2018/12/13
2018年回想 自我、宗我で未来の展望欠いていないか

全日本仏教青年会ではSDGsについてのシンポも開かれた(11月10日撮影)自然災害と温暖化
 明治維新から150年、平成30年という節目を迎えたこの一年はどんな出来事があったのか。記憶に残っているのは相次いだ自然災害であろう。4月の島根県西部地震、6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、9月の台風21号の列島縦断、同じく北海道胆振東部地震。これらにより寺院も多くの被害を受けた。その上今夏の猛暑は異常だった。気象庁によると今年7月23日には埼玉県熊谷市で観測史上最高となる41・1度を記録した。

 地震などの自然災害は予測しがたいが、地球温暖化は温室効果ガスが原因とみられている。3年前に締結されたパリ協定では、世界の気温上昇を産業革命以前と比べて2度以下を目標としている。2度を超えると異常気象によってさまざまな事態が起きるとされている。また1・5度以下にしなければ小さな海洋島諸国は水没してしまうため、こうした国々は1・5度以下を訴えている。

 『温暖化地獄』の著者である山本良一東京大学名誉教授(工学博士)は、本紙のインタビューに次のように答えた。「温暖化は人類が排出している毎日1億トン近いCO2(二酸化炭素)が主原因。目標を達成するには仏教的な分析が有効です。四諦の教えです。つまり原因を分析し、原因を取り除くこと。原因は、CO2を含む温室効果ガスの大量放出なのですから、これを取り除かないといけない」(9月20日)

 山本氏はかねてから倫理面からのアプローチを主張してきた。そこには期待と嘆きが交錯している。「この20年をみると、日本は変化を嫌う民族性というか、大きなチャンスに挑戦する力が、他の国や民族に比べて非常に弱い。目先のことばかりで、長期的に物事を考えられない。一番残念なのは倫理の力が弱いこと。例えばドイツは、倫理面からも論理面からも自然エネルギーにシフトした。日本人は、30年40年後の孫の代の地球がどうなるのかと深く考えていないのでは、と思わざるを得ない」(同)

10月、本願寺派僧侶らによる電力会社「TERA Energy(テラ・エナジー)」の設立が発表された。再生可能エネルギーを中心としており今後が期待される。複数の宗教法人が実行しているソーラー発電量をまとめた「宗教太陽光発電所」サイト(http://rse-greenenergy.org/)もある。原発や化石燃料によらないエネルギーの創成は、寺院も可能になったわけである。

無関心でいいのか
 ここ10数年来、東日本大震災があったとはいえ、少子高齢社会、無縁社会、過疎化、葬儀・戒名問題、僧侶派遣、質の向上といった僧侶や寺院経営に直面するさまざまな諸課題が一気に噴出してきた。その背景に各教団とも将来を展望する視点を欠いていることが示唆される。

 12月に入って、水道民営化法が成立した。公共性の強い水道事業に対する懸念の声は根強い。「20世紀は石油紛争の時代だったが、21世紀は水紛争の時代になる」(1995年、当時の世銀副総裁の発言)との言葉を聞いた人は多いはず。枯渇する水資源をめぐる争いかと思われたが、そればかりではない。ジャーナリストの堤未果氏は著書『日本が売られる』(幻冬舎)の中で「公営から企業運営になった途端、水は『値札のついた商品』になる」とし、水が投資の対象となると指摘。事業者は、利用者ではなく株主優先で考えるようになるという。

 水道ばかりではなく、あらゆる分野で民営化が進行していると同書で報告し、「(日本は)貧困大国アメリカの後を追い、『今だけ金だけ自分だけ』の社会を突き進むのか。/無関心でいる時間はない」と警告する。

 民営化は仏教界とも無関係ではない。すなわち葬儀の民営化である。かつて地域社会で担われていた葬儀は、専門業者(葬儀社や石材店)があるとはいえ限定的であった。それが寺檀関係が希薄化し崩れたことによって、巨大流通業者が参入したり、僧侶派遣会社がいくつも設立されたり、お墓や納骨堂の宣伝があったり、お布施を含む葬儀費用がネットで明示されたりと商業主義的な現象が起きている。
 
 そうした流れの中でお寺や教団は寺我や宗我を根っ子とした「今だけ金だけ自分だけ」の世界に陥っていないか。

SDGsへの支援
 11月、横浜の大本山總持寺でWFB世界仏教徒会議日本大会の世界平和祈願法要と記念シンポジウムが開かれた。そこで発表された宣言の中に「私たちは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の実現を支援します」とある。SDGsの達成年は2030年である。

