2022年

7月

2022/7/21 高野山金剛峯寺 次期座主に長谷部氏 山外から20年ぶり就任


長谷部氏 高野山真言宗総本山金剛峯寺(和歌山県高野町)の葛西光義座主(同宗管長)が11月14日に任期満了を迎えるのを受け、4日に発令されていた次期座主推戴の候補者確定公示が12日に行われた。

 宗規が定める正住職10人からの推薦を受け、推薦責任者から宗務所に届出があったのは、第2次添田内局(前内局)の総務部長で、兵庫県美方郡香美町(但馬宗務支所)・大乘寺住職の長谷部真道氏(83)のみ。候補者確定公示をもって、座主就任が事実上決定した。

 座主候補者が一人だったため、金剛峯寺座主推戴委員(宗会議員37人・宗務支所長53人・宗務支所座主推戴人25人・高野山塔頭寺院座主推戴人13人の計128人で構成)による投票は行わず、8月4日に開かれる座主推戴管理会で正式に第415世座主への就任が決まる。任期は11月15日から4年間。

 平成18年(2006)11月以降、松長有慶座主、中西啓寶座主、葛西座主と高野山内から推戴。山外からの座主就任は、同14年の資延敏雄座主(北海道旭川市・金峰寺)以来。

【長谷部氏略歴】昭和13年(1938)12月生まれ。学習院大学法学部を卒業後、高野山専修学院で行位を成満。さらに臨済宗祥福寺僧堂で山田無文老師の鉗(けん)鎚(つい)を受け、昭和42年、円山応挙と一門の作品が多く伝来することから「応挙寺」とも称される大乘寺の住職に就任。平成19年から宗会議員(1期)。平成29年に総本山金剛峯寺執行・総務部長兼内事長に就任。平成最後となった31年の東寺・後七日御修法で供僧(咒頭)を務めた。

2022/7/21 東京・北海道で核燃サイクル事業にNO 宗教者核燃裁判第4回公判 震災体験住職が陳述


聖アンデレ教会で行われた核燃裁判の報告集会。意見陳述した梅森氏(中央右)と原告団代表の中嶌哲演氏(中央左) 原子力行政の根幹にある核燃サイクル事業の廃止を求め、原子力行政を問い直す宗教者の会のメンバーをはじめとする原告団による、六ケ所村の再処理工場(日本原燃㈱)運転差止を求める「宗教者核燃裁判」の第4回公判が7日、東京地裁(霞が関)で開かれた。9日には「核ごみの地層処分に反対する宗教者の会」が札幌市内で学習会も開催。原発再稼働の声が政財界から上がっているが、将来世代の環境を脅かす核燃サイクル事業の問題が改めて指摘された。

 第4回公判では、原告側の北村賢二郎弁護士が再処理工場における日本原燃が想定する地震動評価の不合理を追及。再処理工場の基準値震動を設定するために想定された数値(震源から93キロの距離で地震動236ガル)を実際の観測記録と比較。太平洋沖地震で328キロ離れた地点でも239ガルを記録し、200キロ圏内で同基準を下回る地点がないことをあげ、苛酷事故を防ぐために必要な耐震性への重大な疑義を呈した。

 意見陳述では日蓮宗法運寺(仙台市)の梅森寛誠氏が、地元の女川原発において、東日本大震災で道路が寸断され避難が絶望的だったとし、「住民は閉じ込められると実感した」と回想。拠り所とする『法華経』から「増上慢」の言葉を引き、「驕りをもって核に手を染めるものの、後始末の方法を知らぬ愚かな体たらく。永く将来世代まで保証されるべき『命をつなぐ権利』を今後も脅かし続けるのか」と戒め、「将来の環境と世代に甚大な災いを招く」として再処理工場の速やかな廃止を訴えた。(続きは紙面でご覧ください)

北海道核ごみ反対宗教者の会 無毒化に10万から100万年

核ごみ問題について話した小出氏(右)と村上氏 北海道寿都町・神恵内村で核ごみ地層処分のための文献調査を受けて開催された9日の学習会では、元京都大学原子炉実験所の小出裕章氏と元茨城県東海村村長の村上達也氏が講演した。オンラインも含めて170人が参加した。

