2018/11/8・15合併号
WFB世界仏教徒会議日本大会 「慈悲の行動」世界に発信

總持寺大祖堂から移動する参加者を近隣の園児らが仏旗を振って見送った 全日本仏教会(全日仏)財団創立60周年事業の掉尾を飾る第29回WFB世界仏教徒会議、第20回WFBY世界仏教徒青年会議、第11回WBU世界仏教徒大学会議の日本大会が11月5日から9日まで千葉県成田市内のホテルと横浜市鶴見区の曹洞宗大本山總持寺を会場に開かれた。海外15カ国・地域から約300人が来日し、9日の世界平和祈願法要には日本からも600人が参加した。「慈悲の行動―生死の中に見出す希望」のテーマのもとシンポジウムが開かれたほか、SDGs(持続可能な開発目標)の実現支援など7項目からなる大会宣言が発表された。日本では10年ぶり4度目の開催。
 
 大会は5日から8日まで成田市内のホテルで会議を中心に行われ、7日夕刻に開会式典と歓迎レセプションが催された。最終9日に大本山總持寺に移動し、世界平和祈願法要・記念式典・シンポ・閉会式典が執り行われた。

 開会式典では全日仏およびWFB役員が登壇した後、全日仏の釜田隆文理事長の先導で日本語三帰依文、WBUのプラ・シャカヤウォンヴィス学長の先導でパーリ語三帰依文を唱和した。

 全日仏会長で曹洞宗管長の江川辰三・大本山總持寺貫首が歓迎の挨拶を述べ、「テーマである『慈悲の行動』を世界に向けて発進することが、世界的混迷を乗り越える唯一の道に連なると信じる」と訴えた。

 WFBのパン・ワナメッティ会長の祝福メッセージをパロップ・タイアリー事務総長が代読した。さらにWFB会長表彰として河野太通元全日仏会長(第29期)と石上智康前全日仏理事長(第32期)にタイアリー事務総長から賞状と記念メダルなどが贈られた。

 また歓迎レセプションの清興では落語家の桂かい枝師匠が海外でも高い評価を得ている「英語落語」を公演。日本の英語教育を風刺したり、落語のルーツに仏教があることや南京玉すだれの演芸などを披露し、海外参加者から喝采を浴びた。

 9日の總持寺大祖堂での世界平和祈念法要は江川会長を導師に執行。出仕僧が経典を空中に広げて読み上げる大般若転読として営まれた。これには海外僧侶も身を乗りだし、写真を撮るなど関心を示した。

 大会宣言では、「環境に責任をもった生活スタイル推奨」や「持続可能な開発目標(SDGs)の実現支援」など7項目を提示した。(紙面では、WFB日本大会の特集を掲載しております。是非ご覧下さい)


2018/11/8・15合併号
WFBY新会長に村山博雅氏 日本・大乗仏教圏で初めて

会見で抱負を語る村山新会長 世界仏教徒青年連盟(WFBY)の執行役員選挙が6日、成田市内のホテルで開催され、全日本仏教青年会(JYBA)の村山博雅氏(全国曹洞宗青年会顧問)が新会長に選出された。日本人のWFBY会長就任は、史上初となる。任期は次期世界大会までの2年間。

 選挙には、会長職に村山氏、副会長職に全日本仏教青年会の倉島隆行理事長が立候補。それぞれ対立候補がなく、無投票で当選した。WFBY会長は第1回大会のスリランカとそれ以降本部があるタイから選出されてきた。大乗仏教圏や日本からの選出は初めて。

 会見で村山氏は「会長という要職に、日本の仏教徒を選んでいただけたことは、我々日本の仏教徒にとって非常に重要なこと。世界の仏教界で日本にどのような期待、責務があるのかを改めて考える機会でもあり、これからしっかりと邁進していきたい」と話した。

