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2017/8/10
比叡山宗教サミット30周年「平和の祈りの集い」 核廃絶と脱原発鮮明に

サミット①.JPG隣同士と青少年が手をつないで平和の交歓。平和への願いが超宗派で次世代に伝えられた 比叡山宗教サミット30周年を記念して8月3・4の両日、京都市内と滋賀県大津市の天台宗総本山比叡山延暦寺で「世界宗教者平和の祈りの集い」が開催された。参加者の意見を集約した「比叡山メッセージ2017」では、30年前の宣言を再提示しつつ、「宗教者の連帯の絆をいっそう強め、『忘己利他』の精神で平和のために献身することを誓う」と表明した。サミットには18カ国24人の海外招請者をはじめ、3日の開会式典やシンポジウムには2000人、4日の比叡山上での祈りの式典には1300人が参集した。主催は日本宗教代表者会議。

 8月4日の比叡山上の特設ステージ。中央には30周年をモチーフにした3つの輪と平和を象徴するオリーブの木、そして前日の鎮魂の祈りに出席した宗教指導者が平和へのメッセージを書き込み自ら折った折鶴を収めたオーブ(球体)が安置された。

 国内外の宗教指導者が名前を呼ばれるとひまわりを手に進み、子どもたちに手渡してから登壇。ひまわりは後に輪となってオーブの下に荘厳された。宗教指導者の最後に日本宗教代表者会議名誉議長の森川宏映天台座主がゆっくりと歩を進めてステージに上った。

 午後3時30分。山上にある平和の鐘が撞かれ、その音色を合図に静かに平和の祈りが捧げられた。

 引き続き、主催者を代表して森川座主(日本宗教代表者会議名誉議長)が挨拶。節目となった今回の集いに「感無量」と吐露。一方で最近の自国優先主義や東アジア地域の核の脅威を憂慮の念を示しながら、「世界を覆いつつある排除と孤立ではなく、相互理解と連帯こそが、人類に平和と繁栄をもたらすものであることを世界に示したい」「信仰を持つもの同士の連携と信頼がより深くなり、固い絆で結ばれ、そのことが人類の未来と平和の実現につながることを心から念じてやまない」と世界の宗教者の団結と行動を訴えた。

 子ども代表2人によるメッセージも発表され、一人は「世界の人々と仲良く暮らそう」、もう一人は「尊いいのちを大切にしよう」と呼びかけた。天台青少年が会場に分け入って参加者と一緒に手をつなぎ平和の交歓が行われ、結んだ手を高々と天に突きだし、平和への願いを表現した。

「比叡山メッセージ2017」を同会議名誉顧問の庭野日鑛立正佼成会会長が発表。1986年10月のイタリア・アッシジでの「世界平和祈願の日」、1987年8月の比叡山宗教サミットの歴史を振り返りつつ、テロや環境問題といった今日の課題に言及。また核兵器の廃絶のみならず、原子力発電所事故の経験から「将来世代にきわめて大きな負荷を及ぼす原子力の利用の限界を深く自覚しなければならない。我々は核廃棄物を残す核エネルギーの利用に未来がないことを強く訴える」と踏み込み、脱原発の姿勢を鮮明にした。(記事全文、ならびに関連記事・特集は紙面でご覧ください)

2017/8/10
仏教伝道協会「一日一訓カレンダー」採用作写真展 平等院で27日まで

④BDK平等院写真展.JPGカレンダーの言葉を書いた鈴木氏の書道パフォーマンス。巨大用紙に「怨親平等」と書きつけた 仏教伝道協会が刊行する「一日一訓カレンダー」の2018年版に採用された作品の写真展が4日、京都府宇治市の平等院ミュージアム鳳翔館で始まった。写真を募集する「第3回フォトコンテスト」の入選作品32点を展示している。27日まで。平等院の拝観料のみ。

 一日一訓カレンダーは、『仏教聖典』(同協会刊)をはじめ経典や各宗祖の著作、ことわざなどから選んだ31の言葉と写真を組み合わせた日めくりカレンダー。1986年から発行している。写真の募集を始めてから3回目の今回は、472人から1172枚の応募があった。

 会場では仏教の言葉と写真をパネルで展示。「とらわれないとは 握りしめないこと」の言葉に添えられたのは、掌のように見える赤い花の上で休む小さなアマガエルの写真。「何時でも自由に飛び出すことができる感じ」と評価され採用された。審査員長の写真家石黒健治氏によると、「イメージが大切。あまり図解とならない写真を選ぶよう気をつける」という。