 1年間に広島原爆千発分の死の灰をつくる原発。小出氏は「いつか放射能を無毒化できると期待してきたができていない。埋め捨てしても(無毒化には)10万年から100万年かかる。人間、会社、国家の長さからみても途方もない時間。世界一の地震国で安全を保障できる所はない」と問題を整理し、「電気が足りなければ原発は仕方ないという方向に誘導されている。でも核ごみを作ることは悪いことです」と強調した。「電気を使う大都会が何の責任も取らず、小さな町や村に核のごみを押し付けようとしている。宗教者はどう考えるのか」と問うた。

 村上氏は1999年のJCO臨界事故を経験し「この国には原子力の推進機関はあるがブレーキ機関はない」と実感。「前へ進むには推進ばかりでなくブレーキも同時に作るものだが、人を騙し金で釣りながら進めてきた。この根性は変わってない」と批判した。

 東海村は大量の核ごみを保持し、再処理工場は解体計画もあるが「今世紀に終わらない」と原子力施設が地域に及ぼす影響を指摘。再生可能エネルギーを推進する北欧諸国を例に「北海道は森林も風も地熱もある。可能性がある」と提案した。

 質疑応答では原発再稼働や汚染水の海洋放出問題にも言及。小出氏はトリチウムを含む汚染水の海洋放出に反対し、新たな貯水タンクを設置するなど代替案も提示。一方で「事故が無くても六ケ所村で再処理して出るトリチウムを海に流すことにしていた。国は海に流す以外の方策を絶対にとらないと思う。単に福島の問題ではなく日本の原発の根幹につながっている」と核燃サイクル事業の問題構造に批判した。

2022/7/21 参院選当選者 全日仏26人 佼成会17人

    
 7月10日投開票の参議院議員選挙で全日本仏教会(全日仏)は45人を推薦し、当選者は26人だった。党派別では自由民主党13人(推薦17人)、立憲民主党10人(同18人)、国民民主党1人(同3人)、日本維新の会1人(同3人)、無所属1人(同3人)。れいわ0人(同1人)。

 立正佼成会は選挙区で38人を推薦し、17人が当選した。党派別では自由民主党3人(推薦4人)、立憲民主党8人(同18人)、国民民主党2人(同4人)、無所属4人(同10人)。日本維新の会とファーストの会は各1人を推薦したが、当選しなかった。

2022/7/14 安倍元首相銃撃され死亡 各方面に衝撃 教団から追悼声明


大和西大寺駅北口近くに設けられた献花台に多くの人が訪れ、手を合わせた(9日) 8日午前11時半頃、参院選挙の応援のため奈良市内で街頭演説中だった安倍晋三元首相が銃撃され死亡した。67歳だった。戦後日本で首相経験者や閣僚が殺害された事例はなく、各方面に衝撃を与えている。暴力による言論封殺には各界から非難の声が上がっている。逮捕された容疑者(41)は、母親が宗教団体にのめり込み多額の献金をしたため、同団体とつながりのあると思い込み安倍元首相を襲ったと供述しているという。信仰をめぐる親子間のトラブル(宗教2世)という側面もある。今後の捜査により動機と真相が解明されると見られる。

 献花へ長蛇の列

 安倍晋三元首相が襲撃され死去した翌日の9日、近鉄大和西大寺駅北口そばの現場に特設された仮設テントの献花台には長い列が続いた。警備が敷かれる中、老若男女を問わず花やお茶を次々に捧げ、合掌。事態が信じられない様子で涙ぐむ人が、「ご苦労様でした」と深く頭を垂れた。子連れで献花に訪れた人もいた。

 午後には突発的に豪雨も発生したが、列は途切れず、最長時には数百㍍となった。献花は溢れかえり、車道にはみ出すほどに。急遽別の献花台が設置された。献花台は18日まで設置される。

