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2017/12/14
回想2017 日本人口減と世界人口増の中で 納骨堂ブーム 寺院は継続できるか 核廃絶とSDGsに関心広がる

 天皇陛下が昨年「生前退位」のご意向を示され、このほど2019年4月30日をもって「平成」は幕を閉じ、翌5月1日から新天皇のもと新元号になると発表された。今後、マスメディアでは平成時代を回顧する企画や証言が登場してくるだろうし、仏教界・宗教界においても同様のことが起こるだろう。①DSCF9772.JPG8月に開かれた比叡山宗教サミット30周年の集いには、海外18カ国24人の公式招へい者など1300人が参集した

 平成末の今年は何があったのか。まずは震災犠牲者追悼の年であった。阪神淡路大震災23回忌(1月)、東日本大震災7回忌(3月)、熊本地震1周忌(4月)である。全日本仏教会が10月、福島県郡山市で追悼行事を営んだことは記憶に新しい。さらに7月の九州北部豪雨をはじめ台風被害など自然災害が相次ぎ、改めて日本が災害列島であることが実感された。
過疎と葬儀
 近年、仏教界において最大の関心事は過疎地寺院と僧侶派遣や合同墓の増加で変化する葬送事情であろう。両者は相互に関連し合っており、各教団でも研究や対応がなされてきている。とりわけ人口集中地(首都圏)で離郷檀信徒の葬送に関する情報を一元化しようとする取り組みは大谷派が先んじていたが、本願寺派東京別院(築地本願寺)、智山派が新たな試みを開始した。

 築地本願寺は11月、総数4万8千の納骨を可能とする合同墓を開設した。家族が縮小し、単身世帯が増加傾向にあるため、承継者を必要としないこうした埋葬は増えている。都市部では納骨堂チラシやポスターを到るところで目にすることができ、いわばブームである。にしても数万規模を擁するこの種の納骨堂や室内墓所はほとんど見られず、「首都圏の納骨文化を変える可能性がある」(葬儀業界の専門家)という声もある。というのは真宗には本山納骨の慣習があり、本来ならば京都の大谷本廟だが、それが首都圏で納骨が可能となるからだ。

 過疎地寺院については各教団の議会でしばしば提起されてきたが、日本社会全体の問題でもあり、高齢化もあってこれといった施策を打ち出しにくい。この夏、話題となった書籍に河合雅司著『未来の年表―人口減少日本でこれから起きること』(講談社)がある。その第1部に収録されている「人口減少カレンダー」は目を覆いたくなるような厳しい現実を突きつけている。

 西暦2039年には深刻な火葬場不足に陥ると予測。2030年に年間死者数は160万人を超え、2039年と2040年に168万人のピークを迎える。そのため首都圏では火葬場だけでなく霊園も不足すると指摘し、こう投げかけている。

 「故郷から都市部に改葬する人も増えてきているが、高齢者が集中する首都圏などでは今後、ますます霊園不足が予想される。一方、地方のお寺などでは、都会に流出した人たち向けに『永代供養』を引き受けるところも増えているが、お寺も少子化の例外ではない。跡取り不足に悩み、廃寺となるところも出てきている」

 合同墓や納骨堂は、これを運営する寺院(宗教法人)が永続するとの考えから成り立っている。しかし人口減少の中で寺院後継者が永久に続くことができるのか。この点は新たな課題となる。
核廃絶とSDGs
 比叡山宗教サミット30周年「平和の祈りの集い」が8月3・4両日、京都と比叡山で開かれた。そこで発表された比叡山メッセージに注目すべき点がいくつかある。まずは核兵器廃絶と脱原発の姿勢が明確に示されていることだ。先立つ7月7日、国連総会で核兵器禁止条約が122カ国の賛同を得て採択された。この前文にはヒバクシャ(被爆者)が明記された。にもかかわらず日本は賛同しなかった。

 この条約を推進するには障害は少なくないが、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)にノーベル平和賞が贈られたことは、それを後押しするものだ。受賞が決まったのを受けて、ICANと共同活動した経験のある世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会の杉谷義純理事長は本紙への寄稿で、経典にある「兵戈無用」は決して空理空論ではないと論述した。被爆者と宗教者の思いは共通している。