 初日の4日、カレンダーの言葉を書いた書家の鈴木猛利氏(33)が書道パフォーマンスを披露。縦10㍍横1・6㍍の巨大用紙に、「怨親平等」と力強く書きつけた。「これまで体験したことを書くようにしてきたが、経験を超えて多くの言葉に出会えた。戒めとしていきたい」と鈴木氏。印象に残ったカレンダーの言葉は「散る桜 残る桜も 散る桜」。

 採用作品の写真展は築地本願寺(東京・中央区)でも開催している。関西では初めて行った。平等院の神居文彰住職は、同協会の仏教を伝える事業に賛意を示した上で、「この企画を聞き、どうしても平等院で開きたいと思った」と強調。同協会の生田忠士常務理事は「人生の道しるべとなるメッセージが多い。心を見つめ直す機縁になれば」と話した。

 同協会は2019年用のカレンダーに掲載する写真を募集している。採用者には賞金が贈られる。表紙1人に賞金10万円、入選者31人に5万円。締め切りは8月31日。詳細は同協会ホームページで確認できる。問い合わせは同協会(電話03―3455―5851)まで。

2017/8/10
みんれび「お坊さん便」Yahoo!にも出店

 インターネットによる僧侶手配サービス「お坊さん便」を展開し、仏教界に賛否両論を巻き起こしている葬祭関連企業株式会社「みんれび」(東京都品川区)。同社は3日、日本最大規模のインターネット通販サイト「Yahoo!ショッピング」に定額の格安葬儀プランから成る「シンプルなお葬式」を出店した。ウェブ上に各種葬儀プランの相談窓口を開設。「お坊さん便」の「法事法要チケット」を販売する。

「Yahoo!ショッピング」初の「葬儀サービス」の展開に合わせ、必要最小限・最安値の新プラン「シンプルな直葬」(税込13万3千円)の提供も開始した。

「葬儀に関連する役務サービスの出品については過去に例がありません。今回は将来的な葬儀サービスの販路拡大を見越して、 まずは相談窓口を設けます」(同社広報)。

 同社は平成27年12月、インターネット大手通販サイト「アマゾン」に「お坊さん便」を出品。全日本仏教会が「定額のお布施費用3万5千円で僧侶を手配するサービスが宗教行為である葬儀や法事を商品化している」と批判したことで、社会的に大きな注目を集めた。

2017/8/3
第34回庭野平和賞贈呈式 ムニブ・A・ユナン師 エルサレムに対話の場作る 庭野氏、「常不軽菩薩を想起」

 公益財団法人庭野平和財団主宰の第34回庭野平和賞を受賞したパレスチナのムニブ・A・ユナン師(66、ヨルダン及び聖地福音ルーテル教会監督)を迎えての贈呈式が7月27日、東京・六本木の国際文化会館で挙行された。財団の庭野日鑛名誉会長(立正佼成会会長)は「他者の中に神の顔を見る」というユナン師の姿勢に「常不軽菩薩を思い起こした」と讃えた。ユナン師は「賞を受けることは諸宗教間対話の取り組みから卒業することではありません」と湧かせながら、今後の継続を誓った。約160人が参席し受賞を祝福した。
1庭野.JPG庭野氏から賞状を受け取るユナン師
 選考結果を庭野平和賞委員会のノムフンド・ワラザ委員長(南アフリカ)が報告。聖地エルサレムでパレスチナ難民の家に生まれ、複雑な問題に直面している同地で「ユダヤ教、キリスト教、ムスリムの対話を促進することに献身してきた」と紹介し、「対話の持つ癒しの力」を信じ、宗教を異にする人たちが出会える場づくりに尽力していることを評価した。

 庭野名誉会長による表彰状授与でもエルサレムを中心とした地域での対話促進への取り組みを讃えた。同時に「諸宗教間対話・協力活動に携わる世界の人々への力強い励ましである」と各方面への波及にも言及して、ユナン師をねぎらった。賞状に続いて顕彰メダル、賞金目録(2千万円)が贈呈された。

 名誉会長挨拶で庭野氏は、歴代受賞者・団体にイスラエルとパレスチナの融和に取り組む個人や団体が今度で4回目であることから、「庭野平和賞委員会および当財団が、中東問題の解決に、深い関心を抱き続けていることが、おわかりいただけるのではないか」と説明した。

 さらに庭野会長はユナン師の言葉と態度から「すぐに法華経に説かれている常不軽菩薩を思い起こしました」と口にした。そして合掌礼拝をし続けた常不軽菩薩のあり方を解説しながら「『他者の中に神の顔を見る』という言葉は、こうした仏教の見方とも、根底で相通ずるものがあり、深く共感し、敬意を抱く次第である」と述べた。