 日蓮宗 暴力による主張を許さず 安穏社会願う

 日蓮宗(田中恵紳宗務総長)は8日、安倍晋三元総理大臣が銃撃され、逝去したことについて「安倍元総理大臣銃撃に関する声明」を公表した。「安倍晋三元総理大臣のご冥福を謹んでお祈り申し上げます」と弔意を表し、「人命尊重の観点から、いかなる暴力による主張や訴えは断じて許されない行為であり強く非難いたします」と表明した。
 
 声明文では、経典に「一切衆生悉有仏性」が説かれていることを明示し、「即ち、すべての生きとし生けるものはそれぞれにかけがえのない『いのち』を持っているとの教えです」と説示。近年、米国でも銃による事件が続発し、人命が失われていることにも触れ、「我々は教主釈尊の説かれた法華経の教え、そして宗祖日蓮聖人の教えを基に『いのちに合掌』の精神を提唱しております。『いのち』を軽視したこのような卑劣な行為が繰り返されることのない、安穏な社会となることを願っております」としている。

 浄土宗 「浄光会」世話人務める 暴力行使反対

 浄土宗は8日、川中光敎宗務総長名で「緊急声明 安倍晋三元首相銃撃を受けて」を発表した。以下は全文。
 
 令和4年7月8日、奈良市で安倍晋三元首相が銃撃され、暴力の犠牲となりました。謹んで哀悼の意を表します。安倍氏は、浄土宗有縁の政治家による『浄光会』の世話人として、法然上人の非暴力・共生・万民平等救済のみ心を通して活動に尽力されてきました。私たちは、いかなる理由であれ銃や暴力を使うことには反対します。これまでの安倍氏の功績に敬意を表すと共に、暴力のない、人々が安心して暮らせる「ともいき」社会の実現を目指します。

2022/7/14 令和2年7月豪雨 人吉別院で三回忌を勤修 本願寺派熊本教区と県仏が共催


「希望」などの言葉が書かれた灯籠も供えられた 熊本県人吉市の浄土真宗本願寺派人吉別院で3日、令和2年7月豪雨物故者三回忌追悼法要が営まれ、YouTubeで配信された。本願寺派熊本教区と熊本県仏教会の共催。この豪雨で亡くなった全国85人(うち熊本県は関連死を含め67人)の菩提を弔った。人吉別院も境内諸堂が床上浸水で大きな被害を受けた。

 大辻󠄀(おおづし)子順紀教務所長は観測史上例のない早期の梅雨明けや、一方で梅雨がないとされている北海道での豪雨など様々な異常気象に触れ「私たちができることは、災害はいつでもどこでも起こるとの自覚と覚悟、備えておくことです」と気を引き締めた。さらに「計り知れない無数の悲しみがあり、その上に私たちが生きていられるということ、そして犠牲になられた方々の無念さや思いを背負っていく責務があるということを、次の世代にもしっかりと伝えていかねばなりません」と、被災体験を継承していく決意を示した。

 導師を務めた野村宗雄人吉別院輪番は表白で観測史上最高の水位となった球磨川水系で氾濫が起きたことなどを振り返り「私たちは自然災害の恐ろしい猛威にただ驚き、おののき、無力を感じざるを得ないばかりです。しかしこの厳しく悲しい事実に向かい合い、受け入れつつ、犠牲となられた方々は火宅無常、生死無常、愛別離苦の娑婆世界が決して他人事でないことを身をもって無辺の生死海を尽くさんとして私たちをご教導されたと了解したいと思います」と述べ、悼んだ。

 伊藤公明熊本県仏教会会長はこの法要の縁にあたり「今、私の周りにどういう方がいらっしゃるだろうか、そういう方とどう関わってきただろうか」と考えをめぐらして生きてほしいと呼びかけた。

 本願寺派布教使の藤岡教顕氏が法話した。法要は現在も視聴可能。

2022/7/14 龍谷大学GRRC 「仏教×SDGs×ジェンダー」シンポ 仏教界は意思決定に女性を


戸松氏、入澤氏、安食氏、安永氏による全体討論でこれからの課題を議論 (龍谷大学提供)  龍谷大学ジェンダーと宗教研究センター(GRRC)らが主催するオンラインシンポジウム「仏教×SDGs×ジェンダー―身近な課題から持続可能な世界を考える」が6月28日に開催された。仏教の思想からSDGsの理念や目標達成に必要な行動と意識の在り方を考えると共に、仏教界のジェンダー問題など身近な課題も議論した。約150人が参加した。

