負担額を算出してきた)指数制度を廃止する」と宣明した。令和7年度を移行・周知期間とし、8年度から施行する。(続きは紙面でご覧ください)
2025/3/17
立正佼成会創立87周年式典 庭野会長の米寿を祝福
3月20日に満87歳となる庭野日鑛会長と佳重夫人に記念の花束が贈られた 立正佼成会は5日、東京・杉並の大聖堂で教団創立87周年式典を挙行すると共に、数え88歳で今月20日に満87歳を迎える庭野日鑛会長の米寿を祝福した。庭野会長は430人の功労者を前にして、「皆さまのおかげで87年を迎えることができた」と感謝した。全国から約1550人が参拝したほかオンラインでも配信された。
奉献の儀では、全国青年女子部員代表20人が晴れ着姿で、供物などを献じた。庭野光祥次代会長を導師に読経供養を行い、続いて庭野会長が啓白文を奏上。 昭和13年(1938)のこの日に庭野日敬開祖と長沼妙佼脇祖によって創立された原点や今日までの歩み、今年の年頭法話などを紹介し「天地万物に支えられているこの尊いいのちに感謝し、サンガ同士互いに助け合い、日に新たな心で元気に生き生きと精進して参ります」と誓願した。
教団を代表して熊野隆規理事長が挨拶。庭野会長の米寿にあわせ、「佼成会そのものも米寿の祝い年」にあたると説明した。さらに今年の功労者表彰では教会役員206人、特別会員224人の430人が対象で「本当に元気。90代が17名、80代が119名、最高齢は97歳。昭和・平成・令和と三つの時代を生き抜いた菩薩の鏡のような皆さんです」と讃えた。
また今年は終戦から80年を迎えるが、「久遠本仏を勧請してからちょうど80年を数える」と述べ、「平和活動の原点」である一食を捧げる運動も開始から半世紀になると続けた。(続きは紙面でご覧ください)
2025/3/17
最高裁、過料命じる決定 旧統一教会への「質問権」めぐり
宗教法人法の「質問権」に基づく調査に回答しない項目があったため、文部科学省が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に過料10万円の処分を科すよう求めた裁判で最高裁第1小法廷は3日、教団側の主張を退け、「民法709条の不法行為を構成する行為は、宗教法人法81条1項1号にいう『法令に違反する』行為に当たると解するのが相当である」と判示し、教団への過料を命じた。現在、東京地裁で審理中の教団の解散命令請求についての判断にも影響するとみられる。
旧統一教会をめぐっては、解散命令請求を行った文部科学省が同法に基づき7回の質問権を行使。しかし教団側が多数の項目で回答を拒否したとして、東京地裁に過料を科すよう求めた。地裁が10万円の過料を決定し、教団側は即時抗告を申し立てたが、東京高裁も地裁決定を支持していた。
高裁の決定に教団側は特別抗告し、解散命令請求の根拠となった宗教法人法上の「法令違反」について、民法の不法行為は当たらないと主張したが、最高裁は「民法709条の不法行為を構成する行為は、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害するもの」として、「『法令に違反』する行為に当たると解したとしても、同号の文理に反するものではない」と5人の判事が全員一致で判断した。
教団は5日、ホームページで判決への見解を発表し、「信者のプライバシーに関する質問等,回答が不適切と思料される質問以外は、できる限り回答に務め」たと反論し、「この決定は他の宗教法人に対しても重大な脅威となり得ます」と述べている。
2025/3/13
日蓮宗定期宗会 勧募金取り止め大幅減額 750遠忌予算を修正可決
施政方針を述べる田中総長 日蓮宗(田中恵伸宗務総長)の第123定期宗会(川口久雄議長)が4~7日、東京都大田区の宗務院に招集された。日蓮聖人750遠忌の記念事業のため、寺院教師に勧募する臨時特別賦課金・臨時特別義納金を定める規程中改正案が修正され、勧募に関する改正を削除。遠忌特別会計総額予算案などを修正可決し、閉会した。修正により遠忌事業の予算が約19億9千万円から約13億5千万円に大幅減額される波乱の事態となった。(続きは紙面でご覧ください)