 ルーテル派キリスト教徒であるユナン師は「宗教の今日的役割」と題して受賞記念講演。「他者の中に神の顔を見るとき、今度は他者が、私たちの中に神の顔を見てくださるのです」と真意を明かし、神の顔を見るのは一方的な関係ではなく、お互いが神を見いだすという双方向性があるとした。(続きは8月3日号紙面をご覧ください)

2017/8/3
伊達政宗生誕450年 人物像一変させる新史料 あきる野市・大悲願寺の古文書

 今年は奥州の覇者・伊達政宗の生誕450年。仙台市をはじめ宮城県内外で数々の記念行事が開催中だ。政宗というと「独眼竜」の猛将というイメージが強い。母親に寵愛された実弟を殺害するほどの冷徹な面があったとされる。ところが東京都あきる野市の古刹・真言宗豊山派大悲願寺に伝わる古文書には、そうした見方を覆す記述がある。政宗の人物像を一変させる新史料として注目される。
大悲願寺文書③.jpg政宗が当時の大悲願寺住職に白萩を所望した直筆の手紙(東京都文化財)
 実の母親による政宗毒殺未遂事件と、政宗自身による実弟小次郎の斬殺事件は、政宗の生涯で最もドラマチックに描かれる場面だ。

 ところが大悲願寺の古文書には、「(同寺の)第十五世住職秀雄僧正は幼名鶴若、政宗の末弟」との記述がある。政宗の弟は、斬殺されたはずの小次郎以外にはいない。そこで最近の研究では、「小次郎は生きていた」という説が有力になっている。

 加藤章雄住職は「伊達家の男子は政宗と小次郎しかいない。豊臣秀吉に中々臣従しようとしなかった政宗は、秀吉に殺されてしまうかもしれない。政宗は家の存続のために、弟を密かに生かしていたのではないか」と話す。政宗は母親とも生涯を通じて愛情のこもった手紙を交わしており、この二つの事件は見直しを迫られている。

 大悲願寺には、政宗が第十三世住職海誉僧正に同寺境内の白萩を所望した直筆の手紙「白萩文書」(都文化財)が現存。政宗はしばしば同寺を訪れており、その親密さがわかる。加藤住職は、「政宗は弟と会うために来ていた。弟思いの優しい武将だったのではないか」と推測。同寺に小次郎が匿われるまでには、徳川家康と増上寺が深く関係するという。もう一つの壮大な歴史ドラマが浮かび上がってきそうだ。

2017/8/3
京都・花園大学 次期総長に横田南嶺氏

 花園大学は7月26日に学園理事会を開催し、河野太通理事長の任期満了(11月30日)に伴う後任について、臨済宗円覚寺派の横田南嶺管長を選出した。任期は2年。

 横田氏は52歳。和歌山県出身、筑波大学卒業後円覚寺で出家し足立大進前管長の弟子となり、1999年に円覚寺僧堂師家。2010年より管長。著書に『祈りの延命十句観音経』など多数。

2017/7/27
日航機墜落事故三十三回忌法要 遺体安置した光徳寺で厳修 青年僧は「慰霊の園」と山頂でも

 1985年8月12日、乗客乗員524人中520人が死亡した日本航空ジャンボ機123便の御巣鷹山墜落事故から32年。群馬県藤岡市の曹洞宗光徳寺(竹市文光住職)で21日、三十三回清浄本然忌慰霊法要が営まれた。実施委員会代表で導師を務めたのは渡辺啓司群馬県宗務所長。渡辺・竹市両氏とも事故発生直後からボランティアや供養に奔走したこともあり、悲願の弔い上げとなった。遺族ら約150人が焼香した。青年僧たちは事故現場に移動し「慰霊の園」と山頂で読経供養した。1御巣鷹.JPG慰霊の園の合掌する碑の前に青年僧が集合

 法要では物故者全員の名前が読み上げられた。渡辺所長は追悼文で、事故現場の群馬県の寺院としてなんとしても供養したいという強い気持ちがあったことを述べ、「32年前の事故直後に登った御巣鷹山は、山肌がすべて削り取られ剥き出しの姿が、今も鮮明に脳裏に残っております」と回想。何度も慰霊登山をして読経供養を続けてきた自分たちの思いを青年僧にも受け継いでほしいと願った。