 初めに全日本仏教会(全日仏)前理事長の戸松義晴氏が仏教界のジェンダーギャップや全日仏の取り組みを紹介。加盟する主要10宗派の教団において、教師の女性割合は約10%、宗務庁職員は約27%、意思決定機関である宗派の宗議会は約2%と低水準。全日仏の審議会や委員会の委員選定では「推薦枠」を活用し女性委員を登用し4%から16%まで引き上げた。戸松氏は人口動態をみながら葬儀祭祀者や供養の担い手の多くを女性が占めるとし、「意思決定の場に女性が関わる在り方を進める。仏教の教えからしても当然だし、将来の仏教界、寺院を考えても大事」と提起した。

 龍谷大学の入澤崇学長は「仏教SDGs」を理念に掲げる同大の取り組みを発表。SDGsの「誰一人取り残さない」の理念と「慈悲」の精神の共通性をあげ、同大が「自省利他」を行動哲学として推進する「リタクション(利他とアクション)」の取り組みに言及。環境省との「地域脱炭素の推進に関する協力協定」やグリーン人材の育成、貧困問題、水田再活用、障がい者の就職支援など、社会課題を解決するソーシャルビジネスの実例を紹介した。

 続いてLGBTQやジェンダー問題に関する提言では、龍谷大学宗教部の安食真城課長が学内でLGBTQの問題に取り組む際に「本当にそんな人がいるんですか?」と言われた一方で、キリスト教系大学の神父から「龍大生の相談に乗っている」と明かされた経験を披瀝。学内アンケートで858人中130人が当事者と回答するなど、身近な課題であることを示し、「我々自身の問題と認識する必要がある」と強調した。

 SDGsおてらネットワークの西永亜紀子代表はお寺の中のジェンダー不平等について発題。九州の寺院で坊守だった時に、清掃や食事の準備と片付けなど裏方の仕事に固定化され、ある組織の長に就任する際には「ご主人の許可」が条件になった経験を回想。女性がケア労働を一手に担い、社会参画の機会やキャリアが奪われることでリーダーが育たない悪循環を指摘し、意思決定に女性が加わる重要性を提言。「マイノリティや弱者の意見がくみとれない所に、苦しみを抱えた人が頼りたいと思うでしょうか」と問いかけた。

 全体討論では戸松氏が全日仏の委員会の女性比率の数値が改善されることで初めて仏教界の取り組みが「社会に伝わる」と強調。「数値目標を決めて制度を変えていかないと仏教界がダメになる」とし「宗議会では10%を女性議員にする」といった具体案も示した。

2022/7/14 無住無檀家の荒れ寺を再興中! 京都市右京区浄土宗了谷寺 青柳空泉住職の取り組み 建築士資格活かし修復 夢は「空外寺」への名称変更


 「寺じまい」「寺院消滅」そんな言葉が広まって数年。宗教法人の解散を決断するお寺は毎年出ている。そんな中、「寺院再興」に取り組んでいる僧侶がいるのだから希望の持てる話だ。京都市右京区周山の浄土宗了谷寺を3年前から預かる青柳空泉住職(74)は、師僧である山本空外上人の名を残すため寺院リノベーションに奮闘中だ。

わずか15坪ほどの了谷寺。40年間無住だった 京に田舎あり―そんな俚諺も思い出される周山一帯は、京都駅から直通バスで80分。戦国時代には明智光秀が支配しており城も作った。実は了谷寺も光秀が開基という伝承がある。

 ほんの15坪ほどの平屋の了谷寺。1980年頃から約40年間無住だった。玄関、座敷を経るとすぐに仏間(本堂)で、黒ずんだ阿弥陀如来像が落ち着く。いかにも古ぼけた昭和の建築という感じで、雨漏りの跡などが残っている。失礼ながら、御本尊がなければ一瞬廃屋と見紛う状態だが、「床が抜け落ちている場所もありました。屋根は直しましたが」と青柳住職が言うように、かつてはもっと大変な状況だったようだ。はるかな昔、地元の三十三観音霊場の一つだったそうだが、その観音像は無住時代に盗まれてしまったようだという。