 村山氏は1971年生まれ。47歳。慶應大学環境情報学部卒。愛知学院大学大学院文学研究科宗教学仏教学博士課程前期修了。曹洞宗大本山永平寺僧堂本科修了。曹洞宗洞雲寺住職。曹洞宗国際布教審議会委員。全日本仏教青年会理事長、WFBY副会長などを歴任し、2016年にWFBY会長代行に就任していた。

2018/11/8・15合併号

著者に聞く 中垣顕實氏 卍理解で広がる諸宗教対話 

 ニューヨーク在住の本願寺派僧侶でインターフェイス(諸宗教間対話・協力)活動を展開している中垣顕實氏は5年前、『卍とハーケンクロイツ―卍に隠された十字架と聖徳の光』(現代書館)を上梓した。今年9月、待望の英語版『The Buddhist Swastika and Hitler’s Cross: Rescuing a Symbol of Peace from the Forces of Hate』(ストーン・ブリッジ出版)が刊行された。「卍」をめぐる東西の誤解を解く架け橋になるか。先月一時帰国した中垣氏に取材した。

 「日本とは違いインパクトのある表紙となりました」。卍を中央にしつつ、右下にナチスドイツのハーケンクロイツを配置している。出版社の力の入れようが理解できる。もちろん、対立を煽っているわけではない。

日本で卍は寺院を表す。「卍」「卐」はヒンズー教やジャイナ教など東洋の諸宗教では吉祥・万徳・幸運を示すシンボルとして2千年以上にわたり用いられてきた。

英語版「卍」書籍 ところが、欧米ではナチスドイツやヒトラー、ホロコーストを想起させるとして忌避されている。戦後、米国の日本人コミュニティーから姿を消した。

 中垣氏はある象徴的な場面に遭遇した。2009年。インターフェイス活動でのある研修会。テーマは「ヘイトクライム(人種憎悪)」についてであった。専門家と称する識者が「スワスティカ(Swastika)はナチス、悪の普遍的(ユニバーサル)なシンボルだ」と発言したのである。中垣氏は、東洋ではナチス以前の2千年以上前から卍(スワスティカ)は使われており、なのに「普遍的な悪のシンボル」というのはおかしいのではないかと質問した。専門家は東洋の卍についてまったく認識がなかった。

 驚いた中垣氏。ニューヨーク神学校で伝道学博士課程に籍を置いていた時のことである。この体験から卍とハーケンクロイツの違いを究明し真意を伝えていく旅が始まった。卍は東洋の宗教だけでなく、ユダヤ教、キリスト教、イスラームなどの宗教施設にも印されており、20世紀初頭の西洋社会でも卍は身近になっていた。ところが、ナチスドイツの登場後、行われたユダヤ人らの虐殺(ホロコースト)によって、卍は悪のシンボルと見られるようになり、そして「卍=ヒトラー=邪悪」という図式が出来上がった。今の西洋社会における問題点として、中垣氏はまず翻訳の問題を指摘する。「欧米では英語のスワスティカを使っている。ドイツ語ではハーケンクロイツ。鉤状になった十字架という意味です。ヒトラー自身、スワスティカとは一度も使っていません。しかしスワスティカと翻訳されると、十字架が見えないのです」

 スワスティカの語源はサンスクリットのスヴァスティカ(svastika)だとされる。

 慣れないドイツ語と格闘しながら中垣氏はヒトラーが、仏教のシンボルとしての卍を知っていたかについてや、ヒトラーの思想形成に影響を与えた人物にまで踏み込んで考察した。同時にホロコーストの生存者やユダヤ教指導者とも会見した。一様に中垣氏の主張に理解を示した。

 中垣氏は「本書によって卍に対する誤解が解け、インターフェイス活動がさらに広がりを持てばと思っています」と期待する。そして、吉祥としての卍の復権に力を注ぐ覚悟だ。

 なかがき・けんじつ/1961年生まれ。龍谷大学卒業。浄土真宗本願寺派僧侶。1985年から海外開教使として渡米。カリフォルニア州立大学フレスノ校にて言語学修士号、ニューヨーク神学院にて伝道学博士号取得。ニューヨークでインターフェイス活動を実践。仏教タイムスでコラム「ニューヨーク宗教卍交差点」を連載中(月1回)。

