2019/12/5
立正大学学園 150周年プロジェクト発足 熊谷にデータサイエンス学部新設

発足イベントで学園開校150周年をアピールした。右から吉川学長、西野氏、望月理事長 立正大学学園(望月兼雄理事長)は11月26日、東京都品川区の同大石橋湛山記念講堂で2022年に迎える学園開校150周年に向けたプロジェクト発足のキックオフイベントを行った。150周年プロジェクトとして、同大にデータサイエンス学部を新設することや建設中の新校舎内に立正ミュージアムを作る構想などが明かされた。

 望月理事長は「今日まで私たちは唯一無二の歴史と伝統を積み重ねてきた」と日蓮宗の宗門校として発展してきた学園の歩みを説明。150周年プロジェクトのスローガン「アクティブ&カラフル」を紹介する中で「立正らしさをそのままに、私たちはよりアクティブな、よりカラフルでより革新的な学園へと進化していきたい」と語った。

 150周年プロジェクトの一環として、熊谷キャンパスにデータサイエンス学部を新設することを発表。新学部について吉川洋学長は「車の登場が人間社会を変えたが、21世紀になってデータが我々の社会を変えつつある。データを解析し、そのデータを使ってどのような価値を創造するか。新学部はバリュー・クリエーションとしてスポーツ、観光、社会、ビジネスという分野の特色を持つ学部となる」と話した。

 150周年プロジェクトでは、この他にも企業や地域と連携し、150周年の先へとつながる2023年まで、150以上のイベントや事業を企画中だ。大学駅伝への参入、熊谷キャンパスの再整備事業、学生のグローバルな交流を促進する「グローバルラウンジ」や「SDGsワークショップ」、地域・企業と連携した社会活動などが計画されている。

 さらに、品川キャンパスに建設中の新校舎「150周年記念館」には、礼拝室を兼ねる小ホールや元学長の石橋湛山の書斎復元、東京駅駅舎などで知られる辰野金吾設計の校舎模型等を配した「立正ミュージアム」などの施設を備える構想もある。

 当日は、吉川学長と文学者の高橋源一郎氏との対談やタレントの西野亮廣氏の講演も行われた。

 立正大は、安土桃山時代の天正8年に開創された日蓮宗の教育機関である飯高檀林を淵源とする。明治5年(1872)に檀林を廃止し、開校の起点となる小教院を設立。大正13年の大学令により、立正大学設立を経て近代的な教育機関として歩み始め、2022年に150周年を迎える。

2019/12/5
立正佼成会 新理事長に國富敬二氏 川端健之前理事長は顧問に


國富新理事長 立正佼成会(東京都杉並区、庭野日鑛会長)は1日、新教団人事を発表。3期6年にわたり理事長を務めた川端健之氏が退任し、理事で杉並教会長の國富敬二(くにとみ・けいじ)氏が新理事長に就任した。川端氏は教団顧問に就いた。新理事の11人も発表された。

 國富新理事長は1953年生まれ。66歳。東京大学卒業後、76年に立正佼成会に入職。庭野平和財団、教務部教務課などを経て、豊橋教会長、サンフランシスコ教会長を務めた。97年から青年本部長、03年から時務部長などを歴任し11年に東京教区長(杉並教会長)に就任。

 また世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の非武装・和解委員会委員、評議員、理事、MDGs(ミレニアム開発目標)タスクフォース責任者を務め、15年1月から日本委員会事務局長を兼務している。今夏の第10回WCRPリンダウ大会に出席した。

 新理事も新たに委嘱された。常務理事は中村憲一郎氏(京都教会長就任)から佐藤益弘氏(前西日本教区長)に代わった。理事任期は1期2年。新理事11人は以下の通り(敬称略)。

 國富敬二(理事長)佐藤益弘(常務理事)東靖憲(西日本教区長)熊野隆規(教務部長)近藤雅則(東日本教区長)齋木淑江(関東教区長)澤田晃成(総務部長)千葉和男(東京教区長)中村記子(習学部長)秀島康郎(中部教区長)和田惠久巳(総務部副部長)

2019/12/5

小石川・傳通院に新築の鐘楼堂が落慶 聖冏上人600年御遠忌奉修

 
境内に新たに建立された鐘楼堂で、撞き初めをする麻生貫主 東京・小石川の浄土宗傳通院(麻生諦善貫主)で11月16日、同院開山で浄土宗の五重相伝の基礎をつくった了誉聖冏(しょうげい)上人六百年御遠忌特別事業として鐘楼堂落慶式・撞初式、十夜法要が営まれた。傳通院に隣接する淑徳SC(サクセスフルキャリア)学園の教職員や生徒も参加した「時代まつり」の行列も行われ、終日賑わいを見せた。

