最新記事 of weekly bukkyo-times website ver 2.3

2018/5/17
日蓮宗宗務総長・中川法政氏インタビュー 「強い日蓮宗」狙いは仏教界底上げ

1日蓮宗 中川総長インタビュー.JPG 一体なぜこの総長は好かれるのか。野党会派の明和会との関係改善を果たし、満票で総長に就任、宗務所長からは「宗務院が明るくなった。雰囲気が変わった」という声も耳にする。野党会派の宗会議員ですら、親しみを込めて「総長はなかなかの人たらしだ」と話す。

 寒一百日の大荒行を五行成満した修法師。宗門校ではなく、龍谷大学を卒業した。総長ではどちらも珍しい経歴だ。「行政畑でもなく、人脈の中で総長に選ばれたわけじゃない。そういう人脈がない代わりに、しがらみもない」とうそぶく。

 宗政での人脈はなくとも、宗門の修法師の世界ではエリートとして知られる。「日本一の験者に俺はなると思っていた。総長になったのは、たまたま期が上だったから。選挙結果が違えば別の人がなっていた」。内局会議では役員らに「皆、私より優秀だ」という一方で「すべての責任は私が持つ」と言い切る親分肌。

 大雑把に見えて、実は細かい気遣いを忘れない。少しでも気軽に総長室に寄れるように、執務室のドアは一度も閉めたことがないという。「常に開けっ放しで、誰に対しても構えない」のが中川流。行事や法事の挨拶、弔辞も必ず自分の言葉で話し、常に胸襟を開く。その辺りに好かれる秘訣があるのかもしれない。(続きは紙面でご覧ください)

2018/5/17
「真宗大谷派関係国会議員同朋の会」朝食会 衆参両議院40人が出席

2大谷派アサガユ.JPG挨拶する伊吹議員。手前は大谷門首夫妻「真宗大谷派関係国会議員同朋の会」の朝食会が国会会期中の10日、永田町のホテルで開催された。伊吹文明代表世話人(自民)をはじめとする国会議員が約40人参加し、大谷暢顯門首・妙子夫人や但馬弘宗務総長と歓談した。

 大谷門首と同席した伊吹議員は「内外とも日本は難しい状況。人間社会の秩序や平安というのはまず法律で守られている。同時に法律では義務付けられていないけど、やってはいけないこともある」と挨拶。「相手が嫌がるようなセクハラ的発言をしてはいけない」とちょっとした国政への皮肉も交えた。「日本民族の生き方を形成している一つの要素は仏教」と述べ、聞法で党派を超えて交流できる清らかな時間にしたいと語った。

 衆院選後最初の朝食会ということもあり役員が交代。遠藤利明議員(自民)、荒井聰議員(同)、樽床伸二議員(無所属)、大塚耕平議員(国民民主党)が新世話人となった。国民民主党を結党し共同代表に就任したばかりの大塚耕平議員は但馬総長と同じテーブル。「中道を綱領に掲げた政党をスタートさせていただきました。異なる意見を否定せずに世の中の調和を見出すという仏教の(中道の)原点を学ばせていただきたい」と謙虚さを見せた。

 司会を務めたのは大谷派の宗門校・大谷学園の評議員でもある左藤章議員(自民)。浄土真宗本願寺派の僧籍を持つ谷川とむ議員(同)も出席した。

2018/5/17
多様性ないところに平和なし―庭野平和賞贈呈式、レバノンのアディアン財団に

1庭野平和賞贈呈.jpg表彰状を手渡す庭野名誉会長とダウ理事長。右はタバラ副理事長 公益財団法人庭野平和財団(庭野浩士理事長)は9日、東京・六本木の国際文化会館で第35回庭野平和賞を受賞したレバノンのアディアン財団創設者のファディ・ダウ理事長とナイラ・タバラ副理事長を迎えて贈呈式を執り行った。多様性や相互理解を重視した教育活動などが評価され、庭野日鑛名誉会長(立正佼成会会長)は長期的な視野からの人材育成に共感の言葉をおくった。受賞記念講演でダウ理事長は「多様性のないところに平和はない」と明言した。同財団には表彰状と顕彰メダル、副賞2千万円が贈られた。約200人が参席した。

 選考結果を庭野平和賞委員会のノムフンド・ワラザ委員長(南アフリカ、キリスト教)が報告。世界の紛争や対立の背景を概観しつつ、過去7年間の受賞者が「3人の男性と3人の女性が受賞しており、女性指導者の役割に対する認識の高まりを反映している」とした。さらに「アディアン財団は多様な社会における市民権と共存をより確固たるものとし、宗教間の精神的連帯のための文脈と基盤を作り出すことを使命とし、キリスト教、イスラーム教と専門性も異なる5人によって創設された」と紹介した。