2018/11/8・15合併号
豊山派宗会 長谷寺修復に26億4千万円 特別賦課金 年1億2千万円を22年間

質問に答える星野総長 真言宗豊山派(星野英紀宗務総長)の第147次宗会通常会(加藤章雄議長)が6・7日、東京都文京区大塚の宗務所に招集された。総本山長谷寺(奈良県桜井市)の伽藍修復事業における宗派助成費として、22年間で毎年1億2千万円、総額26億4千万円の特別賦課金が決まった。長谷寺修復事業に関連した「総本山国宝重要文化財伽藍修復資金検討委員会規則案」「同資金特別会計規則案」を含む9議案が上程され、全て原案通り可決承認された。

 星野総長は施政方針演説で奈良県から平成31年に重文の大講堂本坊の耐震調査を行い、平成33年度から修復工事に着手するとの通知があったと報告。修復に向けては、1300年の長谷寺の歴史を支えてきた檀信徒のサポートを強調し、「長谷寺の魅力を広く伝えるよう一層の努力をして参りたい」と理解を求めた。

 議案説明では小島一雄総務部長が、昨年発足した総本山伽藍修復基金検討委員会で、宗派として助成する対象建造物を国宝の本堂と重文の本坊に限定すること、修復資金の調達方法として総額約26億4千万円の特別賦課金を導入する案を検討してきたと説明。

 現行の基金検討委員会の後身として助成に必要な修復資金についての諮問に応じる「総本山国宝重要文化財伽藍修復資金検討委員会」を来年4月1日に発足させるとし、「22年間という本宗派ではまったく初めてのケース。その間に天災地変をはじめとするあらゆる場合を想定しなければならず、そのために必要な委員会」と位置付けた。

 9月に総本山長谷寺で「総本山長谷寺国宝重要文化財伽藍修復事業準備委員会」が発足したことも報告した。(続きは紙面をご覧ください)

2018/11/1
僧侶が電力会社「TERA Energy」を設立 再生可能エネルギーを中心に

電力小売り事業を始めると発表した社長の竹本住職(中央) 浄土真宗本願寺派の僧侶が中心となって設立した会社「TERA Energy(テラ・エナジー)」(京都市下京区)が10月25日、京都市右京区の臨済宗妙心寺派大本山妙心寺塔頭長慶院で記者会見を開き、来年4月から中国・四国地方で電力の小売り事業を始めると発表した。売り上げの一部を契約した寺院や慈善団体にも還元し、地域活性化を促すことが狙い。過疎化や檀家減少などの課題解決につながるか注目される。

 NPO法人「京都自死・自殺相談センターSotto」の代表を務める本願寺派西照寺(奈良県葛城市)の竹本了悟住職(40)が社長に就任し、今年6月に設立した。「みやまパワーHD」(福岡県みやま市)と連携し、地域の再生可能エネルギーを中心に電力を調達。地球温暖化防止に向け、太陽光発電パネル設置などを進めて自社電源の割合を増やす考えで、将来的に自然エネルギーへの全量切り替えを目指す。

 寺院や保育園などの関連施設と檀家をメーンの顧客とする。1カ寺あたり檀家100軒と想定した場合、市場規模は約1兆円と見込んでいる。

 中国・四国地方(広島・島根・香川3県)の5宗派38カ寺で実施した事前調査では、28カ寺が賛同。反対した寺院はなかったという。来年度の売り上げ目標は同地方の寺院250カ寺と一般家庭5千軒などで7億円。2020年度には同地方の売り上げを17億円に拡大するとともに、全国展開を目指す。