 時代まつりでは聖冏上人像を青年僧が担ぎ、傳通院に縁の深い家康の生母・於大、二代将軍秀忠の長女・千姫、三代家光の正室・孝子に扮した淑徳SCの教職員や生徒の行列が参道を練り歩いた。

 その後、境内に新築された鐘楼堂の落慶式と撞初式を厳修。祝辞では文京区長の成澤廣修氏が、傳通院前に生まれた文豪永井荷風の随筆「傳通院」にある「パリにはノートルダムがある、浅草には観音堂がある、そして小石川には傳通院がある」という文章を紹介し、「小石川の傳通院の鐘が、地域になくてはならない鐘楼として全ての人に愛されること」を祈念した。

 麻生貫主が新しい鐘楼堂に上り、初めて鐘を撞いて小石川の地にその音を響かせた。麻生貫主は同院が空襲で伽藍を焼失し、天保10年(1839)に作られた梵鐘だけが残り、「地元の有志の方が戦後復興ということで鐘楼堂を建てて下さった。昭和41年(1966)だったと記憶している」と回想。その後、50年の歳月で老朽化したことから、聖冏上人六百年御遠忌事業として鐘楼堂の新築建立を発願。「わずかな期日でしたが六百遠忌に、そして令和の初めての除夜の鐘に間に合う。感無量です」と感謝した。

 午後3時からの「十夜法要」には八木季生・大本山増上寺法主が参列。特別に、鎌倉・大本山光明寺の柴田哲彦法主を導師に、光明寺式師会が出仕し、同寺に伝わる古式に則った引声阿弥陀経・引声念仏によって営まれた。変化に富んだ迫力のある念仏と、光明寺独特の行道で阿弥陀仏への帰依と讃嘆が披露された。

2019/11/28 
浄土宗 新総長に川中光教氏 人口減社会の支援策充実へ


就任後に記者会見した川中氏 任期満了に伴う浄土宗の宗務総長選が19日、京都市東山区の宗務庁で行われ、宗務役員の川中光教議員(69)=奈良県葛城市・當麻寺奥院住職=が、加藤昌康議員(63)=東京都世田谷区・森巖寺住職=との一騎打ちを制した。同日付で新宗務総長に就任した川中氏は、人口減社会での支援策充実を掲げ、「何事も懸命に取り組み、これからの浄土宗を引っ張っていきたい」と決意を述べた。任期は4年間。

 総長選は、宗議会議員の改選に伴い開かれた第122次臨時宗議会で行われた。選挙に先立ち、豊岡鐐尓宗務総長が辞職届を提出した。

 被選挙権があるのは浄土宗の全教師。宗議会議員15人の推薦で立候補できる。議員らのグループ「一浄会」が擁立した川中氏は、九州や中部などの議員から広く票を集めて46票を獲得。「宗政研究会」を支持母体とする加藤氏は23票となった。投票は議員の定数70人で行われ、有効票は69票だった。

 川中氏は演説で、人口減で直面する寺院の課題を挙げた上で、「法然上人の教えを伝えていくために、お寺がなくなっては困る」と力説。小規模寺院支援制度の充実や、廃寺を防ぐための兼務住職制度の改定などを公約に掲げ、「苦難の時代だからこそ必要とされる浄土宗をつくっていきたい」と語った。

 加藤氏は、豊岡内局の方向性を継承する意思を示した上で、教師資格を働きながら取得できたり、障がい者や外国人なども取得できる方法を検討するとしたほか、地方と都市部の人材交流、年間2億円以上の地方寺院再生基金の設置などを打ち出し、「浄土宗の明るい未来を築いていきたい」と訴えた。

 伊藤唯眞浄土門主から辞令を受けた後、宗務庁で記者会見を開いた川中新総長は、宗務機構改革などを進めた豊岡前総長の路線を引き継ぐ考えを示し、「最大の目標は浄土宗の寺院、僧侶でよかったと言ってもらえるようにすること」と強調。2024年に迎える開宗850年に向けて、「総大本山と連携し、法然上人の教えが末端まで伝わるよう努力したい」と述べた。