 特に「多様性の中の団結がアディアンの最も強力な資産となっている」と評価。具体的な取り組みとして子どもと教育者のための「回復と和解構築プログラム」開発が、「シリア内戦の影響下にある人たちに和解の手引きをするもの。国連の教育特使ブラウン元英国首相は、“ISに対抗する心の解毒剤”と評価している」と讃えた。

 平和賞贈呈に移り、庭野名誉会長と2人の創設メンバーが登壇。庭野名誉会長からダウ理事長に表彰状と賞金目録、タバラ副理事長に顕彰メダルが手渡された。(続きは紙面でご覧ください)

2018/5/10
全日本仏教青年会 東大寺千僧法要30周年、慈悲の行動を未来へ

1全日仏青 千僧法要30周年.jpg大仏殿での1万枚の大散華 全日本仏教青年会(倉島隆行理事長)は4月26日、奈良市の華厳宗大本山東大寺大仏殿で30周年となる「仏法興隆花まつり 千僧法要」(共催=南都二六会、東大寺)を執り行った。加盟各団体の青年僧約500人が盧遮那仏の御前に参集し、災害からの復興や世界平和を祈念した。倉島理事長は30周年の節目にあたり、「千僧法要が40年、50年と月日を重ねていく中で慈悲の行動を未来へと紡ぎ、このご縁が国内のみならず世界中に広がるよう祈念したい」と話した。

 今年は、南大門左脇にある東大寺総合文化センターが改修中のため、奈良春日野国際フォーラムから青年僧が出仕。東大寺本坊前で来賓や東大寺学園幼稚園の園児も合流し、法螺貝(金峯山青年僧の会)や和太鼓(三重県曹洞宗青年会「鼓司」)が境内に鳴り響く中、大仏殿へと進んだ。

 大仏殿での記念法要では、倉島理事長を導師に加盟団体の各宗派僧侶が盧遮那仏を囲み、大転読般若や園児による仏讃歌の奉納で釈尊の生誕を慶祝。訪れていた多くの修学旅行生や外国人旅行者などが足を止め、青年僧らが被災地の復興や平和を一心に祈願する様子を見守った。
30周年を記念して、大仏殿の唐破風から平和を願い1万枚の散華を撒く大散華を実施。東大寺では、聖武天皇1250年遠忌などの大法要でのみ行われるもので、趣旨に賛同した東大寺の協力で実現した。全僧侶が中門まで下がり、盧遮那仏と舞い落ちる色とりどりの散華を遥拝し、平和を念じた。

 続いて大仏殿の隣地にあるアショカピラーの宝前で、地元奈良の寺院でつくる南都二六会の森川隆行会長を導師に法要が厳修された。

 市内のホテルで開催された記念式典では、東大寺の橋本聖圓長老が祝辞を述べ、「最初に始めた方々の志を継いで、今の方々も熱心にこの活動を継承しておられる。大変心強いのと同時に、関係者として敬意と感謝を伝えたい」と挨拶。国内外の状況を俯瞰して「仏教が世界的な広がりを見せている一方で、変形し歪曲されたものを仏教だという団体がある」との懸念も話し、東大寺の「八宗兼学」の教えを引いて「日本仏教の本当の姿を世界に示す活動を進めてほしい」と超宗派の青年僧の活動に期待した。

2全日仏青 千僧法要30周年.JPG大仏殿へと向かう超宗派の青年僧らの行列 南都二六会の森川会長は、「これからの日本仏教の中心になる方々が年に一度、宗派を超えてこの奈良の地に集まり、親睦を深める。それがゆくゆくは日本仏教のためになれば。地元の仏教会として、そのお手伝いをしたい」と今後も協力を惜しまないことを語った。

 千僧法要の誓願にちなみ、「仏法興隆」や「世界平和」を題材にした奉納書道展も開催。全国の小中学生から寄せられた153点の作品が大仏殿内で展示された。中門前には、次世代を担う若者との協働として、奈良芸術短期大学の学生が作成した30周年記念パネルを設置。英語表記での説明文もあり、国内外の参拝者に法要の意義を伝える試みもなされた。