 広告料などのコストを抑え、中国電力の家庭向け料金と比べ約2%割安に設定する。売り上げの一部を「お寺サポート費」として、契約した檀家を含む電力の使用量に応じて寺院に支給。初年度は計1200~1800万円の還元となる。2020年度以降、環境保全や自死問題などの社会活動を行う団体に、売り上げの約1%を助成する予定。

 竹本住職は会社の設立について、「これからも僧侶が人々の暮らしを支え続けているように、寺院のコミュニティーを活用できないか考えた」と説明。「過疎化が進み、大きな寺院でも20年後に現在の状態が維持できているか分からない。この事業を通して、寺院が地域の拠点となって住民との間を取り持つ存在になれるようサポートしたい」と話した。

 現在、賛同寺院が所属する宗派は本願寺派を含めて7宗派。記者会見には長慶院の小坂興道住職と高野山真言宗薬師寺(広島市安佐南区)の猪智喜住職も立ち合った。

 過疎問題を巡っては、各宗派が調査を行うなどして対応を模索中だ。2015年には超宗派でつくる「過疎問題連絡懇談会」が設立された。現在、14宗派4大学3団体が加盟する。今回、宗派などの組織ではなく、民間の会社として個人の僧侶が寺院再生に挑戦する。過疎化や人口減少などに伴う寺院問題の解決手段の一つとなるか注目される。

2018/11/1
全日本葬祭業協同組合連合会 熊本で‷復興”全国大会 2年後に日本で世界大会予定

北島国際葬儀連盟会長大会式典で挨拶する石井全葬連会長 全国1340社余が加盟する全日本葬祭業協同組合(全葬連)の第63回“復興”全国大会が10月25日、熊本地震から復興途上にある熊本市内のホテルで開かれた。地震や火山噴火、豪雨、台風など相次ぐ自然災害から「明日起こりうる災害における対応と備え」と題するパネルディスカッションを実施。災害協定の有効性が確認された。300人超が参加した。

 開会にあたり相次いだ災害の犠牲者や今年1月に急逝した松井昭憲前会長を偲んで黙祷が捧げられた。

 今年5月に新会長(第5代)となった石井時明氏は大会挨拶で、「一日も早い全面復興をお祈りする」と被災復興と共に大会を受け入れた熊本県葬祭事業協同組合に感謝した。さらに第5代会長に就任したことに「歴代会長を中心に築き上げてきたこの連合会。私が生まれた年に発足したように思う。。微力ではあるが、全理事総意のもと所属員1340社のためにまい進する所存である」「連合会として所属員に少しでもお役に立つようなツール等を開発しながら、プラスになるような事業展開をしていきたい」と決意を述べた。合わせて9月末、南米ボリビアで北島廣副会長が国際葬儀連盟(FIAT-IFTA)の会長に就任したことも報告した。

 世界80カ国以上が加盟する国際葬儀連盟の北島会長は、松井前会長が連盟と関係を築いてきたことに感謝し、「FIAT-IFTAで活躍された松井前会長の功績に対し、名誉会長の推戴状が届いている」と報告した。

 そして、「世界の葬儀業界の舵取りを担うという責任の重さを感じている」と述べつつ、「FIAT-IFTA設立50周年にあたる2020年に世界大会を日本で開催することになった。和の心でおもてなしをするためにこれから準備を進めてまいりたい」とし、協力を呼びかけた。

 パネルディスカッションでは、2年前の熊本地震、昨年の九州北部豪雨でもっとも被害が大きかった福岡県朝倉市の状況と全葬連の取り組みについて討論。熊本では平成25年(2013)に締結した災害協定に基づき本震があった日に自治体からの要請を受け棺20基(10基を2回)を供給した。「協定によって初期段階に動くことができた」(熊本組合)と事前の災害協定が有効に機能したと結論付けた。