 大本山清浄華院(京都市上京区)の法主不在が続いている問題については、「できるだけ速やかに進めたい」とした一方で、「多少ハードルがある」との認識を示した。

 川中氏は大正大大学院修士課程修了。上宮高(大阪市天王寺区)などで講師を務めた。1999年に宗議会議員初当選。6期目。2006~09年に稲岡康純内局で財務局長と総長公室長を歴任。15年に豊岡内局に入り財務局長や教学局長を務めた。

2019/11/28
フランシスコ教皇来日 諸宗教代表者も共に祈る


特製オープンカーから手を振るフランシスコ教皇(東京ドーム) ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(82)が23日から26日まで来日した。24日には被爆地の長崎と広島で核兵器廃絶を訴え、25日には都内で東日本大震災被災者との集いに続いて東京ドームでの5万人ミサに臨んだ。広島平和記念公園で行われた平和のための集いには、キリスト教以外の日本の宗教界からは森川宏映天台座主をはじめ11人が参席し、教皇と共に祈りを捧げた。東京ドームミサにも100人を超える諸宗教代表が出席した。

 長崎爆心地公園でフランシスコ教皇は核兵器に関するメッセージを発表。 「ここは、核兵器が人道的にも環境にも悲劇的な結末をもたらすことの証人である町です」とナガサキを位置づけ、世界の政治指導者に向けて「核兵器は、今日の国際的また国家の安全保障への脅威に関して私たちを守ってくれるものではない、そう心に刻んで下さい」と呼びかけた。

 広島でフランシスコ教皇は「戦争のために原子力を使用することは、現代において犯罪以外の何ものでもありません」「原子力の戦争目的の使用は、倫理に反します。核兵器の所有は、それ自体が倫理に反しています」と強く訴えた。

 世界的な武器の増大にも警告を発し、「軍備拡張競争は、貴重な資源の無駄遣いです。本来それは人々の全人的発展と自然環境の保全につかわれるべき」(長崎)、「真の平和とは、非武装の平和以外にありえない」(広島)などと述べた。
 
広島の集い11人
 広島の集いに参列した日本宗教者は次の通り。 ▽森川宏映(天台座主)▽江川辰三(全日本仏教会会長・曹洞宗大本山總持寺貫首)▽大谷光淳(浄土真宗本願寺派門主)▽田中恆清(神社本庁総長)▽吉村正徳(神習教管長)▽鈴木穎一(大本本部長)▽黒住宗道(黒住教教主)▽庭野日鑛(立正佼成会会長)▽岡田光央(新日本宗教団体連合会理事長・崇教真光教え主)▽宮本惠司(妙智會教団法嗣)▽渡部公彦(広島県宗教連盟理事長・廣瀬神社宮司)

2019/11/28
日本仏教保育協会90周年を祝う。 仏の子育成 次の100年へ

90周年式典で幼児教育の重要性と日仏保の役割について話した八木名誉会長。右は高山理事長 (公社)日本仏教保育協会(八木季生名誉会長/髙山久照理事長)は18日、東京プリンスホテルで創立90周年式典を開催した。全国各地の加盟園や仏教保育振興国会議員懇話会の議員ら180人が参集。創立当初の願いを確認すると共に、「生命尊重の保育」を理念に90年の歴史を積み上げてきた先人たちに感謝し、次の100年に向けた思いを新たにした。

 昭和4(1929)年に天皇即位の御大典の記念事業として「仏教保育協会」が発足し、超宗派の全国組織として生命尊重の保育を実践するため、仏教系幼稚園・保育園の仏教保育者の養成等に尽力してきた同協会。式典冒頭では仏教福祉や日仏保の歴史を研究する佐藤成道氏(淑徳大学アジア国際社会福祉研究所/曹洞宗常仙寺副住職)が、設立当初の時代背景や、「子どもたちのために」という協会に込めた先人たちの願いを紐解いた。

 今年卒寿を迎えた八木名誉会長は垂辞で、日仏保は「私の一生と同じ」と述べたうえで、戦争の時代と戦後復興を経て、「人間の一生を考えるうえで幼児教育の重要性が見直されるようになった」と説示。「現在、日本は平和と豊かさに恵まれていますが、幼児教育を受けた方々が第一線で活躍していることが大きな力となっている」とし、人間形成の土台を築く幼児教育への尽力を念じた。(続きは紙面でご覧下さい)