2018/5/10
引き上げ船事故の朝鮮人遺骨、壱岐へ戻る 広島、埼玉と渡り42年ぶり

①朝鮮人遺骨 壱岐へ移送.JPG遺骨を移動する金乗院の田中住職と厚労省の職員(金乗院提供) 長崎・壱岐島の芦辺湾で1945年秋、終戦を機に日本から帰ろうとする引き揚げ船が台風で遭難し、死亡した朝鮮半島出身者たちの遺骨が5月末、壱岐に戻される。国に委託され遺骨を安置していた埼玉県所沢市の真言宗豊山派金乗院から、壱岐市の曹洞宗天徳寺に移され、同寺で31日に遷座法要が営まれる。壱岐に遺骨が戻るのは42年ぶり。

 移送される遺骨は131柱で、70~80年代に長崎県の壱岐島(86柱)と対馬(45柱)で発掘されたもの。市民活動をきっかけに、旧日本軍人・軍属以外の民間人の遺骨に関し、国も調査に加わった極めてまれな事例として知られる。

 遺骨131柱を納めた37の骨壺が4月18日に金乗院から運ばれ、現在、東京・霞が関の厚生労働省の一室に安置されている。30日にバスで天徳寺に向け出発し、福岡市内の宿泊施設に遺骨を移動した上で1泊。翌日に福岡港から壱岐島に渡る予定だ。

70年以上の慰霊

 壱岐・芦辺湾で45年10月、台風による遭難事故が起きた。近くの天徳寺(西谷徳道住職)は犠牲者168人を祀る位牌を作り、事故翌年から毎年慰霊法要を執り行い、70年以上にわたって供養を続けてきた。現場付近の清石浜には、住民によって67年に慰霊碑が建立された。98年からは韓国の水谷寺(慶州市)と天徳寺で1年ごとに、仏国寺(同)も参列し合同慰霊祭を営んでいる。

 西谷住職は祖国への返還が困難ならば朝鮮半島にも近い壱岐島に戻されることを望み、曹洞宗宗務庁の協力を得ながら粘り強く厚労省に訴えてきた。しかし、「目の届く所で管理したい」などの返事からは、進展する気配は感じられなかった。金乗院の田中政樹住職もこの意見に同意。厚労省に対し納骨堂の修理を理由に、前年度末の3月を期限に移動を求めた。(続きは紙面でご覧ください)

2018/5/10
WCRP女性部会 障がい者受け入れ学ぶ 宗教施設備災マニュアルに即して

5WCRP女性部会.JPG発刊記念イベントでの避難所運営の模擬練習。障がい者や妊婦など配慮の必要な人々をどう受け入れられるかについて話し合った 公益財団法人世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会の女性部会(部会長=森脇友紀子カトリック東京大司教区アレルヤ会会長)は4月25日、京都市中京区のカトリック河原町教会で〈備災マニュアル 宗教施設保存版〉『災害時に備えて 発達障がい児者受け入れのてびき』(A4判・カラー38頁・価500円)の発刊記念イベントを開催した。加盟教団などから40人が参加。災害時に宗教施設が果たすべき「福祉避難所」的な役割などについて学んだ。

 災害時、寺院や教会などの宗教施設が避難所になる場合、どのような事前準備をし、実際に発生した時にはどう対応すればよいのか。特に自閉症などの発達障がい児者や外国人、性的マイノリティ、妊産婦、乳幼児、高齢者、病気療養者ら特別な配慮が必要な避難者を受け入れるにはどうすればよいのか。『てびき』は、こうした点に留意して編纂された。

 東日本大震災の避難所での発達障がい者と保護者らの苦労を知った女性部会が、東日本大震災や熊本地震の当事者と専門家らに取材するなどして、仏教NGOネットワーク刊『寺院備災ガイドブック』の姉妹版として制作。女性部会アドボカシー委員会責任者の黒住昭子・黒住教婦人会会長は、「本書を活用して、一見しただけでは分かりにくい(障がいを持った)方々の存在に気づいてもらい、支え合うという視点を持っていただければ」と要請した。

4WCRP女性部会「てびき」.JPG発刊された『てびき』 熊本地震で地域の私的避難所となり、教会に障がい者を受け入れた小泉基(もとい)・日本福音ルーテル健軍教会牧師(熊本市東区)が体験を報告。「教会に(特別な)備えはなかったが教団の横の繋がりから必ず支援が来る」「避難してきた教会員や(元気な)避難者自身も働き手になる」「食卓が共同体を形成し、相互扶助を促進する」ことを挙げた。

 続いて、避難所運営の模擬演習を実施。停電・断水・ガス遮断などの状況下、寺院が避難所になったという想定で、様々な事情を抱えた住民を受け入れるにはどうすればよいのか、4グループに分かれて話し合った。