 比叡山メッセージではSDGs(持続可能な開発目標)にも言及。「この開発目標は取り組みの過程で『地球上の誰一人として取り残さない』というもので、まさに宗教者の立場と一致しており、これを強く支持したい」と明言。SDGsは貧困や教育、環境など大きく17の項目と169のターゲットからなる。

 10月に全日本仏教会財団創立60周年式典でも石上智康理事長がSDGsに対して仏教の果たす役割があると述べた。11月には築地本願寺でSDGsと仏教をテーマにしたシンポジウムが開催された。こうした分野に仏教界全体の関心が高いとはいえないが、食糧やエネルギーを外国に依存しているだけに世界に目を向けることは必要だ。

 SDGsの目標達成年は2030年である。確かに日本は人口減少のさなかにあるが、世界は人口増加にあり、同年には86億人と予測されている。仏教界・宗教界は脚下照顧と同時に国際的な視野も求められる。

2017/12/14
愛知学院理事・曹洞宗訴訟 〝国家の不当介入〟主張 双方とも控訴

 曹洞宗審事院による懲戒処分をめぐって学校法人愛知学院理事および元理事で宗議会議員3氏と宗教法人曹洞宗との訴訟は先月16日、東京地裁で判決が出され、主文で原告の主張を「却下」しつつも、判決文で宗門側の不法行為を認定した。この判決を不服として双方とも控訴した。曹洞宗は「宗教教団の中に踏み込む地裁判決はおかしい。危機的な意識を持っている」と主張している。

 曹洞宗顧問弁護士は判決に対するコメントを発表。主文第一項で「却下」としているのは「当方の主張が受け入れられた形」であり、「裁判内容の拘束力が発生する主文では懲戒処分無効確認について却下判決となっているため、依然として懲戒処分は有効」としている。

 地裁判決では3氏の宗議会議員の地位を認めた。この点について曹洞宗顧問弁護士は「主文第1項と同様に曹洞宗の宗教的自律性に介入するものであって、却下されるべきもの」と説明。そして「東京地裁判決は宗議会議員の地位という宗教団体の内部の問題に裁判所が介入し、曹洞宗審事院の懲戒処分の判断内容に国家が不当介入するものである等の多数の問題がある」と指摘した。

 一方、原告の理事側顧問弁護士は、主文の「却下」は、「宗教法人が当事者になる裁判の場合に、宗門内部の問題について裁判所が判断をしないという考え方があり、それに、そのまま従ったもの」と解説。「判決において明確に懲戒処分が違法・無効なものであることが認められている」と主張している。

 本紙の質問に曹洞宗は「この度の判決は、裁判所が、曹洞宗における宗議会議員の地位という宗教団体の内部の問題に触れ、曹洞宗審事院の懲戒処分の判断内容に国家が不当介入するものであると認識しております」と回答した。(紙面に解説記事)

2017/12/14
京都府仏教連合会 30周年記念大会開く 古都税紛争を経て発足 期待に添える修行を

   京都府仏教連合会(理事長=栗原正雄・臨済宗妙心寺派宗務総長)は4日、京都市右京区の臨済宗妙心寺派大本山妙心寺微妙殿で創立30周年記念大会を開いた。栗原理事長は「既成仏教教団や寺院、僧侶を取り巻く環境は大変厳しい。しかし、存在意義を問われる一方で、寺院や和尚に期待を寄せる人々もいる。そうした方に寄り添えるように、それぞれの立場でお釈迦様のみ教えを行じていきたい」と話した。

 記念式典では、石上智康・全日本仏教会理事長や門川大作・京都市長が祝辞。石上理事長は、国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)を紹介し、「SDGsに示されたような課題に取り組んでいくには、人間の止まらない欲望と根本的な愚かさからの解放を目指す仏教の役割は大きい」と重要性を語った。①京都府仏教連合会30周年.JPG30周年記念大会・住職永年勤続表彰で挨拶する栗原理事長

 門川市長も京都の今後の発展に宗教の必要性を強調。「千年を超える悠久の歴史を持つ京都の根底には宗教がある。ここまで京都が発展してきたのは宗教のおかげ」と寺院・僧侶の協力を求めた。

 京都府仏教連合会は、昭和60年(1985)前後の古都税紛争が発端になり、昭和62年に京都仏教会から距離を置いた日蓮宗系、法華宗系、浄土宗系、浄土真宗系、真言宗系、曹洞宗、臨済宗妙心寺派などの有志寺院が再結集し発足した。現在は知恩院、東西本願寺、智積院、妙心寺の各本山が持ち回りで理事長や事務局を担っている。