2019/11/21
中央学術研釈尊伝研究会 釈尊成道後の年齢と歩み特定 原始仏典28年間の研究成果

 
釈尊伝研究会チームの5人が登壇し、代表の森氏が28年間の成果を報告した 原始仏典に基づいた釈尊伝の研究を続けてきた立正佼成会・中央学術研究所の釈尊伝研究会は16日、東京・杉並の立正佼成会セレニティーホールで多年にわたる研究の成果を発表する完成報告会を開いた。主に釈尊の成道から入滅までの45年間の歩みを年代順に追った編年体で記述。釈尊の行動と同時に教団(サンガ)形成史も明らかにされており、「仏伝」「釈尊伝」では初めてとされる。

 研究代表の森章司氏(東洋大学名誉教授)は、28年の研究に区切りをつけられたことに安堵しつつも、「釈尊伝を書かなければと決意した」と表明。また原始仏典を通じて「お釈迦さまは、非常に人間的な方です。隣のおじさんという感じです」と話し、笑いを誘った。研究者を中心に120人が最新研究に聞き入った。(続きは紙面でご覧ください)

2019/11/21
全日仏 次期会長に大谷光淳門主 新しい役割に期待

 

大谷次期会長 (公財)全日本仏教会(全日仏、釜田隆文理事長)は14日、京都市下京区のしんらん交流館で第26回理事会を開き、次(第34期)の会長に浄土真宗本願寺派の大谷光淳門主(42)を選出した。任期は来年4月1日から2年間。父である大谷光真前門主も門主就任の翌年(昭和53年)に最年少となる33歳で全日仏会長に就任しており、父子2代の「若い会長」の誕生となった。

 全日仏の戸松義晴事務総長(浄土宗)は、「元号が令和に変わり、新しい時代を迎えた。全日仏でも将来を担う若い会長に就任していただき、仏教界の新しい役割を発揮していただきたい」と期待感を示した。

 全日仏会長職は、加盟宗派上位10宗派の座主・門主・管長などが2年交代で就任。大谷光淳門主の祖父にあたる大谷光照門主も第2期・5期・9期と3度会長を務めており、3世代にわたる会長となった。


 副会長には瀨川大秀・真言宗御室派管長、原井日鳳・法華宗本門流管長、西山明彦・律宗管長、清水谷善圭・島根県仏教会会長、東伏見具子・(公社)全日本仏教婦人連盟会長が内定した。

 東伏見氏は4人目の女性副会長で歴代女性副会長も全仏婦から就任。地域仏教会枠で選出された清水谷氏は、来年10月2・3日開催の全日本仏教徒会議島根大会の受け入れを担う。なお、現在の第33期役員は決算が承認された後に任期満了となり、来年6月に新理事長が決まる予定。慣例に従えば理事長は浄土宗、事務総長は真宗大谷派から選ばれる。(続きは紙面をご覧下さい)

大谷門主「持続可能な社会へ」
 大谷門主は同日付で以下の就任コメントを発表した。
   
 現代社会は、武力紛争、経済格差、気候変動など、人類の生存に関わる困難な課題が山積しています。全日本仏教会は、財団創立60周年を迎え、国連のSDGs(持続可能な開発目標)に掲げられている国際的な重要課題についても、取り組みを進めております。

 私ども仏教徒・全日本仏教会のなすべき役割は重く、今ほど、仏智に教え導かれて生きることの大切さが求められている時代はありません。

 国の内外、あらゆる人々に「仏陀の和の精神」を広く発信し、すべての人々が心豊かに生きることのできる持続可能な社会の実現に向けて、その使命を果たしてまいりたく存じます。

2019/11/21

中近世芸術の法華精神を発信 一社「日本文化芸術の礎」設立 京都市内の日蓮宗八本山を中心に

  
分林道治氏が演じた「菊慈童」 中近世の芸術作品と法華信仰の精神を発信しようと、京都市内の日蓮宗八本山が中心となって一般社団法人「日本文化芸術の礎」(東京都中央区)が設立され、京都市上京区の京都ブライトンホテルで11日、記念シンポジウムが開かれた。関係者ら約150人が参加し、芸術を生み出す背景にある信仰の力に思いを巡らせた。

 法人設立に当たり、「八本山顕彰会」を設置。会長に就いた風間隨修氏(京都市上京区・妙栄寺住職)は、日本の美の礎を築いた芸術家たちの精神性に関してこれまで注目されたことは少ないとし、「作品の背景にある法華信仰を、京都八本山から再発信したい」と抱負を述べた。