 WFB大会後の会見でWFB副会長は青年僧の活躍を讃えた。日本への仏教伝来は西暦538年(552年説あり)だが、20年後の2038年は仏教伝来1500年を迎える。現在の若者や青年僧が社会の中心となる時代である。各教団はこの時期を想定して中長期ビジョンを展望してみてはどうだろうか。

2018/12/13
お寺の掲示板大賞決まる 「お前も死ぬぞ 釈尊」インパクト強く

 境内にあるありがたい教えが説かれたお寺の掲示板を顕彰する「輝け!お寺の掲示板大賞2018」(仏教伝道協会主催)の受賞作品が5日、同協会のホームページで発表された。仏教伝道協会大賞には、岐阜県願蓮寺の「お前も死ぬぞ 釈尊」が選ばれた。仏教タイムス賞など全10点が入賞した。

 応募総数約600作品の中から大賞に選ばれた願蓮寺「お前も死ぬぞ 釈尊」を投稿した「中田絢子@10com_nj」さんは「生も死も同等にあること、特別なことではなく当たり前の感覚として、自分に染み込ませたいです」とのコメントを添えている。講評では、この作品によって同賞が世間に認知されたと言っても過言ではないと述べ、「この言葉(真実)の持つインパクトはネット社会のみならず多くの人々に影響を与えました。文句なしの受賞」と評した。

 願蓮寺の石神真住職は「ありがたいことです。掲示していた時期は観光シーズンでもあり、多くの方に見ていただいたようです」と喜びを語った。受賞した言葉は真宗大谷派岐阜教区教化委員会発行誌の言葉。「実は十数年以上も前のもの。あまりに強烈な言葉で当時は物議を呼んだのではないかと思う。近年、法事や天災が続き、他人事ではなく自分もいずれはそうなのだと、心に響いた言葉でした」と話した。(続きは紙面でご覧ください)

「輝け!お寺の掲示板大賞」を主催する公益財団法人仏教伝道協会のHPはこちら

2018/12/13
都宗連シンポ 首都防災×宗教施設 平常時の地域れ連携が課題

首都防災と宗教法人について議論 東京都宗教連盟(都宗連)は7日、東京都港区の東京都神社庁でシンポジウム「首都防災×宗教施設」を開催。今夏に実施した都下の宗教施設を対象にした「平常時・災害時の受入体制調査」の結果を報告した。行政組織と協定締結のある施設は4.3%だったが、44%が防災対策に協力する意向があると回答。受入体制づくりに向け、行政や地域社会との連携強化が課題となった。

 都宗連は昨年9月に小池百合子都知事と面会し、災害時の協力体制構築のため東京都総合防災部と「防災対策連絡会」を組織。東京都の課題である帰宅困難者問題等の対策に取り組んでいる。また、東京五輪を前に急増する訪日観光客の対応や受入体制も課題に挙げて調査を実施した。調査に協力した大阪大学の稲場圭信教授と㈱JTB総合研究所の河野まゆ子氏(観光危機管理研究室主席研究員)が調査結果を説明。調査票は都宗連に加盟する東京都仏教連合会(東仏)など6団体が個々の施設に送付して回収。配布数は4068で回答数は1331施設(東仏は672)、回収率32.7%(同26.5%)。

 耐震建築物を有する宗教施設は34.6%。井戸を有する宗教施設は20.5%。現在、行政組織と防災に関する協定締結をしているのは4・3%と僅かだったが、協力の意向があると回答したのは44%(東仏は52%)で高い率を示した。

 稲場教授は「協力・連携を加速化させていく仕組みづくりが大切だ」と今後の課題を指摘。河野氏は避難所提供が難しいと考える理由にマンパワーの問題があがったことを紹介したうえで、「地域住民との連携で、どうやって場所を活用できるかを考えることで課題解決につながっていく」と提起した。(続きは紙面でご覧ください)

2018/12/13
大正大学 成道会で5宗派が力を結集

学生の護摩や太鼓が盛り上げた法要。後方は解体中の礼拝堂 大正大学(東京都豊島区西巣鴨)では5日、成道会を厳修した。主催は仏教学部の学生を中心とする成道会実行委員会。テーマを「ハーモニー 祈りの輪」とし、宗派を超えた祈りのエネルギーを発揮した。