 来賓を代表して群馬県議会議長で曹洞宗僧侶の織田沢俊幸氏が「事故を次の世代に引き継ぎ、教訓を生かして安全な郷土の実現に取り組みたい」と挨拶した。

 事故で9歳の息子・健ちゃんを喪い、日本航空や政府に原因究明・悲惨さの伝承を要望し続けてきた美谷島邦子さんが講演。「どんなお菓子よりもママのマドレーヌが一番好き」と語っていた息子の声が今でも耳に残っていると吐露。健ちゃんの隣の席に座っていた女性はお寺の娘だったという。何らかの言葉のアドバイスよりも、無言で寄り添うことが悲嘆にくれる遺族の支えになると僧侶らに語りかけた。

 光徳寺は事故直後、遺体安置所になった。当時の住職・竹市文成氏は元県議だったこともあり、一報を聞いてすぐに寺に遺体を運ぶように手配。その後、境内には慰霊の地蔵が建立され、塀には犠牲者全員の名前が刻まれた。元高校教諭の竹市住職は「最近は子どもたちも事故のことを知らなくなってしまった。語り継いでいく必要性を痛感しています」と話した。(続きは7月27日号紙面をご覧ください)

2017/7/27
第51回仏教伝道文化賞に石牟礼道子氏 「苦海浄土」水俣病を仏教視点で 沼田奨励賞に釈徹宗氏 宗派超えて仏教伝え、福祉活動も 贈呈式は10月6日

 (公財)仏教伝道協会(木村清孝会長)は20日、第51回仏教伝道文化賞・沼田奨励賞の選定委員会を開き、仏教伝道文化賞に作家・詩人の石牟礼道子氏(90)、沼田奨励賞に釈徹宗氏(56)を選定したと発表した。IshimureMichiko.jpg石牟礼道子氏(藤原書店提供)

 仏教伝道文化賞は国内外を問わず、仏教関連の研究や論文、美術や音楽、仏教精神を基に活動する実践者など、幅広い分野で仏教精神と仏教文化の振興と発展に貢献した人物や団体を顕彰。また、今後の仏教伝道を通じた文化活動の振興が大いに期待できる人物や団体に沼田奨励賞が贈られる。BDK釈さん.jpg釈徹宗氏

 石牟礼氏は昭和2年生まれで、熊本県出身。1969年に水俣病患者の苦しみを描いた『苦海浄土―わが水俣病』を刊行し、文明の病である水俣病を仏教(浄土教)の視点で世界に問題提起し、その後も宗教性・芸術性の高い文学作品を遺したことが評価された。

 奨励賞の釈徹宗氏は浄土真宗本願寺派如来寺住職で相愛大学教授。宗派を超えた伝道布教活動、テレビ、ラジオを通じた仏教思想の普及に尽力。また福祉活動を行うNPO法人を運営するなど、多岐にわたる活動が讃えられた。

 贈呈式は10月6日に東京・芝の仏教伝道センタービルで執り行われる。

2017/7/27
高野山興正寺住職除名問題 宗派側が2銀行を提訴 納税円滑化のため

  罷免に続いて除名(僧籍剥奪)処分を受けた梅村正昭元住職側による「不法占拠」が続く名古屋市昭和区の高野山真言宗別格本山・八事山興正寺。登記上の代表役員である宗派の特任住職(添田隆昭宗務総長)側が年間約2億円の公租公課を納付しているが、元住職側の関係会社による(宗)興正寺の「銀行預金等差し押さえ」で総本山金剛峯寺からの借入金に頼らざるをえない状況にある。特任住職側は先頃、「納税の義務」を円滑に果たすため、「預金払い戻し」に応じない2銀行を名古屋地裁に提訴した。

 (宗)興正寺の口座は、三菱東京UFJ銀行と愛知銀行、三井住友銀行の地元各支店にある。今回提訴したのは、梅村元住職と裁判(地位確認訴訟)が続いていることを理由に払い戻し請求に応じない方針を示している三菱東京UFJ(3月現在の預金残高約400万円・年間約600万円入金見込み)と愛知(昨年11月現在の残高約2300万円・年間約2500万円入金見込み)の2銀行。

 訴外の三井住友銀行の2月現在の残高は約3400万円で年間4千万円の入金見込み。興正寺の寺有地で暮らす住民(約310世帯)の8割以上から特任住職側に支払われている借地料の大半は、新たに開設した別の銀行口座で管理されている。だが、たとえ3銀行全ての口座の払い戻しが再開され、新口座の預金と共に自由に引き出せるようになったとしても、元住職側による「不法占拠」が続く限り、特任住職側の苦しい台所事情は変わらない。特任住職側では今後、「納税の義務」を果たさずに除名後も「不法占拠」を続ける元住職側の実態を世論に訴えていく考えだ。(続きは7月27日号紙面をご覧ください)