 採択された大会宣言では、インターネットを介した葬祭依頼が急増し、トラブルが少なくないとしてその対策が必要だとしている。

透明性高い業界確立へ【第63回大会宣言】
 近年、実態がない葬儀紹介業者が増えており、葬儀を依頼した窓口と実際の施行業者が異なることで、消費者とトラブルに発展している。消費者保護の観点からも行政等が葬儀を執行した業者を把握することが重要であると考える。
 一方、グローバル化が進展し、日本国内でもこれまで経験のない感染症の拡大等が懸念されている。また、一部地域では死亡者数の増加等によって火葬までの日数がかかり、ご遺体の保管が長期化している。正しい知識を持った事業者の育成、公衆衛生面や従業員の安全確保の観点からも早急な対策が望まれる。
 全葬連ではこうした問題に対処するため、「全日本葬祭業政治連盟」、「葬祭業の健全な発展を支援する議員連盟」など、関係機関と連携のもと、法制化を目指し、消費者に開かれた透明性の高い業界を確立することをここに宣言する。

2018/11/1
梅花流、昔「布教」、現在「心の癒し」 病や死別からの救いに

梅花流を人生の支えにする講員たちも発言 曹洞宗総合研究センター(大谷哲夫所長)は10月24・25の両日、港区の東京グランドホテルで第20回学術大会を開催した。初日午前には梅花流詠讃歌研究プロジェクトシンポ「『救い』としての梅花流」が行われ、梅花講員からの生の声が届けられた。

 梅花流を実践し、心のよりどころにしている講員の大山セツ子さん(千葉県海龍寺)、大貫武男さん(東京都宗保院)、小泉孝子さん(神奈川県東泉寺)が座談。小泉さんは病気で入院した時に、絶食期間中は看護師が積極的に看護をしてくれたが、食事が出るほどに回復するとあまり来てくれなくなったという。

「その時、四摂法御和讃のことを実感しました。私の分を辛い人のところで看護してくれたんだなと。御詠歌をしていたからこういう気持ちになれたんだ、とつくづく思いました」と、苛立ちや寂しさを抱かず入院生活を送れたのは御詠歌のたまものだと述懐した。「四摂法御和讃」は布施・愛語・利行・同事を歌詞にしたもので、他者のために尽くすことを歌っている。
 
 大貫さんも「10年周期で大病を患っている」が、そのたびに御詠歌を唱えることが心の支えになっていると感謝。女性中心の梅花流の中で貴重な男性である大貫さんは、講の中でもリーダー的存在として活躍するほど熱を入れている。

 詠範の大山さんは千葉県だけでなく秋田県でも指導を行う。「皆さんの向学心に燃える姿勢に励まされ、支えられています」と、教える立場としても人生に張り合いが出てくると語った。

 宮城県石巻市・宮殿寺副住職の永松隆賢氏は、東日本大震災後の県内梅花講の復興状況を報告。震災直後はどのお寺も「梅花講どころではなかった」としつつ、11カ月後の2012年2月に行われた県梅花流特別講習会は講員同士が涙を流しながら無事と再会を喜ぶ場になったとし、「二度とこんなことないように毎日み仏さまにお願いしています」と84歳の講員が綴った言葉が参加者共通の思いだったと語った。

 委託研究員の佐藤俊晃氏は梅花流に触れた宗内機関誌の記事を集約しデータとして提示。1952年に梅花流は創設されるが、初期の曲はほぼ布教目的で、供養目的局は1953年以後からだと指摘。専任研究員の関水博道氏は、梅花流は本来、宗門の教義に基づく安心の構築という「布教」の意図が強かったが、現在では死の悲しみの解消など、直接的に宗門が想定していない面でも癒しや救いを得ている人が多いとした。

 会場からは上智大学グリーフケア研究所所長の島薗進氏がコメント。音楽療法が近年、非常に医療・介護の現場で着目されているとし、梅花講がグリーフケアに果たす役割に期待を寄せた。