 巣鴨の真言宗豊山派眞性寺からお練り行列が出発。フレッシュな若者たちの凛々しい姿に巣おばあちゃんたちも思わず手を合わせた。大学ではまずさざえ堂の前で回向し、続いて大塚伸夫学長を導師に法要を厳修。護摩祈禱の熱気と、念仏・錫杖・声明・太鼓の響きで広場を包んだ。例年は礼拝堂(8号館)の前で行っている法要だが、9月から新築に向けた解体工事を行っているため、3号館の前で行われた。

 大塚学長は「皆様の無病息災など、4年生には特に就職祈願をさせていただきました。設置5宗派(真言宗豊山派・智山派・浄土宗・天台宗・時宗)がこのように力を合わせて法要を行ったことを、学長として誇りに思っています。いよいよ皆さんの修行が完成して卒業していくときには一人前の僧侶です」と学生たちの頑張りをねぎらった。礼拝堂工事の無事も祈願したとし、上野東京国立博物館に遷座・寄託中の本尊阿弥陀如来はそちらで拝観してほしいと呼びかけた。

 学生たちは近隣の店に協力してもらい、釈尊成道のきっかけとなった乳粥と、冬の風物詩大根炊きを無料で提供。学生だけでなく地域の人々も「あったまるねえ」と味わっていた。

 学生は3号館内で「仏教漫画の紹介」「法具展示」なども企画。また人権週間を受け、設置宗派による「人権啓発パネル展」も開かれた。ハンセン病患者・回復者に対する偏見や差別を行ってきた社会の負の歴史や、仏教界の功罪を展示。日本だけでなく植民地時代の韓国・台湾で虐げられた元患者たちの写真に、学生たちも思わず息をのんだ。

2018/12/6
秋篠宮さま「大嘗祭」発言 2人の識者からコメント

 秋篠宮さまが誕生日(11月30日)を前にした記者会見で表明された、天皇の代替わりに伴う大嘗祭への国費支出を巡る発言の波紋が広がっている。

 大嘗祭について「宗教色の強いもの」と述べ、「国費で賄うことが適当かどうか」と憲法の規定する政教分離を意識した内容となっている。「内廷会計」を用いるべきとの見解も示している。

 この発言について2人の識者からコメントをいただいた。

憲法守り天皇制維持―国家と宗教の関係に詳しい中野毅氏(創価大学名誉教授)
 御発言の趣旨は、第一は、大嘗祭は明らかに神道式儀礼であり、それを公費でまかなうのは憲法第20条の「国のいかなる宗教活動も禁止する」政教分離原則に違背する恐れがあるいうこと、第二は、使用後に解体される大嘗宮の造営など経費が高額であり、内廷費でまかなえる簡素なものでよいということでした。

 第一はまさにその通りであり、第二は、国民が災害などで困窮している最中に一時的な儀式に数十億円もかけるのは「国民と共に歩む」戦後の皇室として相応しくないということ、また内廷費でということは、神道を尊ばれるのは「天皇家」の「信教の自由」の問題であるとの明快な認識がおありなことを示されています。現行憲法を守り、その下での天皇制を維持しようという意志のあらわれです。

 平成28年8月に「生前退位」の希望を表明された今上天皇のお言葉は、第二の「人間宣言」とも言えるものであり、天皇も高齢になれば退位すると神格化を再び否定し、かつ国民に寄り添い、共に歩むことで戦後天皇の「象徴」の意味を追求してきたと語られました。今上天皇の御意思が、秋篠宮ひいては皇太子にも継承されていることが感じられます。

公的祭祀化を危惧―天皇制や国家神道に詳しい中島三千男氏(神奈川大学元学長)
 大嘗祭(だいじょうさい)は内廷費で身の丈にあったものとして行うべきである、という発言そのものはすごくまっとうな発言である。しかし、天皇と異なる皇族の発言、あるいは皇室行事に関わる発言とはいえ、天皇の国政関与を禁ずる憲法上の規定からみれば問題なしとは言えない。実は「代替わり」儀式の宗教的行事に公費(宮廷費)を使うというのは今は大嘗祭だけが問題になっているが、実は「平成の代替わり」時に宮中三殿に関連する儀式など全ての神事にも適用されたし、また今回も適用されようとしている。

 今日、日常の宮中祭祀は天皇の私的行為として内廷費によって賄われているが、こうした「代替わり」儀式を通じて、それらの公的祭祀化が進むのではないかと危惧している。憲法の政教分離原則や国民主権原理は「即位の儀式」であるからといってその制約を免れるものではない。秋篠宮の発言は微妙な問題を孕んでいるが、皇族がこのような発言をせざるを得ない状況を作り出している私たち国民の責任を痛感している。