 吹田良忠事務総長は、これまでの経緯を振り返りながら、「時の流れは早いもので30周年を迎えた。花まつりパレードや仏教講演会、勤続表彰など様々な活動ができているのは、皆さんの深い理解とご協力の賜物」と御礼を述べた。

 当日は、住職永年勤続表彰や功労者表彰も執り行われた。同会に貢献した多賀仏教会や花まつりパレードに協力している龍谷大学吹奏楽部、新京極商店街振興組合、錦綾幼稚園などを表彰。勤続50年表彰を受けた浄土宗大本山金戒光明寺塔頭勢至院の豊原成彦住職(85)は「住職になった時は、人生50年と言われた時代。まさか自分が表彰されるとは思わなかった。まだまだやり残したことがあるので、がんばっていきたい」と話した。

2017/12/14
浄土宗開宗850年(2024年) シンボルマーク決定 法然上人の御影モチーフに

  一般公募していた浄土宗開宗850年のシンボルマークが決まり、京都市東山区の総本山知恩院で3日、最優秀賞に選ばれた神奈川県川崎市のデザイナー、梶塚盛利さんらの表彰式が行われた。symbolmark.jpg座して数珠を手にする法然上人の姿を緑一色のシルエットで表現

 キャッチコピー「お念佛からはじまる幸せ」を象徴するものとして、7~10月に募集。全国から393人が応募し、601点が寄せられた。11月に選考会が開かれ、土方了哉・浄土宗開宗850年準備事務局長など関係者や森本武・嵯峨美術大学長らが最優秀作のほかに優秀作3点、佳作10点を選んだ。

 合掌や手を合わせる姿のデザインが多かった中で、最優秀賞を受賞した梶塚さんの作品は、大胆に法然上人の御影をモチーフにした。座して数珠を手にする法然上人の胸から上部を緑色のシルエットで表現している。
「他宗との違いを明確にするには、850年にわたる法然上人の存在を強く表現することが最も分かりやすいと考えた」と梶塚さん。開宗の起源を多くの人に再認識してもらう機会にもなると説明した。

 表彰式では、伊藤唯眞浄土門主が祝辞を述べ、豊岡鐐尓宗務総長が表彰状を贈った。来年1月5日まで知恩院法然上人御堂、続いて6~31日まで和順会館で2回に分けて全作品を展示する。4月の御忌に合わせて大本山増上寺(東京都港区)でも一部披露し、その後、各大本山などを巡回する予定。

2017/12/7
立正大学熊谷キャンパス50周年 新学部の設立を宣言 3年後 スポーツと自然農法を柱に

 日蓮宗の宗門校である立正大学(齊藤昇学長)は11月26日、埼玉県の熊谷キャンパスの開設50周年記念式典を熊谷市内のホテルで開催し、政財界や教職員、卒業生ら約300人が参加した。新学部の設置など、より広範な人材教育・地域貢献を行うためのプラン「熊谷キャンパス宣言」を発表。2022年の大学設立150周年に向けて飛躍の将来像を描いた。rissyou①.JPG式典で「熊谷キャンパス宣言」を発表する齊藤学長

 「宣言」は、社会連携・協働型の実践的な新学部の20年4月開設を目指すとしているほか、中村孝生氏(モスクワオリンピック5千メートル日本代表)を監督に迎え箱根駅伝チームの創立(18年)、自然栽培研究センター(仮称)の設置(19年)などを挙げている。

 新学部は「公共政策学部(仮称)」で、地域政策とスポーツ政策の2学科を計画している。自然栽培研究センターは「ローマ法王に米を食べさせた男」として知られる日蓮宗僧侶の高野誠鮮氏と「奇跡のリンゴ」の農家・木村秋則氏がアンバサダー(大使)に就任した。

 「宣言」を実現するため、10カ年計画での熊谷キャンパスマスタープランも提示され、約10万坪の敷地を活かした新ライブラリー・ミュージアムの新設や自然栽培農法の取り組みのモデルとしての「立正ファーム」を開墾するなどが予定されている。工学院大学名誉教授の倉田直道氏が監修を務める。