2018/10/25
WFB(世界仏教徒会議)日本大会迫る WFBY(世界仏教徒青年会議)は独自企画も

世界平和祈願法要が行われる大本山總持寺大祖堂(2015年10月撮影) 10年ぶり4度目となるWFB(世界仏教徒連盟)日本大会が迫ってきた。大会は、第29回WFB世界仏教徒会議、第20回WFBY世界仏教徒青年会議、第11回WBU世界仏教徒大学会議の3種。11月5日に千葉県成田市内のホテルで開幕し、最終日の9日に神奈川県横浜市鶴見区の曹洞宗大本山總持寺で世界平和祈願法要や記念シンポジウムが開かれる。一方、WFBY(世界仏教徒青年会議)は大会後の10日、大本山總持寺で独自のイベントを開催する。

 日本大会は公益財団法人全日本仏教会(釜田隆文理事長)が主催。海外から2~300人が参加する予定だ。各種常任委員会、大会宣言文の採択などの会議が中心だが、11月7日には成田市内のマロウドインターナショナル成田で開会式典と歓迎レセプションを催す。加盟団体代表などが出席する。

 同9日午前中には大本山總持寺大祖堂で世界平和祈願法要、記念式典、午後からは三松閣でシンポジウム「生死の中に見出す希望」を開催する。終了後にWFB会長・事務局長らが臨席して記者会見が行われる。シンポの申込みは全日仏(電話03―3437―9275)まで。

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 WFB日本大会のテーマは「慈悲の行動」。7日の開会式典と歓迎レセプションを含め、5日から8日までが成田市のマロウドインターナショナルホテル成田が会場となる。最終9日に横浜市の曹洞宗大本山總持寺に移動する。午前10時に全日仏の江川辰三会長(總持寺貫首)を導師に世界平和祈願法要を営み、続いて記念式典を行う。

 午後1時からシンポジウム「生死の中に見出す希望」。基調講演者のジョアン・ハリファックス氏は、禅僧で文化人類学者。終末期ケアの先駆者として知られる。医療人類学博士。米国ニューメキシコ州にあるウパヤ禅センター主管。

 日本のスピーカーは、自殺防止活動に奔走している臨済宗妙心寺派の根本紹徹氏と、東日本大震災からの復興支援や相談活動を実践している曹洞宗の久間泰弘氏。フリートークでは、本願寺派のケネス・タナカ氏(武蔵野大学名誉教授)と全日仏事務総長の戸松義晴氏(浄土宗)が加わる。

 午後4時から閉会式。終了後にWFB会長らが臨席し会見が行われる。

全日本仏教青年会全国大会のテーマは「仏教×SDGs」

 11月5日から9日まで開催されるWFB世界仏教徒会議日本大会と併せ、第20回WFBY世界仏教徒青年会議日本大会も開催される。WFBY世界大会が日本で開かれるのは1978年の第3回、2015年の第15回に続き3回目となる。このため、WFBYの日本センターにあたる全日本仏教青年会(全日仏青、倉島隆行理事長)は準備を進めてきた。

 そもそも現在の全日仏青は、第3回WFBY世界大会の受け入れをするために設立されたという経緯がある。20回目という節目の世界大会でもあり、全日仏青にとっても正念場と言えるだろう。

 今回、WFBY世界大会のプログラムとしては9日に加盟団体がそれぞれの特色を活かした仏教イベントを行う。各宗派の修行の紹介や、精進料理を通じて世界の青年仏教徒や僧侶と交流を深めるものである。加盟団体外からは真宗教団連合も参加し、パネル展示を行う。

 これと連動し、翌10日には一般向けイベントとして全日本仏教青年会全国大会も営まれる。

 全国大会は毎年各地で行われているが、今回は「仏教×SDGs」を中核テーマに据えているのがポイント。SDGs(持続可能な開発目標)は「誰一人取り残さない」という理念のもとで、貧困や格差をなくし持続可能な社会を実現するための国際行動計画、とは周知のことだろう。

 このSDGsに仏教界でいち早く着目したのが全日仏青だった。小欲知足・自利利他・智慧と慈悲といった大乗仏教の思想とSDGsは、まさに同じことを目的としているといえよう。