エプロン姿で作業をしていた青柳住職 青柳住職は山梨県甲府市の在家出身。日蓮宗の檀家で、子どもの頃から仏教は好きだったという。甲府工業高校で建築を学び、東京での務めを経て京都に移った。「お茶を習っていたので、ぜひ茶室の建築をやってみたいという思いがあったんです。それなら東京にいるよりも京都で学ばなければと」。ちなみに文学青年でもあり、東京にいた頃は大江健三郎氏の「沖縄ノート」の制作を手伝ったという秘話も。

 仏縁が結ばれたのは、京都で裏千家の茶の師匠が「お茶のことをやるなら仏教のことを知らなければ。すごいお坊さんのお話があるから聞いてきなさい」と勧めてのことだった。その僧侶こそ山本空外上人だった。(続きは紙面でご覧ください)

2022/7/7 比叡山宗教サミット35周年 実行委員会が会見 「気候変動と宗教者の責務」諸宗教の力を結集し行動へ


記者会見に臨む大樹孝啓名誉顧問ら実行委員のメンバー 比叡山宗教サミット35周年記念「世界宗教社平和の祈りの集い」が8月4日、京都国際会館(京都市左京区)と天台宗総本山比叡山延暦寺(滋賀県大津市)で開催される(主催=同実行委員会)。「気候変動と宗教者の責務」をテーマに国内外の宗教者ら400人が参加予定。6月27日に京都市内のホテルで阿部昌宏実行委員長(天台宗宗務総長)らによる記者会見が行われた。

 大会名誉顧問を務める大樹孝啓天台座主は、人間が勝手なことをして自然を破壊し、いろいろな弊害が出ている」と述べ、物質文明の中で環境破壊が起きていることや、戦争や紛争により難民、避難民が大勢出ている目下の地球を憂慮。伝教大師の言葉「一身弁じ難く、衆力成じ易し」(『伝述一心戒文』)を引き、「一人の身では僅かな力しか出ないけれど、大勢の心を合わせた力によっていろんなことは成り立つ。この真理はいつまでもその通り」とし、諸宗教が協力して世界平和の構築のため行動を起こさなければならないと呼びかけた。

「祈りの集い」ポスター 午前10時に国際会館で開会。多摩大学学長の寺島実郎氏が「歴史的大転換期における宗教―心の回復力(レジリエンス)」のテーマで記念講演する。続く気候変動シンポでは薗田稔氏(日本、秩父神社宮司)、竹村牧男氏(日本、世界宗教者平和会議日本委員会平和研究所所長)、ジェームズ・バグワン氏(フィジー、メソジスト教会・太平洋協会協議会事務総長)、デズモンド・カーヒル氏(オーストラリア、カトリック・アジア宗教者平和会議実務議長)が発言する。その後、延暦寺に移り平和の鐘を鳴らし、祈り、そして「比叡山メッセージ2022(仮称)」を発表する。5年前に折り鶴を納めた「祈りのオーブ」も登場する。

 比叡山宗教者サミットは1986年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が提唱した「アッシジ平和の祈り」の精神を受け継ぐもの。そこで同じく平和の祈りを受け継ぐカトリックNGO団体・聖エジディオ共同体のアジア地域担当部長のアゴスティーノ・ジョバニョーリ氏が招聘される。

 集いの模様はYouTubeでオンライン配信される。(続きは紙面でご覧ください)

2022/7/7 曹洞宗宗議会 宗憲変更めぐり〝教学論〟 「和合」と「即身是仏の承当」宗制関係36案を審議 


演説する鬼生田総長 曹洞宗の第139回通常宗議会(三𠮷由之議長)が6月27日から7月1日の5日間、東京都港区の檀信徒会館で開かれた。前宗議会から継続審査となっていた宗憲の変更案に関し、有道会の河村康秀議員らが初日に修正動議を提出した。変更案によって教団が、宗旨とする「即心是仏の承当」よりも「和合」を重視しているように見えかねず、宗門の第一義に混乱を招くと疑問を呈した。