 鎌倉期の僧・日像上人の布教で地盤が築かれた京都で室町期以降、町衆から信仰を集めた日蓮宗。狩野元信や永徳、本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳ら有力町衆も八本山の檀家だった。

 シンポジウムで登壇した栗原啓允・八本山顕彰会副会長(富山県高岡市・大法寺住職)は「こうした絵師ら以外にも西陣織師や呉服商、能楽師、囲碁・将棋家元など今日に伝わる伝統文化を築いた町衆が法華信徒だった」と解説。「さらに、夫婦や家族だけでなく、奉公人までも法華信仰であるべきとする『一家一門皆法華』の掟を守っていた」と話した。

 東京大名誉教授の河野元昭・静嘉堂文庫美術館長は、「日蓮宗との関連を抜きに近世絵画を語るのは難しい」と指摘。法華信徒の絵師らが優れた作品を生み出した理由について、「日蓮聖人の現実対決姿勢や革命的性格が、芸術家の自由を担保したのでは」と語った。

 中川法政宗務総長は「作品を創り上げるエネルギーだけでなく、作品こそが法華経の世界だと信じている。作品を通してその世界を感じてもらえる布教の場が与えられたと期待している」と力を込めた。さらに、「宗派として八本山の顕彰事業をともに進めていきたい」とした。

 法人代表理事に就任した永井幸三郎・永井織物代表が挨拶し、「当時、美術工芸に携わった町衆が創作の源泉とした八本山の宗教的、文化的価値をまずは国内外に発信する事業を行いたい」と述べた。法人では、旅行社と連携して八本山の巡拝などを計画。また、八本山が所蔵する宝物の展覧会も企画している。

 法人名誉顧問に就いた谷垣禎一元財務相や、門川大作京都市長からビデオメッセージが寄せられた。観世流能楽師の分林道治氏が法華経の登場する演目「菊慈童」を披露した。

2019/11/14
タイ・プーケットでインド洋津波犠牲者15周年法要 全日仏主催、日蓮宗出仕

津波犠牲者のための慰霊碑を前に営まれた慰霊法要 2004年12月に起きたスマトラ島沖地震で発生したインド洋津波の犠牲者を悼む「インド洋津波犠牲者15周年法要慰霊祭式典」が5日、タイ・プーケット県カマラビーチの慰霊碑で営まれた。財団法人全日本仏教会(全日仏)を代表して中川法政・日蓮宗宗務総長をはじめとする日蓮宗僧侶が出仕し、遺族や地元プーケット在住者など約150人が集い犠牲者の冥福を祈った。

 式典は、津波の経験を語り継ぐこと目的に国連が制定した「世界津波の日」に合わせて行われ、日本から訪れた遺族の他、WFB世界仏教徒連盟のパロップ・タイアリー事務総長や全日仏の戸松義晴事務総長、在タイ国日本大使館代表者、地元プーケット県カトゥー郡知事らが参列。穏やかな海の波音が聴こえる中、黙祷や献花・焼香が行われた。

 導師を務めた中川総長は追悼文で「昔より今にいたるまで家族の別れ、友と別れ、いずれもつらきこと、この上なきものなり。うちそうものは涙なり。ともなうものは嘆きなり。月は雲に入りてまだ出でぬ。雲は消えてもまた沸きいずる。人の命ばかり、出でて還らざる」と遺族の癒えぬ悲しみに心を寄せ、冥福を祈った。

 2004年のスマトラ島沖地震では、マグニチュード9・1を記録し、インド洋で津波が発生。津波はアジアからアフリカなどにも到達し、22万人以上が犠牲になったとされる。タイでは5千人以上が津波に流され、日本人も28人が死亡、1人が行方不明になった。

 翌年、タイ国政府が全日仏に慰霊団の派遣を要請。当時の会長であった藤井日光・日蓮宗管長の名代として、日蓮宗総本山身延山久遠寺の井上日修総務(当時)が導師を務めるためプーケットを訪れ、法要が営まれた。以後、日蓮宗は慰霊碑の建立など現地での慰霊活動に関わり出仕してきたが、遺族の高齢化のため、大規模な慰霊祭は今年で最後になるという。(続きは紙面でご覧ください)