2018/12/6
「東本願寺派」結成30周年、浅草で記念祝賀会

 法統護持のため真宗大谷派から離れて結成した「浄土真宗東本願寺派」30周年を記念して11月28日、東京・浅草のホテルで祝賀会が催された。全国から約300人が参席した。

 東本願寺第26世の大谷光見法主は先代の大谷光紹法主(1925~99)の事績に言及し「大谷派の間違った考え方、法統を無視するやり方に対して断固、正しき法統を守るということで、浅草の東本願寺(当時は浅草本願寺)を離脱させて、そのもとに結集し始まったのが30年前」と回想。それからの歩みにも触れながら、「法統を永遠に伝えていく上でこの30年は一里塚」だが、この一里塚が100年、200年への基礎になると示した。

 さらに20代や30代のみならず、すべての世代に「まだまだ老け込むことなく、もう一歩進んでいかなければならない。大谷派なにするものぞ!東本願寺は一つである! それぐらいの気持ちでやっていかなければならない!」と力強く訴えた。

 東本願寺執務長の立花記久丸氏は、法主の叱咤激励に触発されながら、「将来に向けて私も頑張りたいが、難しいところがある」と述べて会場を沸かせた。また「昭和63年2月29日の先代ご法主の大きな呼びかけに、三百数十カ寺の方々が法統を護持し未来に向けて新たに歩んでいこうという使命に応えられた。山あり谷あり、いろいろなことがあった。蓮如上人500回御遠忌、親鸞聖人750回御遠忌、皆さま方の血の滲むような全力投球の結果、実を結んだ」と感謝した。

 乾杯後の祝宴では、東本願寺独派結成時の様子を担当弁護士がスピーチしたほか、全国的にも有名になった牛久大仏の建立エピソードが施工業者から紹介された。

2018/12/6
佛教文化学会シンポ 今後どうなる子弟教育

 佛教文化学会(塩入法道理事長)は11月24日、東京都豊島区の大正大学で学術大会を開催した。公開シンポ「僧侶養成の歴史と展望」では、パネリストの柴田泰山氏(浄土宗僧侶)から「このままでは寺院の減少以上に僧侶が減っていく」といった極めて重大な危機感も発せられるなど、大学における子弟教育の意義が論じられた。

 コーディネーターの三浦周氏(大正大学非常勤講師)は近代仏教研究ではよく言われる「近代仏教は寺院から離れていく」という論が本当か、果たしてそれでいいのかという疑問点が企画のきっかけだったとし、僧侶養成を任務とする大正大学でそれを考える意義を強調した。

 田園調布学園大学専任講師の江島尚俊氏(浄土宗僧侶)は大学で僧侶養成が行われるようになった歴史を詳述。大学令発布後の1922年に龍谷・大谷の両大学ができて以後96年であるとし、「大学の僧侶養成」は当然のものではないとした。

 続いて、智山勧学院院長・大正大学元教授の元山公寿氏は真言宗智山派の僧侶養成ルートを説明。「寺院が“家庭”になっている現状を考えますと、衣の着方も分からない人が入学してくる」とし、かなりの詰め込み教育で僧侶育成が図られている実態を報告。「教学的にも実践的にもかなり不十分な形でお坊さんの資格を得ているとは言えると思います」とし、「大正大学を出ても、この人がお坊さんになっていいのだろうか…という学生を多数見ている」と率直に漏らす一面もあった。

 大正大学は「教学に堪能な教師を養成する」と位置付けられているとも指摘。「実践と教義を学び、それを社会に還元できる僧侶の養成」が求められているが、現実には乖離があるともした。

 立正大学教授の安中尚史氏は日蓮宗における僧侶養成の歴史を解説。注目すべき点として、日蓮宗では女性が荒行に入れないことを除き男女の区別がほとんどないとした。一方で教師資格を得るための信行道場の修了者は平成16年には172人だったのが近年は半分近く減少していると悩みどころを語った。

 大正大学非常勤講師の柴田泰山氏は大学における僧侶教育は「現場で使える僧侶をどれだけ養成するか」というキャリア教育であると指摘。その上で「なぜ教団内ではなく大学で養成しなければならないのか」「学生たちは宗学の内容を理解できているのか」など20の問題点を列挙。大学教育と宗派での教育をパラレルにする必要があるとしつつ、「信仰だけではお寺の運営はできません。寺院経営・運営や、現代社会と仏教と寺院の関係を大学で教えられるのか?」と提起し、仏教だけでなくあらゆる宗教大学と連携して「宗学」を研究し、子弟の育成を考えることの必要性を語った。