 変更案では、第1条の見出しを「名称」から「名称および趣旨」に改めた上で宗憲の趣旨を説明する項を新たに設け、「宗門は、その和合と興隆を念願する全宗門人の堅い信念に基づき、この曹洞宗宗憲を定める」(一部省略)と加えた。宗旨は第3条で述べられ、「仏祖単伝の正法に遵い、只管打坐、即身是仏を承当すること」(同)としている。

 河村議員は、第1条に「和合」を謳う趣旨が入ることで宗旨との間に混乱を招くと問題視し、「宗門の第一義が和合であるとは言えない」と主張。趣旨の新設は不要などとして、さらなる継続審査を求めた。

 採決では発議した7人以外が反対し、否決された。河村議員は「最高法規である宗憲の変更が、満票で決まらなかった。非常に残念だ」と語った。なお、変更案を検討した特別委員会の審査を経て、最終的に第1条の見出しは「趣旨」となり、名称についての条項は削除された。

 内局の任期中、最後の宗議会となった鬼生田俊英宗務総長は、重要課題に掲げた宗制の全体的見直しの締め括りに、規程変更案など宗制関係だけで36案を提出した。(続きは紙面でご覧ください)

2022/7/7 本願寺派 女性布教使大会 如来の慈悲 4人が法話 多様性狙い6回目


右上から時計回りに肥田さん、味府さん、松本さん、八幡さん  浄土真宗本願寺派の第6回女性布教使布教大会が6月24日に大阪市の津村別院で開催された。近畿・北陸から4人の女性布教使が仏法に出遇えた喜びを、自分の体験を絡めながら説法した。聴衆は男女を問わず、約60人が聞法した。

 トップバッターは北陸教区の八幡真衣さん。「またね!」と題し、昨年、法話中に倒れた経験とその回復の中で家族に励まされたことを織り交ぜながら「大好きな家族、大事な人、皆さんにもそれぞれにいられるかもしれません。どちらが先に往くことになるかわかりません」と述べ、だからこそ今、念仏することが大切なのであり「サヨナラのない世界を阿弥陀様が両手を合わせて待ってくださっている」。布教使2年目のフレッシュな感性で語りかけた。

 和歌山教区の肥田眞琴さんは「願いの中につつまれて」の題で法話。母から僧侶になることを願われ、豊かな愛情を受けて育ったことを回想し深く感謝しつつ「子煩悩というのは私たちの一番深いところの煩悩なんですね」と話し、そのような罪悪深重煩悩熾盛の凡夫を必ず救ってくれる如来の慈悲の願いを、朗々とした和讃も織り交ぜつつ語った。

 大阪教区の松本知子さんは、月参りで独居の門徒がいつも心を込めてお茶を淹れてくれることに触れ、「20数年前より5倍くらい時間がかかっている」としつつ、「その一杯のお茶は格別な味がしました。老いるってことはこういうことやなと思いながら、それも私の身に起こっていくこと。時間をかけて一杯のお茶を仕上げてこの私に届けてくださる、そのぬくもりが私の心に伝わる」と、月参り文化が根付く大阪ならではの人情法話。

 最後は大阪教区の味府浩子さん(女性布教使研修会実行委員会代表)。自分たちはどうしてもお金があるか、健康か、若いかといったことを尺度として生き、人と比べて死ぬまで苦しんでしまうが、「仏さまは、そんなこといいじゃないのって言っているの」。煩悩まみれの人間を絶対に救わずにはいられないから「お念仏して思い出しなさい、どんな時でも安心して生きなさいっておっしゃってる」と生きる力を湧き立たせる話をした。

 味府さんは女性布教使大会のねらいについて「多様性や女性の視点を考えた時、こういう機会があってもいいのかなって」と話し、来年以後はコロナの状況次第ではより幅広い地域から布教使を招いて大会としたいと期待した。女性布教使研修会の会員は現在、約240人。