2019/11/14

台風19号被害 鹿沼市・常楽寺 こぶし大以上の土石が大量流入 復旧まで道険しく

土砂が流入し、墓石が埋まってしまった常楽寺。重機を使い、土石の撤去作業が続けられている 各地に大きな被害をもたらした10月の台風19号から1カ月。本堂や墓地への土石流入などで甚大な被害を受けた栃木県鹿沼市の真言宗豊山派常楽寺(中野宣文住職)では復旧作業が現在も続いている。

 豪雨のため本堂の裏山から水と土石が境内に流れ込み、本堂内にはサッシを突き破り土石や水が浸入、録事堂が周囲を土砂が囲った。墓地へも土石が大量に流入し、墓石の上部10数センチまで覆った。

 台風の翌日には関係業者がお寺を訪れ復旧作業をスタート。その後も、豊山派の栃木1号・2号仏青や多くのボランティアが駆け付け土石の撤去、2つのお堂の100畳分の畳の搬出、仏具の清掃などが行われた。

 本堂の床下にも大量の土石が入り、これらの搬出がすべて終わったのは今月に入ってから。「元通りの姿に戻るには半年はかかる。来年の梅雨の時期までには、水がでないように境内の環境づくりをしないといけない」と中野住職。

 復旧への道は険しい。一方で親しい業者が支援に駆け付け、友人からは重機を借り受け、青年僧らが支援に駆け付けたことに、「人的なパワーもそうだが、なによりも(支援しようという)気持ちが有り難い。言葉では言い尽くせない」と感謝を口にした。

 10月31日には栃木1・2号の仏教青年会、豊山太鼓「千響」のメンバーや神奈川・茨城の青年僧や石材店から約25人がボランティアに訪れた。重機を使った作業も行われ、中野住職自らもハンドルを握った。その後も復旧作業は続けられているが、「墓地の土石撤去は1/3程度」(中野住職)。ボランティアに参加した栃木2号仏教青年会の三方優輝副会長は「ここまで大変な状態とは思わなかった。重機がないと作業が進まない」と被害の大きさを話した。11月20日午前9時からも重機を使ったボランティア活動を行うことから、協力も呼びかけている。

佐野市でも浸水被害
 栃木県佐野市でも4件の床下浸水、境内浸水が発生した。安養院では本堂床下や墓地に泥が流入し、宝光寺では境内が浸水し藁などの流入物が堆積した。栃木2号の仏青が泥かきなどの支援に入った。三方副会長は「佐野市は災害が少ないと言われてきたが、意識が変わった。青年僧と復旧作業をしながら、災害が増えるなかで将来の寺院維持・管理への危機意識も高まっている」と話した。

2019/11/14

樹木葬のアンカレッジが「LGBTの墓地ガイドライン」作成

 
 樹木葬・永代供養墓などを提供する㈱アンカレッジ(東京都港区/伊藤照男社長)は、LGBTカップルが一緒のお墓に入れるようにするための「LGBTカップルと墓地管理者のためのガイドライン」を作成した。

 現在、厚生労働省が作成した「墓地使用に関する標準契約約款」(平成12年)に準拠した規定を有する墓地管理者が多く、墓所に埋葬できるのは「使用者の親族及び縁故者」と規定されている。当時はLGBTカップルが想定外だったと考えられることから、今ガイドラインでは「使用者の親族及び縁故者又は当該使用者を祭祀主宰者とした者」と修正。LGBTカップル当事者の2人が「祭祀主宰者の指定」文書を作成し、寺院などの墓地管理者が当該文書を保管しておくことで、LGBTカップルの親族の意思よりも、カップル当事者の意思を受け入れやすくする。

 10月23日には都内の緑泉寺でガイドラインの勉強会とドキュメンタリー映画の上映会が行われた。伊藤社長は男性として生きながら女性の戒名を望む人の事例などを紹介し、お墓や葬儀の場面で「死のロールモデルがない」と当事者の声を代弁。LGBTカップルの埋葬トラブルとして、血族者がお骨を取り返しに来るケースが考えられるが、「故人の遺志と遺された親族の間でお寺が板挟みになるが、私たちの価値発信は当事者である故人の遺志を尊重してほしいというもの。そうでなければ差別はなくならない」と提起。「お寺は当事者たちの苦悩に寄り添ってほしい。ガイドラインは自由に使ってもらいたい」と呼びかけた。ガイドラインは同社HP(anchorage.co.jp)でも公開している。

 29日午後7時からは京都市下京区の龍岸寺でも説明会と映画の上映を行う。