 式典では小林順光日蓮宗宗務総長の祝辞を中井本秀伝道局長が代読。日蓮聖人の三大誓願に基づき、石橋湛山第16代学長が定めた真実・正義・和平の建学の精神をもって地域社会に根付いた学び舎として多くの人材を育ててきたことを祝した。熊谷市長の富岡清氏は19年に行われるラグビーワールドカップへの協力や産学官連携に感謝。新学部にも「心強く感じました」と期待を寄せた。

 式典後の記者会見では㈻立正大学学園の古河良晧理事長が地域人材育成について日蓮宗宗門とも今後連携を深めていきたいと語り、現在の宗門スローガン「いのちに合掌」とも関連して土中の虫など小さな命も大切にする自然農法の重要性を強調。進める中で全国の日蓮宗寺院や農家との協働も模索していく機会も増えると展望し、「実は私は自然農法をアジアの仏教国に広めたいという思いもある」とも語った。

 熊谷キャンパス(熊谷市万吉)は1967年に教養部を設置して開設。10万坪の敷地に現在は2学部が置かれており、昨年は社会福祉学部が20周年を迎え、来年は地球環境学部が20周年になる。

2017/12/7
日印文化交流ネット発会 WEB上で「心の交流」

 日本とインドの文化交流に関心を持つ人たちが情報を共有・発信する場となる「日印文化交流ネットワーク」の発会式が11月30日、東京都千代田区の学士会館で開催された。スジャン・R・チノイ駐日インド大使をはじめ、僧侶や研究者ら50人が参加。同ネットワークのホームページ(tsu
nagaru-india.com/つながるインディア!)もお披露目された。1つながるインディアHP.jpg同ネットワークのHP。会員がインド関連の情報を投稿できる

 経済・政治分野での活発な動きを見せる日印両国にあって、これまでの交流の主流にあった仏教関係を中心にした学術、文化、芸能、NGOなど各サークルがつながり、WEB上で情報を共有・発信するプラットフォームを目指して発足。世話人代表で駒澤大学名誉教授の奈良康明氏は療養中のためビデオメッセージを送り、約60年前にインドに留学した体験を述懐しながら「文化交流は心の交流」とその大切さを強調。代表幹事の山田一眞氏(八王子市・金剛院住職)はインドに関わる人たちが情報を共有・利用することで活動の活性化につながると意義を話した。

 来賓のチノイ駐日インド大使は「日印は伝統的に仏教という歴史的な絆で強化された温かで友好的な関係を享受してきた」と歴史を踏まえながら、「競争が激しくなっている世界において、お互いの心・知性・文化・伝統を理解せずにはいられません」と両国の文化交流を歓迎した。

 同会のホームページも紹介された。「イベント情報」「学ぶ・知る」「ギャラリー」「お知らせ」などのカテゴリーで構成。WEB上で自由に情報を交換できるプラットフォームで、会員(正会員・ネット会員)が情報を投稿できる。問い合わせはホームページの「お問い合わせ」フォームから。

2017/12/7
京都・宝蔵寺で十夜フェス 僧侶もロボットに代わる? 人との境界線考える

 僧侶と芸術系の学生が寺でアートイベントを催す「十夜フェス」が11月10~19日、京都市内の3カ寺で開かれた。中京区の浄土宗西山深草派宝蔵寺で17~19日、法衣をまとい輪袈裟をつけた「僧侶ロボット」と一緒に営む法要を見せ、急速に開発が進む人工知能(AI)との向き合い方を考える企画があった。十夜フェス 僧侶ロボット⑤.JPG煩悩を払う脳みそ型の装置をつなぐ機械の水冠をかぶった小島住職

 「ナゼワタシヲツクッタノデスカ?」

 「人とロボットの境界線なんて曖昧なものさ…」

 自我に目覚めたAI搭載ロボットとの奇妙な掛け合いの余韻が残る中、小島英裕住職(50)と住職の顔型をとってつくられたロボットに煩悩を払う装置がつなげられ、異物感際立つ法要が営まれた。

 企画したのは、昨年の十夜フェスで人とロボットの対立を演出した京都市立芸術大4年の中井友路さん(23)。今年は趣を変え、「ロボットに対抗するのでなく、自分なりの向き合い方を考えるきっかけにしてもらえれば」。

 法要を見た檀家男性(63)は、「ショッキングだった。枕経は住職にあげてほしい」。京都女子大の4年生(22)は、「便利かもしれないが、心に関わる領域は大切に残していきたい」と感想を口にした。