 大会のシンポ(要申込)では、臨済宗妙心寺派龍雲寺住職の細川晋輔氏をファシリテーターに、一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク業務執行理事の長島美紀氏、文化庁地域文化創生本部研究官で真宗高田派浄善寺次期坊守の朝倉由希氏、一般社団法人未来の住職塾理事の松﨑香織氏がパネリストとなって討論する。特別ゲストは女優で社会問題への発信も積極的に行う東ちづる氏。女性の多さが目を引くが、これはSDGsの第5目標に「ジェンダー平等を実現しよう」があることに鑑み、女性が創るお寺の新時代という議題にも触れるためとのことである。伝統仏教界における女性の立場や潜在能力にどこまで踏み込めるかにも注目したい。

 難病から奇跡の復帰を果たしたピアニスト・西川悟平氏の奉納コンサートと各派青年僧による太鼓や聲明、御詠歌などの「仏教音楽祭」も行われる(要チケット)。これも全日仏青のスローガン「慈悲の行動」の具現化の一環である。

 日本青年会議所と協力しての「お寺でスポーツ」は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの種目である3×3バスケとボッチャの体験。お寺の持つ潜在的なポテンシャルを引き出すこの取り組みは、SDGsの第11目標「住み続けられる街づくりを」と合致するものだ。

 元モーニング娘。の藤本美貴氏が出演する「青空ヨガ」、元ザ・ブルーハーツの梶原徹也氏と元鼓童の陽介氏によるユニット「えびす大黒」の和太鼓・ドラムワークショップなど様々な企画で1日中楽しめる。俳優の早乙女太一氏も友情出演。加盟団体の体験イベントは9日と共通で行われる。詳細は特設サイトで。

2018/10/25
日蓮宗・立正大学・身延山大学が3者協定を締結 教育、研究、社会貢献で連携推進

 会見で協定書とともに手を結ぶ3者。左から立正大の齊藤昇学長、中川法政総長、身延山大学の浜島典彦学長日蓮宗と立正大学、身延山大学は16日、東京都大田区の日蓮宗宗務院で教育、研究、社会貢献等を推進する協定を締結した。施設設備の共同利用や単位互換等を検討し、今後3者による連携強化を図っていく。

 日蓮宗の宗門校である立正大学と身延山大学は日蓮宗の宗憲上、宗門子弟教育機関として位置づけられているが、日蓮宗を母体とする立正大学と総本山身延山久遠寺を母体とする身延山大学と宗門の3者で協力関係を明文化するのは初となる。

 協定事項には、①教育研究の連携と学術交流②単位互換および遠隔講義等③施設設備の共同利用④地域社会への貢献の推進⑤教育・文化の振興、生涯学習の推進⑥その他、目的を達成するために必要な事項での連携を推進することを掲げた。今後は「三者協議会」を設置し、これらの連携事項を具体化していく。期限は3年間とし、その後は2年ごとに更新する。

 締結後、中川法政宗務総長は「協定は3者が並列であるということ。日蓮宗の傘下であるとか、助けてもらうとかではなく、相互に高め合う。日蓮宗の全国5500カ寺、9千人の教師、400万人近い檀信徒のすべてを糾合して立正大学、身延山大学を応援する土台を提供しようという意思表明だ。逆にそれができなければ、恥になる。その覚悟で調印させてもらった」と力を込めた。

 立正大学の齊藤昇学長は、単位互換などの身延山大学との連携強化に言及しつつ、「立正大学の基盤には日蓮宗の精神がある。学部が増える中で、このコアが薄れている気がする。日蓮宗のスピリットを掲げ堂々と教育をしていき、心の平安や均衡を支える大学にしていきたい」と話した。

 身延山大学の浜島典彦学長は「お二人から力強いお言葉をいただいた。以前から協定を望んでおり、涙が出るほどうれしい。協定は文科省にも支援体制を証明する大きなエビデンスになる。大学には福祉など専門性のある人材が多くおり、宗門にもっと活用していただければ」と語った。