 『てびき』の購入希望は事務局(電話03―3384―2337)まで。

2018/4/26
日蓮宗次期管長に菅野日彰氏(大本山池上本門寺貫首) 5月9日就任奉告式

日蓮宗管長表.jpg 日蓮宗の内野日総管長(総本山身延山久遠寺法主)の管長任期の満了に伴い、第54代管長に大本山池上本門寺(東京都大田区)の菅野日彰貫首(80)を推戴することが11日、管長推戴委員会で決まった。5月9日に宗務院で就任奉告式が執り行われる。任期は4年。

 18日の全国宗務所長会議で中川法政宗務総長は、内野管長から「管長職は現任期までとし、今後は身延山の山務に専念したい」との意向を受けたことを報告。宗憲で任期満了の2週間前までに次期管長を推戴する規定があり、11日に同委員会が開催された。16日に菅野貫首が就任の意志を伝え、次期管長に決定した。

 就任奉告式前日の5月8日に菅野貫首の大僧正叙任式典が宗務院で執り行われる。身延山祖廟への参拝は就任奉告式後の同10日の予定。

 菅野貫首は、昭和12年北海道生まれ。立正大学仏教学部宗学科卒。昭和43年初行成満。昭和48年に宗立谷中学寮寮監に就任。平成14年に久遠寺布教部長に就任するまで同学寮寮監を務め、教育・人材育成に尽力した。浄延院(東京都台東区)住職、本山海長寺(静岡市清水区)住職を歴任し、平成27年に大本山池上本門寺に晋山。同29年には、東京都仏教連合会会長に就任した。

 布教師として一般への布教教化の他、唱題行の指導やその指導者の育成でも知られ、本門寺貫首就任後も一般に向けて毎月「法話と唱題行の会」を開催するなどして教化活動に取り組む。著書に『法華経・永遠のおしえ―全28章解説と唱題行』(大法輪閣)などがある。

2018/4/26
真宗教団連合、50周年に向け共同宣言 「われら」の共感から共生へ

 浄土真宗10派でつくる真宗教団連合は18日、「誰一人取り残されることなく、共に生きることのできる世界を目指す」などとする共同宣言を発表した。2020年に迎える結成50周年に向け連合としての意志を改めて示したもので、各派間の連携強化や他団体との協力関係構築にも力を入れるとしている。(続きは紙面でご覧ください)

2018/4/26
真如苑が都心に文化スペース「半蔵門ミュージアム」 運慶作「大日如来」を公開

2<真如苑>ミュージアムの様子.JPG地下1階のミュージアム。中央奥に大日如来坐像が置かれている 真如苑(伊藤真聰苑主)が東京都千代田区にある友心院の一部に建設中だった「半蔵門ミュージアム」が完成し4月19日から一般公開が始まった。運慶作とされる重要文化財の大日如来坐像はじめ両界曼荼羅、醍醐寺伝来の不動明王坐像などの密教関連美術のほかガンダーラの石仏などを展示。18日には関係者を招いての内覧会とレセプションが行われた。

 内覧会の記者会見で水野敬三郎館長(東京芸大名誉教授)は学生時代に運慶作品に魅せられて日本美術史研究に入ったと回想しながら、「東京で唯一、運慶作品に常時接することが出来る場所として、多くの人たちに鑑賞していただきたい」と抱負を語った。

 学芸員の岡野寛徳氏は施設と展示品を紹介しつつ、「他の美術館と比べて決して広くはない。小規模ながら開かれた施設となればと思っている」と語った。真如苑社会交流部の平島進史氏は所蔵する美術品は特に収集したものではないと言い、「多くはさまざまな縁を通して所蔵することになった作品。そのため美術的価値の高い作品が多いわけではないが、宗派・ジャンルを超えた作品群がある。仏教美術の寛容性、多様性を感じていただければ有り難い」と意図を説明した。

 真如苑は2008年3月、ニューヨークのオークションに出されていた運慶作とされる大日如来坐像を競り落とした。美術関係者からは「海外に流出しなくてよかった」と評価する声も上がった。

 その大日如来坐像が常設展示される半蔵門ミュージアムは、地下1階・地上3階。地下1階がミュージアムで「ガンダーラの仏教美術」と「祈りの世界」が常設展示となる。スペースの奧に本尊のように大日如来坐像が安置されている。期間限定の特集展示は現在、「神護寺経と密教の美術」を行っている。

 1階は受付と小ギャラリー、2階はラウンジとマルチルームがあり、マルチルームでは運慶仏写真とエックス線パネルを展示中。3階はシアターおよびホールを配置。開館時間は午前10時から午後5時30分。毎週月曜と火曜が休館。入館料無料。場所は半蔵門駅4番出口すぐ。