 僧侶ロボットが話すのを複雑な思いで聞いていたという小島住職は、「煩悩で誤作動を起こす心を整えるのが信仰。負けないよう伝えていきたい」と語った。

 浄土宗の十夜法要にちなんで始まった十夜フェスは今年で3年目。龍岸寺(下京区)と金剛寺(東山区)でもイベントが催された。

2017/11/23.30
緊迫する北朝鮮情勢 新宗連、千鳥ヶ淵で平和の集い 祈りと対話で危機回避願う

 緊迫する北朝鮮情勢を平和的に解決しようと新日本宗教団体連合会(新宗連)の主催で23日午後、東京・国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で「すべてのいのちを尊び平和を祈る集い」が開かれた。時間にして40分ほどだったが、首都圏を中心に15教団3800人が参集し、祈りと対話による危機回避を願った。①新宗連 千鳥ヶ淵11月.jpg北朝鮮情勢の危機回避を願って3800人が祈りを捧げた

 「世界に一つだけの花」の大合唱で始まった集い。主催者を代表して新宗連の保積秀胤理事長(大和教団教主)は北朝鮮が繰り返す核開発とミサイル発射実験が緊張を高めていると憂慮。武力衝突に到った場合には世界が深刻な影響をうけると述べ、「朝鮮半島における武力衝突と戦争への突入は、いかなる理由があろうとも回避されなければならない」と訴えた。

 来賓挨拶は、世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会の杉谷義純理事長(天台宗妙法院門跡門主)、河野太郎外務大臣(中根一幸副大臣代理出席)、加藤勝信厚生労働大臣兼拉致問題担当大臣3氏が行った。その中で杉谷理事長は仏典から「殺してはならぬ、殺さしめてはならぬ」と「兵戈無用」を紹介しつつ「戦争に勝利者はなく、いずれも敗者」だとし、「私たち一人ひとりの力は弱いかも知れないが、祈りと対話を通じて今日の危機を回避すべき、連帯の輪をさらに広く、広く、広げていこうではないか」と呼びかけた。②千鳥ヶ淵杉谷.JPG来賓の杉谷理事長の挨拶に聞き入る参加者たち

 新宗連の宮本惠司常務理事(妙智會教団法嗣)が「北朝鮮情勢を平和的に解決するため、国際社会においてあらゆる外交ルートを通して最善を尽くすよう求める」とする平和へのメッセージを朗読し、その文書を中根外務副大臣に託した。

 最後に参加者一同が「全てのいのちを尊ぶ世界」の実現に向けて、共に武力衝突を回避し平和的解決を祈念した。

 新宗連は毎年8月14日夕刻から千鳥ヶ淵墓苑で戦争犠牲者慰霊・平和祈願式典(8・14式典)を開催しているが、こうした形で千鳥ヶ淵墓苑で国際的な危機回避を祈る集いは、2003年2月のイラク危機以来、2度目となる。

2017/11/23.30
愛学・曹洞宗訴訟東京地裁判決 主文「却下」も不法行為認定 3氏懲戒処分「無効」

 学校法人愛知学院の理事と元理事で曹洞宗宗議会議員の3氏が、曹洞宗審事院から下された懲戒処分の無効や宗議会議員の地位確認などを求めた民事裁判の判決が16日、東京地裁であった。佐藤哲治裁判長は、主文で懲戒処分無効確認請求については訴えを「却下」したものの、判決文で懲戒処分は「無効」とし、曹洞宗側の不法行為を認定した。

 訴えていたのは愛知学院元理事の龍谷顕孝氏、理事の山路純正氏と千葉省三氏。3氏は平成27年12月、審事院からそれぞれ謹慎6カ月(執行猶予1年)、分限停止11カ月、分限停止1年の懲戒処分を受けていた。確定すれば宗議会議員の資格を失うが、3氏は東京地裁に地位確認の仮処分申立書を申請し、これが認められ平成28年2月議会に出席できた。

 曹洞宗側の処分理由は、責任役員が推薦した愛知学院理事は任期内(4年)であっても内局が交代したら学院理事も交代すべきであり、また「正規の手続き」のないまま愛知学院理事などの任期を2年から4年に延長したというもの。これに対して3氏は曹洞宗を相手取り昨年3月1日、提訴していた。(続きは紙面をご覧ください)