 仏教からの発表を受け上智大学名誉教授の山岡三治氏はカトリック司祭の養成について上智大学神学部の事例を紹介。超宗教による「なぜ大学で宗教者を養成するのか」の問い直しは今後も進められる。

2018/11/29

熊本県仏教会が全日本仏教会に加盟 10月に発足、震災を契機に団結

5宗派・2団体が加盟した熊本県仏の発足式 熊本地震をきっかけに、県内の5宗派と2団体が加盟する熊本県仏教会が10月に発足し、公益財団法人全日本仏教会(全日仏、釜田隆文理事長)への加盟が26日、京都市内で開かれた理事会で承認された。全日仏への新規加盟団体は約15年ぶり。11月末に熊本県仏にさらに2宗派が加盟する予定だ。

 平成28年(2016)4月に発生した熊本地震の支援活動をめぐり、宗派を超えた連携を求める声が地元僧侶たちから上がり、県仏設立に向け浄土真宗本願寺派が中心となって準備会を設置。約2年の調整を経て、今年10月9日に発足した。震災をきっかけに団結した極めてまれな県仏が誕生した。

 加盟宗派は天台宗、高野山真言宗、本願寺派、真宗大谷派、日蓮宗、荒尾市仏教会、熊本市仏教連合会の5宗派と2団体。寺院数で見ると、県内約1100カ寺の7割近い約740カ寺となる。浄土宗と曹洞宗の2宗派(計約200カ寺)も加盟する予定で、11月末に開く代表委員会で承認される見通し。

 会則には相互交流や仏教文化向上のほかに、「熊本地震の追悼」が盛り込まれ、設立に至った強い意思が表れる。初代会長に就いた本願寺派熊本教区教務所(熊本市中央区)の晨(はやし)利信所長は、「とてもつらい出来事だったが、この経験を生かし教団同士が連携できる体制が整った。全国から届けられる支援の窓口にもなれる」と語った。

 加盟申請を受けた全日仏は理事会で、全会一致で承認した。全日仏に新規加盟する団体は、2004年1月の長崎県仏教連合会以来で、約15年ぶりとなる。これにより全日仏加盟は59宗派、37都道府県仏教会(京都の2団体を含む)、10団体の106団体となった。
加盟団体などから全日仏に寄せられた熊本地震の救援金残高は10月時点で3100万3789円。熊本県仏の発足で、これまで送付先が定まらなかった寄付金の受け入れ先が固まった形となった。

 戸松義晴・全日仏事務総長は「他宗派との連携で、寺院を支える地域社会にも一層貢献できる存在となってほしい」と期待を込めた。

 全日仏が加盟団体と共催する全日本仏教徒会議は昨年福島県で開催されたが、次の第45回大会は2020年に島根県で開かれる。通例の隔年開催であれば、第46回大会は2022年の可能性が高く、この年は熊本地震から七回忌にあたる。開催地候補に挙がるか注目される。

 なお、全日仏に未加盟の県は以下の通り。

 宮城、秋田、山形、富山、三重、奈良、広島、山口、佐賀、大分、鹿児島(全11県)。

2018/11/29
ダライ・ラマ法王「心の科学を学び伝えよ!」 福岡市・東長寺で法要と法話

力強く仏教を説く法王(福岡市博多区・東長寺) チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ法王14世を招き、熊本地震・九州北部豪雨・西日本豪雨・北海道地震などの大災害で亡くなった人々の供養と被災地の復興、チベット問題の即時解決と世界の安寧を祈る日本・チベットの合同法要「平安・平和への祈りin福岡―21世紀を生きるための知恵の教え」が22日、福岡市博多区の真言宗東長寺で営まれた。法王は法話で、「日本の方々が自然災害の苦しみの中にあると聞き、心を痛めてきた。今日このような状況下で共に般若心経を唱えることができた。必ずや祈りは届く」と説いた。

 法王は、「苦しみが生じる」原因は三毒(貪・瞋・癡の煩悩)による「不徳の行い」にあると指摘。般若心経の「空」の思想を説き、「(同経を唱えれば)苦しみから脱するご利益がある」と強調した。(続きは紙面をご覧ください)